賃貸オフィス・賃貸事務所の記事

ベルフェイス株式会社 | 成長ベンチャーに訊く

ケーススタディ

2020年4月28日

ベルフェイス株式会社代表取締役社長 中島 一明氏

オフィスは、
経営者が発するメッセージ。
自由な働き方ができる
シェアオフィスから 世界を目指す。

ベルフェイス株式会社
代表取締役社長  中島 一明

ベルフェイス株式会社

起業1社目での経験を活かし営業特化システムの会社を設立

- まず、貴社の事業内容についてお聞かせください。

当社は、営業に特化したWeb会議システム「bellFace」を提供しています。電話口でお客様に「ベルフェイス」と検索してもらい、サイト上で発行される接続ナンバーを営業担当者側に伝えていただくだけで、オンライン商談を始められるシステムなのですが、お客様側にアプリインストールの必要がなく、インターネット環境さえあれば誰とでもつながることのできるシンプルさが特長です。

- 会社を設立したきっかけは。

実は、起業したのはベルフェイスが2社目。1社目は、21歳の時に立ち上げた社長動画メディアの会社でした。私は15歳で「将来は事業家になる」と決め、高校を1年で中退しています。土木会社の正社員やアルバイトなど色々な仕事を転々とした後、バックパッカーで世界一周しながら毎日事業計画書を書き続け、200以上のビジネスプランを考えました。

帰国後、社長インタビューの動画を掲載する事業を地元の福岡で始めました。徐々に掲載依頼が増え、全国展開に踏み切ったのですが、営業活動に苦労しました。現地の代理店を通しても趣旨がうまく伝わらず、かといって各都道府県に営業所を設けるのも、創業したてのベンチャーの規模では現実的ではありません。そこで電話営業に注力したところ、福岡だけで300社だった掲載企業が、2年間の全国営業で6,000社に増えたのです。この経験から、リモート営業だけで事業を大きくできること、すべてのお客様が必ずしも来社を望んでいるわけではないことがわかり、リモート営業に大きな可能性を感じました。

それと同時に、電話営業の限界とストレスも感じていました。やはり、直接会って話すほうがコミュニケーションは円滑になりますし、必要であれば現物を見せたり、その場で契約書を交わしたりすることもできます。電話だけの場合はそれができず「後で申込書をファックスで送ります」と伝えても、二度と連絡が取れないお客様もいます。営業に特化したシステムを作れば需要があるはず―そう考えていた矢先、会社の経営方針に関して株主の方と意見が合わず、代表取締役を解任されました。その直後、1社目の経験を活かしながらアイデアを実現するため、2社目のベルフェイスを立ち上げました。2015年4月のことです。

社員の自律を尊重した自由な働き方は月8万円のシェアオフィスから始まった

ベルフェイス株式会社

- 創業当初はどのようなオフィスだったのですか。

解任された当時、もうすぐ3人目の子供が生まれるという状況で、お金がないどころか、1社目の連帯保証を外してもらえず解任後も借金返済がありました。その影響で創業初期は借り入れもできなかったため、博多駅近くのシェアオフィスを月8万円で借りたのが最初です。

- その時は一人ですか?

いいえ、1社目から優秀なメンバーがついてきてくれたので、ベルフェイス設立当初から3~4人の社員がいました。かといって、全員が出社できるスペースはなく、オフィスは名刺に書ける住所があればよかったんです。社員には毎月の目標を明確に示し、それさえ成し遂げてくれれば、どこで何をやってもいいというスタンスでやってきました。それは、今も我々の働き方として続いています。

- その後、東京に本社を移したわけですね。

そうです。1年ほどは福岡でプロダクト開発を進めていたのですが、ITビジネスのお客様は東京がメインなので、東京に出ることにしました。それで、「ベンチャーといったら渋谷かな」と、それほど深い理由もなく渋谷に居を構えました。セルリアンタワーの裏の住宅街の一角にある、月6万円のレンタルオフィス。一畳分くらいの専有スペースにシェアスペースがついていて、3階はカプセルホテルという便利なオフィスでした。

そこに1年くらい居て、約8000万円の資金を調達したタイミングで、渋谷駅近くの雑居ビルに引っ越しました。ここは電車が通るたびに騒音に悩まされるという執務環境。その後、もう一度渋谷地区で移転を行い、2018年11月に京橋駅直結の「WeWork 東京スクエアガーデン」に移転しました。そのころの社員は40名ぐらい。約半年で社員が100名に近くなり、京橋ではオフィスの拡張が難しかったため、2019年9月に「CROSSCOOP新橋」というレンタルオフィスに開発部隊を移しました。12月には、京橋の本社機能を「WeWork 渋谷スクランブルスクエア」に移転し、現在に至ります。

- 創業から、ほとんどレンタルオフィスやシェアオフィスを拠点とされていますが、社員のみなさんは、どのような働き方をされているのでしょう。

基本的には、全社員にリモートワークや在宅勤務、フレックスタイムを認めて、自由に働ける環境を整えています。社員は家の近くのWeWorkを自由に使うこともできます。そもそも我々は、営業で必ずしもお客様を訪問しなくていい、訪問をしないことで働く場所や時間は縛られなくていい、という新しい働き方を世の中に広げていく会社です。まずは自分たちがそのような新しい姿を体現し、「ありたい姿」を広めていきたいと思っています。

