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賃貸オフィス・事務所の記事

Vol.13 株式会社ネクストスケープ

ビジネスの質はオフィスの質に比例する、常に未来の成長を見据え、ビジネス空間を構築

気の合う仲間2、3人で連れだっての起業から、社員が5人、10人、30人と加速度的に増加していくベンチャー企業の草創期。それに伴い、もちろん執務空間も、マンションの一室から事務所ビル、さらにもっと大きなオフィスへと成長していく。この時期、組織や企業がどのように進化していくかということと、どのようなビジネスの器を用意するのかには、非常に深い関係がある。そのことは、ベンチャー企業経営者の誰しもが、身をもって感じていることだろう。今回の「成長ベンチャーに訊く」は、先頃、三軒茶屋に新居を構えた株式会社ネクストスケープ小杉社長に、企業の進展と、その時々につくりあげてきたオフィスについての思い入れをお話いただいた。

株式会社ネクストスケープ
代表取締役社長 小杉 智

1976年生まれ。2000年に慶應義塾大学総合政策学部を卒業し、同年、ネクストスケープを合資会社で設立。2002年に有限会社化、2005年に株式会社に組織変更。在学中から、データベース理論、マーケティング理論、データマイニング理論を研究し、その知識をビジネスに活かすべく起業に至る。

大学の研究室から起業 職住一体のマンション時代

起業当時のビジネス内容と仕事場の様子についてお聞かせください。

小杉学生時代の研究テーマだったデータ分析やシステム開発を、そのままビジネスにしたのが起業のきっかけです。大学の先輩たちと3人で会社を始めたので、最初は大学の研究室を借りて仕事をしていました。ただ、さすがにずっと居座り続けることもできず、最初の仕事場として借りたのが中央林間(神奈川県)の3DKのアパートでした。当時は、インターネットの常時高速接続が可能な地域には限りがあり、ケーブルテレビの常時接続サービスが月1万円以内で提供されていたのが、中央林間の物件だったのです。 そうはいっても、中央林間という場所は何かと不便。打ち合わせのために都内に出るのにも時間がかかるため、まずは都内に移ろうということになりました。当時はまだ社員3人の小さな会社でしたから、渋谷に出るには少し勇気がいる。渋谷の一歩手前で、しかも急行が止まる駅にしようということになり、三軒茶屋に3LDKのマンションを借りました。

3人程度の規模の会社であれば、マンションの一室でも特に問題なかった。

小杉当時は仕事と生活が一体化していましたから、広いお風呂とキッチンが完備されていて、快適に寝泊りできることが重要なポイントでした。そういう意味では、マンションにオフィスを構えることは何の問題もなく、かえって便利だったぐらいです。しかし、クライアントや取引先との打ち合わせが増えるにつれ、玄関で靴を脱いで上がるという行為は、お客様にとって心理的に抵抗があるかもしれないと感じるようになりました。 マンションがオフィスだった頃は、いわば私の個人事務所のようなもの。自分が最大限の力を発揮できる執務環境であればよかったわけです。しかし会社を大きくしたいなら、自分自身をプロデュースするというよりも、社員一人ひとりが能力を発揮して、クライアントから評価されることが何よりも大切だと考えるようになったのです。それまでの家族や仲間のような関係から、経営者と従業員の関係へと社内の組織化を図る必要がありました。三軒茶屋のマンションに2~3年ほどオフィスを構えたのち、社員が5人に増えた時点でオフィスビルであるYKビル(三軒茶屋)へ移転しました。

社員5人で78坪のオフィス「2年でここを埋める」と宣言

YKビルに決めた経緯は?

