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賃貸オフィス・事務所の記事

株式会社ひろぎんホールディングス | プロジェクトケーススタディ

旧態依然の働き方からの脱却と、
「地域総合サービスグループ」への さらなる進化をめざし、
グループシナジーを発揮する新本社ビルを構築

広島銀行他関連12社入居の本社ビル・本社オフィス
株式会社ひろぎんホールディングス

株式会社CIJ 本社オフィス

広島県を中心に金融・非金融分野で幅広いサービスを提供する株式会社ひろぎんホールディングス。同社は2021年5月、広島銀行の旧本店ビルを建て替えた新本社ビルをグランドオープンした。ここにグループ12社を集約してグループ間の連携強化を図るとともに、昔ながらの非効率な働き方から脱却して生産性や働きがいを高める狙いもあった。3年に及ぶ本社建て替えプロジェクトの裏側を取材した。

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持株会社制への移行後、新本社ビルにグループ各社を集約

株式会社CIJ 本社オフィス

広島銀行を筆頭にグループ会社12社を傘下に持つひろぎんホールディングスは、2021年5月、3年に及ぶ広島銀行旧本店ビルの建て替え工事を終え、新本社ビルとしてグランドオープンした。地上19階、地下1階建の新本社ビルには、1階に地域の誰もが利用できるカフェやイベントスタジオが設けられ、2階に広島銀行とひろぎん証券の本店営業部が入るほか、7階から18階にホールディングスとグループ各社の本社・本部機能が集結している。新本社プロジェクトを担当した同社経営企画部経営企画グループ兼広島銀行総合企画部企画室の重松秀明氏は、「グループ各社を物理的に同じ場所に集約することで、これまで以上にグループシナジーを発揮していくための環境を整えることが、本社ビル建て替えの狙いの一つ」と話す。

広島銀行は2020年10月、持株会社制に移行した。その背景には、人口減少や異業種からの参入、急速なDXの進展など、経済・社会情勢の変化やお客さまのライフスタイル・価値観の変化等により、お客さまのニーズはますます、多様化・複雑化・高度化しており、従来の銀行を中心とした体制では、こういった情勢変化や規制緩和に柔軟に対応することが難しくなっていくと考え、持株会社体制という新たなグループ経営形態へと移行した。

また金融業界では、合併時にホールディングス化するケースをよく目にするが、広島銀行の場合は自社グループ単独で持株会社制を敷き、傘下に広島銀行とグループ各社を配置する形にした。「単独での持株会社制は、当時地銀としては稀なケースです。他地域の銀行と合併して規模を拡大する道もありますが、私たちはそれよりも、地元4県(広島、山口、岡山、愛媛)には十分なポテンシャルがあると認識しており、地域社会の発展に尽力し、“この地域になくてはならないグループになりたい”と考えています」と重松氏は話す。今回建て替えられた新本社ビルは、同社が地域総合サービスグループへと進化を遂げるための拠点として重要な役割を担っているのである。

働きがいのある職場環境をめざし“原点の地”で本社建て替えを決断

株式会社CIJ 本社オフィス

広島銀行旧本店ビルの建て替えが検討され始めたのは、2015年のこと。築50年を経て老朽化が進んだことが検討初期の理由だった。当時は持株会社体制に移る前だったが、広島銀行のグループ会社を一拠点に集約してシナジー効果を高めたいという狙いもあった。そしてもう一つ、建て替えに大きく舵を切るきっかけとなったのが、当時注目され始めた働き方改革だったという。「行内では昔ながらの紙文化による働き方や、各部署最適が優先されていた。生産性を高めかつ多様な働き方を受け入れる、働きがいのあるオフィスづくりが急務だった」と重松氏は話す。

