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monoAI technology株式会社 | 成長ベンチャーに訊く

ケーススタディ

2022年4月19日

「人と会えない、集まれない」。そんな社会を背景に2020年リリースされた、バーチャル空間プラットフォーム「XR CLOUD」。どこからでも接続でき、オンラインで会議やイベントが開催できるなど、その可能性に注目が集まっている。開発を手がけたのは、神戸に本社を置くモノアイテクノロジー株式会社。代表取締役社長の本城氏に創業からの変遷や、オフィスのあり方が問われる時代について話を訊いた。
monoAI technology株式会社 代表取締役社長 本城 嘉太郎 氏

離れていても「つながれる」。
進化するバーチャル空間が提示する
オフィス文化の新たなかたち。

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代表取締役社長 本城 嘉太郎
 

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バーチャル空間で ライブや展示会も可能に

モノアイテクノロジーは、大勢の人が同時接続できるバーチャル空間プラットフォーム「XR CLOUD」を提供している会社です。「XR CLOUD」では、最近話題のメタバースのような世界をつくることができ、仮想のオフィスで社員同士が会話をしたり、ライブイベントや展示会を開催して名刺交換もできるなど、コロナ禍で困難となった人が集まるイベントを、バーチャル空間のなかで実現することができます。

このようなプロダクトに興味を持ち、起業するきっかけになったのは、学生時代に体験した世界初のオンラインゲームです。「こんな世界があるんだ!」と感動する一方、普段はアナログな生活を送っていることに驚き、将来は人がオンライン上で暮らしたり、交流したりする世界が来るのだろうなと思いました。私はプログラマーとして企業やフリーランスで経験を積んだ後、ゲーム会社のプログラマーとして働き始めるのですが、当時、国内ではオンラインゲームをつくる文化がありませんでした。それなら自分でつくろうと、会社を立ち上げ、オンラインでコミュニケーションできるツールの開発を始めました。それからは世の中にプロダクトを発表するタイミングを計り、リリースするようになったのが、数年前です。その後、世界は予想もしなかったコロナ禍に入り、多くの人がリモートワークを経験するなど、オンラインツールが当たり前の時代に。そして2020年7月、そんな時代にマッチするかたちでリリースできたのが、大勢の人がバーチャル空間でつながることができる「XR CLOUD」です。

創業地の東京から 地元神戸へ本社を移転

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モノアイテクノロジーの創業は2013年ですが、もとになる会社は2005年に立ち上げました。それまでは出身地の神戸や京都などで働いていましたが、事業を始めるなら大手の本社が多い東京が有利と考え、会社を辞めた翌日に上京。サラリーマンで貯めたお金を元手に、知人に紹介された新宿御苑のマンションでワンルームを借り、スタッフ3名で会社を始めました。とても静かな環境で20階にあり、東京ドームや東京タワーも見えるなど、眺めが素晴らしく、創業資金の3分の1はあっという間に飛んでいきました(笑)。それでも新宿御苑が気に入ったので、会社が成長してスタッフが増えても、同じエリア内で引っ越しを繰り返しました。

ワンルームの次は15坪のオフィスを借り、その次には30坪のビルへ。そして60坪のオフィスのあとは、130坪のオフィスへ。その後も組織の規模に合わせ、同じビル内でフロアの移転を繰り返しました。

創業以来、東京に本社を構えていましたが、2017年に神戸へ移しました。東京には現在、営業拠点として支社を置いています。神戸に本社を移転した1番の理由は、地元に恩返しをしたくなったからです。神戸にはもともと小さな拠点を設けていましたが、そこが手狭になり、広いオフィスへ移転するタイミングでもありました。神戸市さんにもご挨拶に伺ったところ、東京から本社を移転してくれたと歓迎され、さらにはIT企業の場合、助成金も出してくれるという話に。税を納めて恩返しするつもりが、移転早々、援助をいただくかたちになってしまいました。

神戸市はIT企業の応援を続けており、「XR CLOUD」をリリースしたときには、オンラインイベントを開催してくれたり、私たちも地元のイベントに参加させてもらったりと、大変ありがたい関係が続いています。

コロナ禍前から根づいていた 拠点を結んだオンラインワーク

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現在モノアイテクノロジーとしては、神戸本社や東京支社のほか、高知と山口、宮崎・日南にオフィスを開設し、福岡と京都にラボを設けています。東京などで仕事を受注したあとは、各拠点のスタッフたちでチームを組み、作業にあたっています。エリアを限定した仕事の割り振りはなく、たとえば、神戸のスタッフが出社してまわりの仲間に挨拶したあとは、東京や高知のスタッフと仕事をしたり。もともと、リアルに会わなくても仕事ができる組織体制をつくり、コロナ禍前からズームやチャットワーク、スラックといったコミュニケーションツールも活用していました。そのためコロナ禍で在宅勤務になった時も、スタッフ一同すんなりとリモートワークに移行できていましたね。

弊社の場合、パソコンに向かえば仕事ができるので、自宅で朝起きたら髪をセットしなくても仕事ができたり、作業に集中したあとは、そのまま部屋でコテンと寝たり。みんなマイペースで仕事ができていて生産性も上がりました。社会人1年目が突如、リモートワークとなった新卒スタッフについては、少し懸念していましたが、コミュニケーションツールを導入し、いつでもどこでも先輩に相談できる状態をつくっていたので、特に問題はなかったです。彼ら自身も不平不満がないと言ってくれています。弊社は「XR CLOUD」を提供していますし、バーチャルな世界に抵抗感がないスタッフが集まっているというのもありますね。

どうするどうなるオフィス? 企業の文化が問われる時代へ

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コロナ禍に入り、時代が10年ぐらい前倒しになったように感じています。取引先の立場ある方もリモートで打ち合わせをしてくださったり、DXの次はメタバースだと、仮想空間に価値を見出し、アクションを起こす企業も増えています。会社の朝礼や懇親会、ホールで行っていた講演やイベントもオンラインで可能です。こうなると逆に、リアルなオフィスをどうするかが課題になってきます。

弊社も管理部門のわずかな社員が出社するだけで、それ以外は全員リモートです。それでも時々は出社して会いたいという声もありますし、自宅よりオフィスで作業したい人もいます。みんながリアルに会うための場所をどう残していくか。広いオフィスに少人数のスタッフでは無駄も多く、コワーキングプレイスの利用も視野に入れるなど、企業の文化が問われていると思います。

モノアイテクノロジーも、オフィスをどうしていこうか検討中です。現在も各地に拠点があり、新しいエリアにオフィスを構える可能性は低いのですが、もしつくるとなれば札幌と沖縄でしょうか。札幌はクリエイターやプログラマーなど、人材確保の面で、沖縄は仕事と称し、時々足を運びたいからです(笑)。

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上記内容は BZ空間誌 2022年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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