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ネットワンシステムズ株式会社

ケーススタディ

2013年10月2日

東京駅駅前の最高立地と最先端ICT活用で、
新しいワークスタイルを魅せる「Innovative Office」を構築。
“生産性向上”を“お客様満足度向上”につなげ、ワークスタイルの変革に挑む。

受付

ネットワンシステムズ株式会社は、国内大手インテグレーターとして、顧客に対して「最適なICT環境」の提案を行っている。そんな同社は、自分たちの本社ビルの移転に当たっても、「最適なICT環境」を新オフィスの中に実現することにより社員のワークスタイルの変革を促進させ、さらに、それをお客様に実際に見てもらう「Innovative Office 見学エリア」を構築した。この春に誕生した同社の新本社。その移転に至る背景と経緯、オフィス構築までのプロセスを取材した。

社員のコミュニケーションを 促進するオフィスを実現したい

ロゴ

ネットワンシステムズは、情報インフ ラの設計・構築・運用等の事業を展開す る国内大手のインテグレーターである。 設立は、ネットワーク業界黎明期の 1988年。当初は企業内ネットワークの 構築を中心に手がけ、やがてインターネ ット時代が到来すると、多くの大手企業 からインターネットを活用したネットワ ークシステム構築の依頼を請け負い、大きく成長を遂げてきた。

そして現在、クラウド・コンピューティングが浸透し、スマートフォンやタブレット型コンピュータがビジネスの日常場面 で使われる時代になる中で、同社は「ビ ジネスの目的に合わせて、モノと情報を 有効に活用するための最適なICT環境」を提案・実現する事業に力を注いでいる。いわば時代とともに進展するICT技 術に合わせて、その役割を常に進化させてきた企業であると言えるだろう。

企業がICTを活用することのメリットとして、そこで働く人たちのコミュニケーションやコラボレーションを促進することが挙げられる。ただし、どれほどICTを取り入れたとしても、社内の設備やオフィス空間、社員のワークスタイルが旧態依然としたものであったなら、その効果は限定的なものとなってしまう。

「実は、当社自身も、社内のワークスペ ースやワークスタイルが、今の時代に対応したものになっていないという課題を抱えていました」と語るのは、同社システム企画グループプラットフォーム部ワークサポートチームのリーダー、内田雅裕氏だ。

内田氏によれば、かつての同社の社 員の働き方は、「一人ひとりの社員が、 自分の仕事を自分で抱え込むような独立完結型のワークスタイルがほとんどであった」という。社内は座席ごとにブ ースで仕切られ、営業もSEも管理部門も、それぞれ自席に座って仕事をしていた。そのため、部署を超えた横断的な交流は、なかなか行われなかった。新しい発想やアイデアは、異なる知識や視点を持つ異分野の人間が集まり、お互いに刺激を受け合う中から生み出されることが多いもの。しかし、そうした機会が起きにくい環境になっていたわけだ。

また、当時同社が抱えていた課題として、組織の拡大によって本社に収まりきらない部署が出てきたということもあっ た。そのため一時期は近隣とはいえ本 社オフィスが3ヶ所に分散してしまい、これも社員同士のコミュニケーションを妨げる大きな要因になっていた。このような中、固定席ブースを取り払うことで部 署の壁を超えたコミュニケーションの促進を図るなど、その時点でできる限りの対策は取られてきた。そしてさらなるワ ークスタイルやファシリティの変更を検討したときに、浮かびあがってきたのが 本社移転だったのである。

「旧本社があったのは、東京モノレール沿線の天王洲。同エリアは、特に営業マンが都心に営業活動に行くときのアクセスが不便であるという問題もありました。これも移転を検討することになった 理由の一つですね」と内田氏は語る。

同社で最初に移転計画が持ち上がっ たのは2006年のこと。だが、このときは結局、移転は延期となった。移転後の本社をどのようなものにするのが望ましいか、あるべき姿を十分に描ききれなかったのがその理由だという。

5-Style Office

しかしその後も、フリーアドレスの部分導入や多人数用のグループデスクを設置するなど、旧本社の中でもワークスペース、ワークスタイルの変革を続けていった。その一方で、本社移転に向けての準備も進められていく。 「2010年6月にワークスタイル変革に 関するプロジェクトを設立し、オフィスや 会議室の利用状況等の調査を実施する ことで、社員がどんな働き方をしている かを把握していきました。また、各部門 から有志を募り、数度にわたり自分たちのあるべきワークスタイルをテーマにブレインストーミングを行い、実に300以上もの提案を行ってきました。こうした取り組みをもとに、あるべき姿としてのワークスタイル構想を練っていったのです。移転が決まってから『さあどうしようか』と考えるのではなく、常日頃からワークスタイルのあり方を試し続けられたからこそ、その後の本社移転計画を短い期間で対応していけたのです」(内田氏)