小杉はじめからYKビルを考えていたわけではなく、最初に想定していたのは20~30坪程度のオフィスでした。しかし、いくつかの物件を検討するうち、その広さで借りてしまうと、そこに収まる程度の規模のビジネスしか展開できないと思うようになったのです。経営者仲間からも、引越しにはコストがかかるため、すぐに移転や増床が必要になるくらいなら最初から最低でも2年先を見越した大きさの場所を借りたほうがいいというアドバイスを受けました。そこで、最終的にYKビルの78坪の物件に決めたというわけです。

78坪というと、社員5人の会社にしてはかなり広めのオフィスなのではないでしょうか。

小杉もちろん、最初はガラガラでした。ただし、「2年で社員を30人まで増やし、2年でここを出る」と社員には宣言していましたね。実際には、予定より1ヵ月半ほど遅れましたが、それは実現しています。

また、当社では一人当たりのスペースを最大化することをオフィスづくりの重要課題としており、それも広いオフィス面積を必要とする理由の一つです。YKビル時代でも、180cm×180cmのL字型のテーブルを社員一人ひとりに与えていました。広さにして4畳ほどです。

一人当たりのスペースの広さはそれほど重要なのですか。

小杉重要ですね。システム開発の現場では、クオリティの高い仕事をするために長時間集中して作業することが求められます。そのためには、長時間座っていても疲れない椅子や、資料をいっぱいに広げても十分な広さの机が必要です。

劣悪な仕事環境では良いモノは生大学の研究室から起業まれてこないし、良いモノを作るために必要な環境を整えるためなら、ファシリティ部分に関しては日本でも指折りになれるくらいに投資しようと思っています。この考えは、僕がエンジニアとしてやっていたマンション時代から変わっていません。

1年前から移転準備開始人を2倍、広さを2.5倍に

次に移ることになるサンタワーズビル(三軒茶屋・現オフィス)への移転プロジェクトは、いつごろから動き始めたのでしょうか。

小杉移転の約1年前(2006年4月)からです。当時は、オフィスにまだ余裕がありましたが、それでも1年後には一杯になることを見越してプロジェクトをスタートさせました。

移転に関して担当者に指示したことは、「社員数を今(YKビル時代)の倍に、広さは2.5倍に」。つまり、60人を収容できる180坪前後のスペースです。

社員数が2倍で、広さが2.5倍というのはどうしてなのでしょう。

共用スペース

小杉一つには、会議室を増やすため。もう一つは、共用スペースを充実させるためです。

仕事の質を高めるために連続した集中時間を確保しようとするなら、その分、息抜きできる場所も必要です。人が増えれば増えるほど、その重要性は増してくるのではないでしょうか。実際にYKビルでは、社内でランチを食べたり休憩したりする場所がなくて不便だという声が聞かれました。弁当を机で食べようと思っても、なかなか落ち着いて食べることができない。机に座っている限りはオンになってしまうので、そこから外れてオフになる時間やゆとりを持たせてあげたいなと思ったのです。

会社の成長に合わせ、都心へ移転しようとは考えなかったのでしょうか。

円卓の中会議室

小杉考えませんでしたね。三軒茶屋は渋谷に近く、都心にも出やすいので、ビジネス上のデメリットは特に感じていません。むしろ、坪単価の高い都心に出ることで、オフィス面積を犠牲にすることのほうがデメリットだと感じています。渋谷と三軒茶屋ですら、すでに2倍近い差があります。家賃の低い三軒茶屋で倍近いスペースを社員に与えたほうが、仕事のクオリティは4倍になると考えています。

また、当社では会社まで徒歩通勤圏内に住んでいる社員に対して「至近距離手当て」を支給しています。その制度を活用して三軒茶屋に住む社員も多く、三軒茶屋で移転先を探すことは外せない条件でした。

このサンタワーズビル以外にも検討されたのでしょうか。

ガラス張りの大会議室

小杉ワンフロアでこれだけの面積が取れるビルとなると、三軒茶屋では選択肢が限られてきます。家賃を考えると、サンタワーズビル以外にはなかったというのが実情です。しかし、当時はサンタワーズビルに空きはなく、空き情報が出るまで根気よく情報収集を続けるしかありませんでした。

