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賃貸オフィス・事務所の記事

株式会社オレンジページ

業務に不可欠なキッチンへのこだわりとアクセス良好な立地への本社移転が、
読者へのブランドイメージ向上をもたらす。

オレンジページオフィス 受付

生活情報誌『オレンジページ』や料理レシピ本を多数出版する㈱オレンジページは、今年2月、業務に不可欠ないくつものガスキッチンをしつらえたオフィスに本社を移転させた。アクセスの優れた新橋に本社を構えることで、読者との距離を縮め、ブランドメッセージを伝える拠点としての役割も担う。これまでの課題を解決し、さらに付加価値を高めるためのオフィスをどのようにつくっていったのか。

料理の試作・試食のため オフィス内のキッチンは必須

オレンジページ ロゴ

オレンジページは、『オレンジページ』をはじめ主に料理に関する雑誌や単行本、そして情報サービスを提供する出版社。スタッフは社員とアルバイトを含め約160人で、そのうちの約3分の1を編集部員が占め、他に営業、通販、ウェブサイト、広告、総務人事などで構成されている。編集業務を外部に委託する出版社も多いなか、オレンジページでは“丁寧”と“手づくり”をモットーに、自社編集を中心に自分たちの手で制作することを基本方針としている。それは、雑誌や単行本、ウェブサイトで紹介する料理は、すべて自分たちで試作・試食し、「レシピどおりに作ることができるのか」や「美味しさはどうか」などを確認したうえで掲載する、という徹底ぶりである。

料理を試作し、試食する必要性から、キッチン設備が整っていることが同社オフィスの条件となる。キッチンを利用するのは、編集者、ウェブサイトの担当者などを合わせると社員の約半数に上る。これが他の出版社との大きな違いである。同社は過去に2度、本社を移転してきたが、キッチンの設置が必須条件となるため、物件探しが難航することもあった。通常、既存ビルでキッチンを設置することは法規や設備の制限により容易ではなく、料理レシピ本を多く発行する出版社ならではの苦労がある。

オレンジページオフィス 受付

同社は今年2月、江戸川橋から新橋へと本社を移転したが、これは元々、キッチン設置が可能なオフィスビルの物件を紹介されたことがきっかけだった。移転に傾いたのは、キッチンの不足が切実な問題になっていたことが背景にある。月刊の料理雑誌『食べようび』やウェブサイト『オレンジページnet』など料理を扱うメディアが増え、紹介する料理レシピの数も急増していた。「キッチン使用のための順番待ちが深夜に及ぶこともあり、外部のキッチンを借りることも検討しなくてはならないほどの状態でした」と、移転プロジェクトを主導した同社取締役の菅野由美子氏は当時を振り返る。

移転決定から引っ越しまで 実質4ヶ月のスピード移転

キッチン

移転を決意する決め手となったのは、オフィス内にキッチンを設置できることに加え、ガスが使えることだった。江戸川橋のオフィスでは、ガスの使用は不可能だったが、「ガスキッチンは絶対に欲しい設備だった」(菅野氏)という。「IHは一般家庭にはまだそれほど普及していません。家庭のキッチンと同じ条件で料理を試作するには、ガスの必要がありました」。移転先のビルは元々飲食・店舗ビルであり、それをオーナーチェンジを機にオフィスビルとしてリニューアルして貸し出すことになったもの。キッチン設置に必要なガスや排気・給排水設備などを使うことができたのにはそのような理由があった。

もう一つ、新橋という立地も移転を後押しした。旧本社ビルの最寄り駅である江戸川橋駅では、利用できる路線は東京メトロ有楽町線に限られていた。雑誌の企画のために読者を招いたり、広告会社などの取引先が来社する際に、アクセスが不便で場所がわかりにくいという難点があった。その点、新橋はアクセスが優れているうえに、オフィスビルは駅の近くに立地し、誰にもわかりやすいのが魅力だった。

この物件を紹介された昨年の8月末、すぐに役員を現地へ案内した。翌9月中旬には移転を決定、同社の決算月である翌年2月の引っ越しに向けて動き出すことになった。

引っ越しまで実質4ヶ月という短期での本社移転であることから、物件選定に続いてCBREが移転プロジェクトそのものもサポート。前回の本社移転では、社内でプロジェクトを立ち上げ、社員の意見を集約しながら進めていったが、今回は短期間での移転のため、日常のオフィスサービス業務を通じて社員の要望を把ウン方式が採用された。菅野氏自らが陣頭指揮を執り、親会社への説明、役員会での意見の取りまとめを行い、スピーディにプロジェクトが遂行された。