社員が働いている様子を 来客者が見学できる仕組み

イノベイティブオフィス

同社が移転物件に関する打診をCBREに対して行ったのは、2012年度初頭のことである。新本社では、社員がICTを利活用しながら、コミュニケーションやコラボレーションを重視したワークスタイルのもとで、新たな価値を創造していけるワークスペースの実現を目指すことになった。だが、その後になって、新本社のコンセプトに新たなプランがつけ加えられる。「Innovative Office 見学エリア」、これはICTを実際に活用している状況を、来客者が見学できるエリアである。

 前述したように同社では、「目的に合わせた最適なICT環境を顧客に提案する」というビジネスに力を注いでいる。そこで社内に来客者用の見学エリアを設け、ICTを利活用して働いている同社社員の様子を顧客に見てもらうことで、ICTの具体的な活用方法や効果を実感してもらおうというわけだ。

この新コンセプトのもと、CBREでは移転物件探しを開始。そして2012年10月に移転先が決定し、翌年5月上旬より新本社での業務が開始された。場所は東京・丸の内のJPタワーの24階と25階、そして26階半分の2.5フロア。 同ビルを選んだのは、東京駅前というバリューはもちろん、顧客に来社してもらうときの利便性も考えてのものだった。

2.5フロアのうち24階に、新本社最大のポイント「Innovative Office 見学エリア」を設置。来客者は、社員がウェブ 会議やビデオ対話、メール、チャット等を 活用しながら、業務に携わっている様子を見学することができる。一方25階の執務フロアは「5-Style Office」というコンセプトのもと、5つのワークシーンに分けてデザインされている。24階は販売促進、25階は営業というように部署による執務スペースの区分けがなされてはいるが、打ち合わせや情報共有のために、お互いに活発にスペースを行き来することが普段からおこなわれているという。

イノベイティブオフィス

「今回の移転については、移転先決定から実際に移転するまでの期間が短かったのですが、比較的スムーズにプロジェ クトが進められたと思います。普段からオフィススペースやワークスタイルの変革に取り組み、ファシリティ・マネジメントのPDCAサイクルを回していたことが、計画どおり移転することができた一番の理由ですね。また、当社はこれまでも1年に1回は社内のレイアウト変更をしていましたので、会社も社員もある意味引っ越しは慣れていました。同じビルの違うフロアに引っ越すか、まるごと違うビルに引っ越すかの違いだけですから。移転を前にして書類削減や荷物 削減にも取り組みましたが、普段からレイアウト変更のたびに削減しています から、今回もさほど減らす必要がありませんでした」(内田氏)

1拠点への統合は理想的だが あえて本社機能を分散させる

TV会議

こうして同社は新本社への移転を果 たしたわけだが、実は全面移転ではなく、天王洲地区についてもオフィスを残 す形となった。現在、天王洲地区のオフィスには、サービス部門、技術部門、人 事部門等のバックエンド機能部門が入居している。内田氏によると「当初は部 門間を超えたコミュニケーションの促 進を図るために、本社機能を一つにまと めたいと考えていたが、いくつかの理由 で分散した方が合理的であると判断した」という。

まず一つ目の理由は、BCP的な観点によるもので、2011年3月の東日本大震災で経験した本社機能一極集中のリスク。本社機能を1ヶ所に集中させると、災害や事故が発生したときに非常に大きなダメージを受けることになる。そこでオフィスを二つに分けることで、リスクの分散を図ることにしたのである。 また、丸の内の新本社オフィスに本社機能のすべてを統合すると、コスト面での負担も大きくなる。加えて、同社は天王洲と同じ東京モノレール沿線に、技術検証施設や品質管理と物流を担う施設を設置しており、そうした施設に行き来する機会が多い社員にとっては、むしろ天王洲地区のオフィスの方が利便性が高いという理由もあった。そしてもう一つの理由は、同社が構築したICT環境を活用すれば、離れた場所にいる社員同士でも、TV会議等を通じてストレスを感じることなくコミュニケーションをとれるようになることが挙げられる。

「現在では、新本社オフィスにいる社員と天王洲地区のオフィスにいる社員が、データセンターから送られてくる情報を お互いの端末で共有しながら、打ち合わせをするといったことが可能になっています。ICT環境の整ったオフィスを実現したことによって、距離があることがハンディではなくなりました」(内田氏)

ちなみに新本社オフィスと天王洲地区のオフィスを合わせた総面積は約3,960坪。移転前の総面積約4,300坪から、移転により1割に当たる400坪の面積削減を実現した。実際には新本社の中にカフェテリアを設けるなどしているので、執務スペースだけを見れば 約2割の大幅削減となっている。この削減はグループアドレス導入とICTの活用により可能になったものである。

カフェテリア

内田氏は、「新本社への移転によって、ファシリティ面については、これまで取り組んできたことの集大成として一 つの区切りとなった」と語る。

「ただし、社員のワークスタイルについては、まだまだ変革の余地があると考えています。劇的に変わったオフィス空間の中で、社員一人ひとりの働き方を今後さらにどのように変えていくか。そこはこれから時間をかけて取り組んでいかなくてはならないと思っています」。

内田氏は最後に、今後の抱負をそう語 ってくれた。

上記の記事の内容は オフィスジャパン誌 2013年秋季号 掲載記事 掲載当時のものです。

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