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賃貸オフィス・事務所の記事

株式会社東洋経済新報社

築50年の本社屋をリノベーション。
“居ながら改修工事”を短期間で完了し、将来を見据えた本社機能を構築。

オフィス移転プロジェクト事例 / 株式会社東洋経済新報社 受付

ビジネス専門雑誌や書籍を出版する東洋経済新報社は、昨年7月、築50年を超える本社屋の耐震改修、及びオフィス環境改善のためのリノベーションを完了させた。24時間稼働の部局を抱えながら、通常業務と改修工事をどのように両立させていったのか。また、耐震改修とオフィス環境改善の施策を、どのように進めていったのか。長年のビル使用による弊害を刷新し、本社ビルの長期利用を見据えたリノベーションの過程を取材した。

長期的な継続利用を見据えて本社ビルをリノベーション

オフィス移転プロジェクト事例 / 株式会社東洋経済新報社 ロゴ

『週刊東洋経済』や『会社四季報』をはじめとする雑誌や書籍の出版、様々な媒体での経済・企業情報の提供で知られる東洋経済新報社(以下、東洋経済)。東京・日本橋にある本社ビルには、社員と協力スタッフを合わせて約450人が働いている。出版社の中には、編集や制作作業の多くを社外に委託する会社もあるが、同社ではほぼすべて自社内で刊行物を制作している。つまり、社員たちが働く本社ビルこそが、東洋経済の言論活動と情報発信を支えているのである。

同社は、2011年11月から翌年の7月にかけて、本社ビルの耐震改修及びリノベーションを行った。1961年に建設された本社屋は老朽化が進んでおり、改修工事を行うことで、今後も10年以上は使用できる快適な職場環境を実現するためである。

ビル改修の発端となったのは、東洋経済が所有する主要な不動産の有効活用を検討する過程でのこと。この時点から外部パートナーとしてシービーアールイー(CBRE)の支援・助言を受け、様々な施策が検討されていた。以前に実施した耐震診断による、築50年を超えた本社ビルの耐震強度不足という結果も踏まえ、当初は、同ビルの建て替えや本社移転などの選択肢もあった。しかし、中長期的な事業展開や経済情勢をにらみ、2009年にリノベーションによる継続使用の方向に舵を切ったのである。

オフィス移転プロジェクト事例 / 株式会社東洋経済新報社 外観

まずは耐震改修による職場の安全性の確保を最優先にしながら、長年にわたる本社ビル使用において課題となっていた“使いづらいオフィス”の改善を目 指した。最も大きな課題は、ビルを使用してきた長い期間に同社の事業構造や人員構成が変化しているにもかかわらず、オフィス空間を柔軟に対応させることができていないことだった。それゆえ、連携すべき部局やスタッフが別々のフロアに分かれてしまったり、社内コミュニケーションに不便が生じてしまったりしていた。

また、編集部局の執務エリアは膨大な資料に埋もれがちで、資料が崩れ落ちて通路が通れないことも。一部の部局が繁忙期に備えて会議室を押さえてしまうなど、共用スペースを効率的に使用できないこともあった。「オフィスの問題に対してはこれまでも手を打ってきましたが、場当たり的な策に終始し、根本的な解決には至りませんでした。耐震改修を機にリノベーションも行い、オフィス環境を改善したいと考えました」と本プロジェクトを担当した総務局の玉岡直人氏は話す。

2011年2月、リノベーション委員会が発足。当初は計画に半年ほどの時間を費やし、12年に入ってから着工、13年春に完了する予定としていた。

ところが、その1ヶ月後、東日本大震災が発生し、事態は一変。「耐震改修を優先して早急に安全を確保せよ」とのトップの意思決定を受け、2012年夏には改修工事を完了させることになったのである。とはいえ、ここで耐震改修だけに特化してしまうのは、せっかくのオフィス環境改善のチャンスを逃してしまうことになる。「経済合理性を考慮しても、耐震改修とリノベーションは同時に進めるべき」とのオブザーバーであったCBREの助言を受け、可能な限り、両方を並行して進めることになった。

震災の発生はまた、耐震改修とリノベーションに対する社員の協力を得やすい状況を作り出す結果となった。玉岡氏はこう話す。「当社は個性的な人間の集まりなので、方針をまとめるだけでも難航することが予想されました。しかし、震災が社員の意識を前向きに変えるきっかけになったといえます」。