このビルに入れるという保証はどこにもなかったため、同時進行で他の選択肢も検討していました。具体的には、会議室を他のビルに分室化したり、オフィスを2フロアに分けるといったようなことです。しかし、会社がまだまだ発展途上なことを考えると、私の声が全員に届くような環境が必要でした。それにはやはり、ワンフロアでなくてはならなかったのです。悩みながら半年が過ぎ、ようやく当ビルの空き情報をつかんだのが昨年10月のことでした。

仕事の質に貢献する開放感あるオフィス空間

オフィス空間を作るにあたって、留意した点はありますか。

社長室

小杉私がオフィスづくりの担当者に伝えたのは、「長くいても疲れない、温かみのあるオフィスにしたい」ということです。他に、会議室の数と大きさには特にこだわりました。必要だったのは、30人を一度に収容でき、多目的に使える大会議室と、8人が円卓で座れる中会議室、4人でこじんまりと話せる小会議室です。ただ、これだけの会議スペースを確保するのは相当大変だったようです。

女性専用ルームや休憩場所となる共用スペースも十分用意しました。このオープンスペースは、床を15センチほど高くして板の間にしています。会社全体が見渡せるので、新入社員を紹介したり、誕生日の社員に花束を渡したりするときに使っています。納得の一品ですね。

会議室や社長室はガラス張りになっていて、日が落ちた後にダウンライトを点灯しておくと、社員のいる執務スペースから眺めた時にきれいなんです。仕事の合間にふと机上から目を上げると、ほっとできる景色がある。そんな閉塞感を生まないオフィス環境が大事だと考えています。

広い会議室で打ち合わせ得意先の来社回数が増える

ブランディング戦略の一環としてオフィスを考えたときに、考慮した点はありますか。

小杉「この会社は仕事が丁寧だ」「クオリティが高いよね」と思っていただけるようなイメージづくりを目指しました。贅沢すぎず、派手すぎず、上品な高級感を出せるように工夫しています。全体的に白を基調にする場合、白と黒でまとめてしまうとモダン過ぎて高級ブランドのようなイメージになってしまいますが、部分的に板の間にすることで、家のようなやわらかさを演出できたのではと思っています。

社外の反応はいかがですか。

ガラス張りの大会議室

小杉以前に比べ、お客様が当社に足を運んでいただける回数が増えました。YKビル時代には狭い会議室が一つしかなく、当社にお越しいただいて打ち合わせを行うことは物理的に難しかった。片や、今のオフィスには複数の会議室がありますから、「当社に来て打ち合わせをしませんか」とご提案することもできます。10人や20人が集まっても十分収容できるし、ガラス張りのため室内が明るいので、前向きな気持ちで議論できます。せっかく大人数が集まるからには、何かを決めたり何かを生み出したり、実りある会議にしたいですよね。当社の会議室ならそれができると思っているので、自信を持ってお客様をお招きしています。

次の移転については、どのように考えていますか。

休憩場所となる共用スペースには、ソファーと書籍&コミックも用意されている

小杉2~3年で会社を倍の規模にして、次のオフィスに移る予定です。これまでの2年毎から、今回は1年だけ猶予を与えていますので(笑)、来年の春の段階で、その1年後に引っ越すのか、さらにもう1年留まるのかを検討することになるでしょう。現在、会社の組織化を進めており、将来的には機能ごとに複数階に分けたり、他のビルで分室にすることも可能になると思います。今の倍のスペースをワンフロアで借りられるビルとなると、都心のオフィスビルしかありません。都心に移るかどうかは、会社の成長に合わせて考えていきたいと思っています。

会社が成熟するに従い、多層階や分室によるオフィス構築でもリスクが減り、選択肢も増えてくるというわけですね。今日はどうもありがとうございました。

 

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上記内容は オフィスジャパン誌 2007年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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