では、当時のオフィスはどのような状態だったのだろうか。「まず、席はひな壇で固定されていました。使っていたのはノートパソコンですが、セキュリティ上、指定された場所から動かせないようワイヤーで固定されていて、実態はデスクトップと同じ。また、社内ネットワークに入るにも専用ケーブルが必要で、二重の意味でパソコンを動かせませんでした。会議やお客さまとの打ち合わせには紙の資料が必要で、何があっても大丈夫なように余計な資料まで印刷して、手元に準備していました」と、当時を振り返るのは、今回のプロジェクトを統括した広島銀行人事総務部担当部長の原比左史氏である。また、役職によって使う机や椅子のランクが決まっていて「役職が上がるにつれ机が大きくなり、背もたれやひじ掛けのついた座り心地のよい椅子を使うことができました」。キャビネットも部門ごとに割り当てられ、部門を超えた情報共有や連携はほとんど見られなかったという。

当初は、本社ビル建て替えよりも効率的との理由で、別の場所に移転する案も俎上に載っていた。建て替えの場合、建物の建設中はオフィスを一旦別の場所に移し、完成後に再び戻す必要があるため、コストも手間もかかる。にもかかわらず、現地での建て替えを選んだのは、「当行DNAの原点の地」だからだ。「紙屋町は、戦時下原爆が落ちた時にも本店を構えていた場所です。広島は、原爆による被災を乗り越えて今があることをとても大事にする土地柄であり、『我々もこの場所で末永く地域経済の発展に貢献していきたい』というトップの強い想いがありました」と原氏は話す。

加えて、グループ全体で入居可能な物件探しが難航したことも、移転への逆風となった。「広島市は人口の割に平らな土地が少なく、適切な候補地が見つかりませんでした。一方、紙屋町の旧本店跡地なら、広島市の中心で交通の便もいい。十分な大きさの建物も建てられる。これらの理由から紙屋町にとどまることを決めました」(原氏)。

建て替え期間中の一時移転先(仮本店)に選んだのは、元々大型家電量販店が入っていた複合ビル(広島市南区西蟹屋)で、同行が2017年にこれを買い取った。「実は仮本店の物件探しも簡単ではありませんでした。適当なテナントビルは見つからず、たまたま売却予定の建物があったので、スピードを重視して買い取りを決めました。仮移転先が決まったところで、ようやくプロジェクト全体のスケジュールを立てることができました」(原氏)。

仮移転先で、新しい働き方を試験的に開始

株式会社CIJ 本社オフィス

2018年2月、旧本店から約800名が仮本店へ移った。それに先立ち、約200名から成る事務センターを本店機能から切り離し、旧本店からすぐ近くの中区大手町に移転。また、旧本店から最も近い八丁堀支店を、本店建て替え期間中の代替店舗と位置づけ、貸金庫や窓口相談など本店営業部の機能の一部を移動させた。「八丁堀支店も建物老朽化を理由に建て替え工事が行われており、2017年12月がオープンでした。旧本店の仮移転スケジュールがギリギリのタイミングで、とても大変だったのを覚えています」(原氏)。

仮移転先のオフィスは、スピードと低コストを最優先に考え、「仮のスペースと割り切って贅沢にしない」という方針を最初から打ち出した。「お客さまがいらっしゃるスペースはしっかり作りますが、自分たちが執務する裏方は、配線が剥きだしの、ベニヤ板の壁でもいいだろうと考えました」(原氏)。

仮移転先は最低限のコストとグレードで構築されたが、ただし、移転を機に新本社で予定している新しい働き方が試験的に開始された。まず、重松氏が所属する総合企画部のメンバーから成る働き方改革推進本部が設置され、移転のタイミングで文書量や文書の管理方法を見直し、紙を70%削減。また、基本的に仮本店では旧本店の家具を流用したが、営業部門やIT部門などの部門に限り、元家電量販店だった広々としたフロアを生かして一部フリーアドレスを導入した。さらに、それらの部門には、新本社で導入予定のABW(仕事内容に合わせて働く場所を選べる働き方)用の家具も試験的に取り入れた。