通常業務への影響を最小限に抑えビルに居ながらの改修工事

オフィス移転プロジェクト事例 / 株式会社東洋経済新報社 耐震補強工事の様子

本社ビルに居ながらにして改修工事を遂行するに当たっては、一部の部局に一定期間、ビル外へ移転してもらう必要があった。この一時移転によって空いたフロアを改修し、改修後はそのフロアに別の部局が入り、それによって空いたフロアを改修していくという玉突きのプロセスを繰り返すのである。どの部局が移るのかについては、比較的独立性の高い二つの部局に白羽の矢が立ったが、最初はかなりの抵抗があったという。しかし、一時移転期間中の臨時オフィスとして、本社ビルからも近い大手町にある取り壊し間近のビルが決まると、「実際に広くて快適な執務空間を見て、該当部局の社員の不満や戸惑いは終息に向かいました」と玉岡氏。「CBREから提案された移転先は、コストパフォーマンスも高く社員も納得するもので、改修工事を進めるうえで大きなポイントになったと思います」と振り返る。

また、通常業務の妨げにならないように改修工事を進めていくための配慮も必要だった。どの部局も必ず一度はビル内で移動しなくてはならず、業務への影響は必至であることから、不満の声も予想された。しかし、「早めに概略の全体移転スケジュールを提示できたので、社員は可能な限りスケジュールを調整してくれました」と玉岡氏は話す。

オフィス移転プロジェクト事例 / 株式会社東洋経済新報社 耐震補強工事の様子

工事中の騒音についても、一般的には夜間に工事を進めることで対応できるが、同社の場合、週刊誌等の編集や制作に携わる部署はほぼ24時間体制で動いており、工事の騒音による業務への影響は避けられない。従って、通常は夜8時頃から工事を始めるところを、繁忙期には真夜中の12時以降にずらしてもらうなど、工事時間を調整することで対応した。それでも騒音が気になって原稿が書けないという社員には、工事から離れたフロアや、大手町の臨時オフィスで一時的に執務できる環境を用意するなど、細心のケアを心がけた。

関連部局を近くに配してコミュニケーション向上を図る

オフィス移転プロジェクト事例 / 株式会社東洋経済新報社 会議室

快適なオフィス環境に刷新するため、部門や機能の配置については十分な検討がなされ、これに合わせ改修工事の手順が計画された。関連の強い部局やスタッフを近くに配置することで、コミュニケーションの取りやすい環境を整備するためにすべてをシャッフルし、最適な執務環境を目指したのである。

また、各部局が既得権益として囲い込んでいた会議スペース等を一旦回収し、予約システムの改善により効率よく使える会議スペースや共用スペースとして必要な部局に再配分し、有効な活用を図った。執務スペースを圧迫していた資料や書類については、移動に際して不要なものは廃棄するよう指示。中には、1人当たりの文書量を自主的に決めて文書削減に努め、相当量の文書削減に成功した部局もあるという。

オフィス移転プロジェクト事例 / 株式会社東洋経済新報社 コミュニケーションスペース

また、4階には新たにコミュニケーションスペースを設けた。本社ビルには社員食堂がないため、社員ではない協力スタッフは会議室や作業スペースなどで昼食をとっていたが、誰でも利用できるコミュニケーションスペースを設置することで、昼食や休憩に使ってもらうようにしたのである。「実際の利用状況を見ると、昼食時の利用はそれほど多くはありませんが、作業の合間にこの場所で息抜きできるだけでも気分転換になると好評です」と玉岡氏は話す。

また、今回のリノベーションではセキュリティレベルも向上させた。オフィスと来客エリアとのアクセスに明確に制限をかけたのだ。情報を取り扱う業種だけにセキュリティの重要性を認識し運用してきたものの、強化しすぎることで業務上支障をきたすのではという懸念もあったようだ。「出版社として開かれたイメージをどう保つかは課題です。以前は1階に刊行物を自由に見てもらえる販売コーナーを設けていたので、それを復活させることも考えています」。

工事で明らかになった問題点中長期的な改修のきっかけに

オフィス移転プロジェクト事例 / 株式会社東洋経済新報社 オフィス

耐震改修により、従業員が安全に、安心して働ける環境を整備できたことは大きな成果だと玉岡氏は振り返る。耐震改修工事を行うに当たって懸念していた、「補強箇所ばかりが目立ち、使い勝手の悪いオフィス」にならなかったことも評価できるという。

CBREは今回のリノベーション以外においても、当本社ビルの1階スペースへのコンビニエンスストア誘致や、他の不動産資産の売却など、不動産ポートフォリオの最適化を支援してきたが、「耐震改修だけでなく、オフィスとしての利便性も確保したいという私たちの要望を理解し、コストと品質、スケジュールのバランスを考慮しながら、耐震改修案を精査してくれた」と玉岡氏。

今回のリノベーションは、本社ビルの建物構造を精査し、今後の継続使用に向けた課題を明確にするうえでも絶好の機会だったようだ。築50年も経つと建設当時の設計図書から変更され、不明な部分も多かった。しかし、改修工事を進める過程で、インフラ設備の不備や問題点が明らかになったという。「リノベーションを機に専門家の調査を受けたことで、建物の問題の全容が明らかになりました。今後10年以上の使用を見据えて、中長期的な改修プランを立て、このビルを有効に利用していくきっかけにしたい」と玉岡氏は話している。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2013年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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