シェアオフィス入居の理由は採用強化と海外展開

ベルフェイス株式会社

- シェアオフィスは通常のオフィスを借りるよりも割高かと思う のですが、それでも選ぶ理由は何でしょう。

自由に働ける場を提供することは、優秀な人を採用するうえで重要な要素だと思っています。初めの頃は、「福岡から東京に移ったのに、オフィスの賃料が8万円から6万円に下がってラッキー」くらいの認識でしたが、今は新橋のオフィスだけで毎月数千万円、年間億円単位の賃料を払っています。でも、見方を変えれば、優秀な人材をきちんと採用できれば、費用対効果としては問題ありません。もちろん採用に影響するのはオフィスがすべてではありませんが、優秀な人に選ばれるために会社が投資できることの重要な一つだと思っています。

もう一つは、我々は海外展開を本気で考えていて、世界中に展開するシェアオフィスを海外展開の拠点にするという意図があります。昨年、カナダのモントリオールとバンクーバーのWeWorkを訪れたところ、現地のコミュニティマネジャーが5~6社の現地企業とマッチングしてくれました。ツテがないまま現地に乗り込むのに比べて、このようなネットワークを活用できるメリットは大きいですね。

- 今後、シェアオフィスが海外展開の手段として活用される傾向は強まっていくのかもしれませんね。

オフィスは、経営者が発するメッセージだと思うんです。我々はWeWorkに入ることで、「働き方は自由ですよ」「私たちは働く環境に投資する会社ですよ」「本気でグローバル展開を考えているんですよ」と表明しているわけです。社長が口だけで言うよりも、実際に投資しているのですから、説得力が違います。

- シェアオフィスに入居することで、他社とのコミュニティづくりにおけるメリットもあるのではないですか。

まず、シェアオフィスに入居して待っているだけで、何かが起きるものではありません。シェアオフィスでネットワークを広げたいなら、そのためのアクションを起こすことが大前提です。WeWorkではフリースペースを活用して入居企業がイベントを開催することができるのですが、ベルフェイスは入居してから何度か自社イベントを開催しています。またその際には必ず目標以上の集客を行い、イベントを通してWeWorkのコミュニティを盛り上げてきました。そうした実績が買われて、渋谷スクランブルスクエアのWeWorkがオープンした時、ベルフェイスがイベント開催のトップバッターに選ばれました。渋谷スクランブルスクエアという話題のビルで、しかも日本最大のWeWorkで、自社イベントの開催を希望する入居企業はたくさんありました。その中でも、ベルフェイスを真っ先に取り上げてくれたのは、これまでコミュニティを盛り上げてきた我々の実績に期待してくれたからだと思います。シェアオフィスのコミュニティにただ参加するだけでなく、自分たちでコミュニティを盛り上げるスタンスが大切です。

世界にインパクトを与えられなければベンチャーである意味はない

ベルフェイス株式会社

- 今後、社員数をどのくらいまで増やしていく予定ですか。

そうですね。現在、社員数は114名ですが、今期で400人まで増やす計画です。

- 会社が成長するにつれ、社員が増えるにつれ、どのようなオ フィスが理想だとお考えでしょう。

現在、エンジニアはフルリモートで働いていますが、逆に1ヶ所に集まって仕事をしたいという社員もいます。我々は創業当初からリモートワークとフレックスタイムを推奨してきたので、チームでの協働作業を一度も経験したことのない社員も多いんです。チームで同じ場所で働くからこそ、コミュニケーションが生まれ、いろんなアイデアが生まれるメリットも確かにあります。今、ベトナムやミャンマーでエンジニアの採用を増やしているので、働く場所や時間に制限を設けないことは前提として変わりませんが、チームで働くことの相乗効果をいかに実現していくかは、今後の課題だと考えています。

- 最後に、今後のビジョンをお聞かせください。

世界数十ヶ国で新たなビジネスを生み出すセールスプラットフォームを作ることです。世界で認知されてインパクトを与えられるビジネスをやらなければ、ベンチャーである意味がないと私は思っています。ですから、これからもこれまで同様、海外展開を前提に一つひとつの意思決定を行っていきます。

他カテゴリの記事を読む

よく読まれている記事

関連記事

株式会社PR TIMES| 成長ベンチャーに訊く

ケーススタディ

2020年11月24日

WEBサイトをプラットホームに、プレスリリース発信サービスを提供するPR TIMES。インターネットが社会に浸透する以前のプレスリリースのあり方を見直し、...

Marketing-Robotics株式会社| 成長ベンチャーに訊く

ケーススタディ

2020年11月20日

営業マン一人ひとりにデジタルマーケティングを提供するためにMAツール「マーケロボ」を開発・販売するMarketing-Roboticsの代表、田中亮大氏。...

スプラッシュトップ株式会社 | 成長ベンチャーに訊く

ケーススタディ

2020年11月16日

スプラッシュトップの日本支社では、コロナショック以前から積極的にリモートワークを行ってきた。「アメリカ本社から見れば、日本支社で働くこと自体がリモート」と...