こうした新しい働き方を積極的に取り入れた部門があった一方で、消極的な部門もあったという。「旧本店時代と同じようなひな壇や、役職によってランクが異なる机や椅子をそのまま残していた部門もありました。元々個室だった人事部門は、仮本店では個室を継続しましたが、新本社では、これは却下して、オープンスペースにしました」(重松氏)。

オープンスペースの新オフィスにはグループアドレスを導入

株式会社CIJ 本社オフィス

2019年1月からは、新本社のワークプレイス基本設計の策定がスタートした。これらのハード面を担当したのは、原氏を含めた人事総務部のメンバーで構成された建設プロジェクトチームだ。重松氏を含めたソフト面を担当する働き方改革推進本部と連携しながら、新本社プロジェクトが推進されていく。

オフィスの設計に先立ち、CBREをはじめ全国各地のオフィスをメンバーが手分けして見学したことが非常に参考になったと原氏は明かす。「私はある地銀のオフィスを見学しました。『本当はフリーアドレスを導入したかったが、できなかった。その代わり、エリアを決めてその中をフリーアドレスにするグループアドレスを実施している』といった話は、自分たちのオフィスづくりのヒントになりました」。

基本路線はコアメンバーで決めながら、行内からも広く意見を集めて計画に反映させようと、全部署から20代から50代までの代表者30人を集めたワークショップを3回行った。フリーアドレス導入に関する意見もそこで出されたという。「我々の仕事のやり方は、個人事業主型ではなく、同じ部署や他部署の上司、部下、同僚など何人かの単位で動きます。完全にフリーアドレスにするとお互いの居場所が分からなくなるので、一定のエリア内で自由にコミュニケーションが取れるようにグループアドレスにしたい。そのような意見が出たので、それを採用しました」(重松氏)。

様々な検討やすり合わせを経て構築された新たなワークプレイスは、自由なコミュニケーションを生み出すための、柱や壁のないオープンスペースが特徴である。階を行き来しやすいように、7フロアをつなぐ内階段を設置。内階段周辺や窓側には、会議室や打ち合わせスペースをふんだんに設けて自由な意見交換を促すほか、目的に合わせて選べる様々な空間を用意し、柔軟な働き方ができるようになっている。

グループ各社の垣根が低くなり、人的交流や協働が生まれている

株式会社CIJ 本社オフィス

新本社のグランドオープンは2021年5月。その前年には持株会社として新たなスタートを切った。一方、同時期にはコロナウイルス感染症の拡大もあり、「オープンに向けたスケジューリングにかなり苦労しました」と原氏は振り返る。「コロナ禍で製品が途中で入ってこなくなり、工事がギリギリになって竣工を1ヶ月遅らせました。かといってオープン日は変わらないし、4月には新本社で入社式を行うことも決まっている。それに向けた準備や引っ越しも含めて綱渡りの状態でした」。

移転から1年余りが経過した今、オフィス内に散りばめられた打ち合わせスペースを活用する社員も多く、「旧本店時代に比べて部署やグループ各社の垣根が低くなった印象です」と重松氏。実際、グループ各社で共通したり重複したりする業務の集約をめざすプロジェクトが発足するなど、人的交流や連携施策が増えているという。グループの連携を象徴する新本社ビルの完成を経て、地域総合サービスグループとしてどのように地域社会に貢献していくのか、今後の進化が期待される。

プロジェクト概要

企業名 株式会社ひろぎんホールディングス
施設 広島銀行他関連12社入居の 本社ビル・本社オフィス
所在地 広島県広島市中区紙屋町1-3-8  ひろぎんホールディングス本社ビル
稼働開始日 2021年5月
規模 地上19階、地下1階、塔屋1階建、延床面積約43,900㎡(本社)
CBRE業務 ひろぎんホールディングス本社ビル建て替えにおけるワークプレイスコンサルティング(ABW導入に向けた調査分析・チェンジマネジメント)及びプロジェクトマネジメント

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上記内容は BZ空間誌 2022年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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