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株式会社JDSC | 成長ベンチャーに訊く

ケーススタディ

2021年4月20日

共同体を意味する「Consortium」を社名に冠した株式会社JDSC(Japan Data Science Consortium Co. Ltd.)は、データサイエンス領域から課題を解決することで、クライアント企業が属する産業はもちろん、社会や暮らしまでもより良くしようと志を高くする注目のAI企業だ。「東大の知見を社会に実装する」とも語る、代表取締役の加藤氏に、その戦略とビジョンを訊いた。
代表取締役CEO 加藤 エルテス 聡志 氏

基幹産業へのアプローチで
業界全体の生産性を改善。
負のレガシーを刷新し、
日本をより良くアップグレードする。

株式会社JDSC
代表取締役CEO
加藤 エルテス 聡志

株式会社エクサウィザーズ

データサイエンス領域から課題を解消し、産業そして日本をアップグレードする

株式会社エクサウィザーズ

株式会社JDSCは、AIによるデータ分析やアルゴリズムの開発によって企業経営や業務プロセスにおける課題解決を行っている会社です。2013年に私が設立した一般社団法人日本データサイエンス研究所が前身であり、当初は医療分野のデータ分析を請け負っていましたが、その他の分野でもデータ分析のニーズが高まってきたため、2018年に株式会社化しました。現在は東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)などから出資を受けており、東京大学の各研究室と関わることも多いので、2018年11月からは東大がある文京区本郷にオフィスを構え、2019年7月に同じく本郷にある現在のオフィスへ移転してきました。

私たちは主に製造や物流、電力事業といった社会における基幹産業、リーディングカンパニーとのタイアップに注力しており、1社だけでなく、各産業で共有される課題をデータサイエンスの領域から解消していくことで、産業全体のアップグレード、ひいてはその産業が支える日本という国をアップグレードしていくことをミッションとしています。基幹産業は国を長く支えてきた一方、デジタル化が急速に進む今日からすれば、旧態依然とした“負のレガシー”もビジネスモデルに抱えています。ですから、その部分を刷新し、効率や生産性の向上をもたらすことが私たちの役割だと考えています。例えば、物流の不在配達に伴う時間やコスト、エネルギー消費などの削減、そして、これまでは地域の民生委員が足を運んで行ってきた独居高齢者の見守りなど、そのような社会課題の解消に向けて取り組むことも、我々の使命としています。

増員を見越してオフィスを変遷。現在は480㎡のワンフロアが拠点に

株式会社エクサウィザーズ

2018年の株式会社化当初、スタッフは私を含め3名で、シェアオフィスを借りて活動していました。色々なエリアのオフィスを使用することができ、固定費も抑えられ、拡張性やサービスも充実していましたが、一方で人の出入りが多く、オープンで賑やかすぎる環境は、我々との相性があまり良くなかったように思います。本郷に拠点を設けようと同年11月、小規模なビルで20㎡の小さなオフィススペースを借りることにしました。元々一時的な間借り感覚ではあったのですが、スタッフの増員ですぐに手狭となり、部屋の二酸化炭素濃度も濃くなるばかり。CO2センサーを小型コンピュータ「Raspberry Pi」に取り付け、濃度をチャットツール「Slack」に自動投稿するなど、目に見えない空気の状態を可視化し、換気のタイミングがわかるように工夫しましたが、決して快適とはいえないオフィスでした。それこそ換気自体を自動化することも考えていましたが、1年と経たずに同じく本郷エリア内で見つかった今のオフィスへ移転することになりました。