キッチン

また、限られた予算のなかで理想のオフィスを実現するため、今回の移転ではキッチン設備の充実を重点に置き、一方の執務スペースには極力コストをかけない方針とした。そのため、デスクや椅子、キャビネットなどは従来のものを流用。これについては、キッチンを重視する方針であることを社員に明確に伝えることで、理解を得ていったという。

ブランドイメージを エントランスの一歩目で表現

オレンジページサロン

キッチン設備の不足を解消するため、移転先のオフィスではキッチンを各フロアに設置し、面積も大幅に増やした。フロア面積自体はさほど変わっていないが、それまで約500坪の使用面積のうち1割未満だったキッチンを、新オフィスでは倍の面積が確保された。家庭で作る料理を再現するため、これまで同様、一般の家庭用キッチン設備を導入。キッチンで作った料理を撮影する際に、家庭らしい雰囲気が出るよう、写真に写り込む範囲の床にはフローリングが導入された。

新橋という立地の良さを生かし、多くの読者に本社を訪れてもらえるようアイランドキッチン付きの多目的スペースを設置し“オレンジページサロン”と名付けた。オレンジページでは、読者を招待して雑誌の誌面について意見を聞いたり、料理教室やセミナーなどを定期的に開催している。これまでは外部に場所を借りて行っていたが、それまで利用していたイベントスペースが閉鎖したこともあり、代わりの場所が必要だったという事情もある。「読者の方に意見を聞ける場所が社内にあると便利ですし、読者の方にとっても、編集部のある本社に直接来ていただくほうが親近感を感じていただけると思います」と菅野氏。料理教室で講師の手元を大型モニターに映し出せるようにしたり、広い会場でも後ろまで声が届くようにマイクやスピーカーを設置するなど、あらゆるイベントに対応できるAV設備を整えた。

読者をはじめ来訪者を迎えるにあたり、特に5階の受付フロアでは、オレンジページらしさを感じさせる内装を意識した。雑誌や単行本で紹介する料理が家庭料理であることから、家庭的な親しみやすさを表現するため、木目調で統一している。エントランスを入るとすぐ、ガラス張りの“オレンジページサロン”が見える。オフィスビルには珍しい作りが来訪者の目を引く。「エントランスに一歩入った瞬間、別世界に足を踏み入れたような感覚を味わっていただけているのではないかと思います。そういう意味でも、オレンジページのブランドをインパクトを持って伝えることができていると感じます」(菅野氏)

オレンジページサロン

エントランスエリアを来訪者に開放する代わりに、執務エリアへのアクセスには制限をかけ、セキュリティを確保している。執務エリアのデスクや椅子、什器などは前のオフィスからの流用であることはすでに述べたとおりだが、ローキャビネットの天板を木目調に変えることで、エントランスやサロンとの統一感を演出している。「既存のキャビネットの天板を変えるだけで印象が変わります。執務スペースにはコストをかけていませんが、こうした気遣いをすることで、社員のモチベーションアップにつながればと考えました」と菅野氏は話す。

新橋という立地の効果で 残業が減少

オレンジページサロン

引っ越し作業は、今年2月の最終週の木曜夕方から日曜に実施。移転元の江戸川橋エリアは近隣に住宅も多く、夜間の引っ越し作業は迷惑になることも考えられたため、事前にビルの管理会社に確認し、実施プランを練ったうえで実行した。また、移転先のオフィスは、執務スペースを確保する一方で倉庫スペースを縮小したため、不要な書類や本類は事前に処分するよう社員に協力を求めた。

新しいオフィスは社員に好評のようだ。特にサロンの利用率が高いという。イベント会場としての利用だけでなく、料理の撮影スタジオとして活用したり、お昼には社員がお弁当を広げるダイニングになるなど、多目的に使われている。また、サロンを訪れる人からも「オレンジページらしいですね」という声が聞かれるという。

新橋という立地の効果なのか、以前に比べて社員の残業が減ったというのも興味深い変化である。「前のオフィスでは、周りが住宅街だったこともあり、ランチタイムにもあまり出歩かず社内にこもって仕事がずっと続くという印象がありました。しかし、新橋では昼もアフター5も楽しめるため、外に出る社員が増えました。メディアに携わる人間として、街に出て常日頃から流行やトレンドに触れることは重要なこと。これは思ってもいなかった移転メリットです」(菅野氏)。

執務スペース

料理を試作するためのキッチン設備にはじまり、読者と触れあえる場としてのサロンなど、これまでの課題を解決し要望を叶える形で実現した今回の本社移転。理想のオフィスを得て、今後の出版活動にどう生かしていくのか期待される。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2013年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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