2019年7月に入居した現在のオフィスは、480㎡の広さがあり、さらなる社員の増員を見越して入居を決めました。私たちの前に入居していた企業が役員室フロアとして利用していたところで、居抜きに近い状態で借ることができたので、活かせる部分はそのまま活用。床や壁の色などは、オフィスの改装を担当した社内委員会のスタッフたちで選んでいきました。オフィスづくりで重視したのは、日本の生産性向上をめざす我々の事業と同様に、社員の効率や生産性の向上であり、PCモニターや椅子といった備品、福利厚生なども含め、「生産性が上がるか」で決めていきました。社員のリクエストを募り、他社の事例も参考にしつつ決定していきました。中には「それは個人の好みでは?」と思うような意見も出ましたが、アイデアレベルでは自由に意見してもらい、それを委員会で精査したのち、部門長や取締役が最終決定をしていくかたちを取りました。

現在のオフィスの仕様としては、気軽に話し合いの場が持てるようにホワイトボードのあるオープンスペースを充実させ、会議室やオープンスペースなど、会議ができるすべての場所に大型モニターを設置しています。デスクは個人専用のものとフリーアドレスのデスクを半々ぐらいで用意し、社員の希望に合わせて利用できるようにしています。また、集中して作業するためのスペースや、卓球をしてリフレッシュしたり仮眠したりするのに使える部屋も確保しています。その部屋にはベンチプレス用のマシンも置くようになりましたし、卓球も、仮眠中の人がいるとき以外は、好きなタイミングで利用できます。しかし最近は顧客とのリモートミーティング中に、「よっしゃ!」と卓球で盛り上がる声が聞こえるので、少し改善の必要があるかもしれません(笑)。

徐々に減ってきたオープンスペース。離れたくない本郷という絶好の立地

株式会社エクサウィザーズ

こちらへ移転してきたときの社員数は20名ほど。スペースに余裕があり、どちらかといえばがらんとした印象でした。しかし2021年1月現在、社員は約54名。今も毎月100名以上、求人への応募があります。社員はコンスタントに増え続けており、入居後2年と経たない間にオープンスペースの割合が減ってきています。弊社はコロナ禍になる前からリモートワークを推奨してきましたし、エンジニアの中には自宅のほうが設備が整っていて効率的だという人もいます。それでも以前は出社するスタッフが多く、オフィスの階下でさらに1フロアを増床する計画もありました。ただ、その場合も業務上のコミュニケーションや行き来に手間取らないよう、各部門をフロアで分けたりはせず、増床階には会議スペースのみの設置を考えていました。新型コロナの影響がどこまで続くかはわかりませんが、他に広いオフィスがあるなら移転すべきだという考えもあると思います。しかし、弊社が上場するタイミングまでは、こちらのオフィスで社員の増員に対応していく予定です。先にお話ししたように、弊社はデータサイエンスに関わる東大の様々な研究室とつながりがあり、その知見を社会に実装していくことをめざしています。また、東京大学から多くのインターン生を受けれていますし、社員の中には大学院で研究を続けているスタッフもいます。そのため、東大のある本郷エリアから離れることは考えていませんし、例えリモートが当たり前の世の中になったとしても、このロケーションを我々の事業に最大限に活かしていきたいと考えています。

社会や暮らし、全方位を向いてこれからの世の中をより良くする

産業の共通課題を解決し、その産業のリーディングカンパニーとともに、産業全体に革新を起こすことは世の中に対するインパクトも大きく、その点にやりがいや魅力を感じて入社してくれるスタッフが多いです。国のガイドラインにのっとり、2024年までには各家庭の電力メーターが、インターネットを介して30分ごとに電気使用量をチェックするスマートメーターに交換されますが、このメーターは訪問による検針業務の負担を減らすことに加え、データを活用することで不在配達の解消や独居高齢者のフレイル検知にもつながります。コンピュータやデータは、かつて特定の産業や業界で使われるものでしたが、いまやどのような分野でも活用されています。AIも同じことが起こるでしょう。我々は、これからも、社会課題と向き合い、データの真価を解き放ち、日本をアップグレードしていきたいと思います。
 

上記の記事の内容は BZ空間誌 2021年春季号 掲載記事 掲載当時のものです。

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