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シスコシステムズ合同会社

ボーダレスなワークスタイルでグローバルプロジェクトを短期間に完遂

オフィス移転プロジェクト事例 / シスコシステム合同会社 / エントランス

ネットワークのリーディングカンパニーである米シスコシステムズの日本法人、シスコシステムズ合同会社は、2012年6月、東京都内の2ヵ所で運営していたコラボレーションショーケースを1ヵ所に統合した。働く場所や国境を越えたコラボレーションが日常化したシスコならではのワークスタイルを体験できる施設を開設。今後の日本企業にも求められる、グローバルメンバーとのシームレスなコミュニケーションの見本となるショーケース統合プロジェクトと、そのワークスタイルを取材した。

イノベーションを具現化した「新しいワークスペース(New Workspace)」を構築

オフィス移転プロジェクト事例 / シスコシステム合同会社 / ロゴ

シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は、距離や国境を越えて人と人とを自由につなぐコラボレーションツールやネットワーク機器を開発販売する米シスコシステムズの日本法人である。コラボレーションツールとは、ビデオ会議やウェブ会議、ユニファイドコラボレーションやモバイルなどのこと。これらのツールを活用することで、時間や場所に縛られない働き方を可能にし、ひいては顧客サービスの向上や業務効率化、コスト削減などを実現するというものだ。

今年6月、シスコは東京都内の2ヵ所で運営していたショーケースを統合した。従来は赤坂の東京本社(東京ミッドタウン・タワー)と神谷町オフィスとに分かれていたが、それらを東京本社に統合することにしたのである。

発端は2年前の2010年。この年、米シスコはビデオ会議製品で相互運用を実現していた旧タンバーグを買収。旧タンバーグの国内拠点だったのが、神谷町オフィスである。本プロジェクトのメイン担当の今野徹氏は次のように話す。

「我々が提供するコラボレーションツールは、お客様に製品だけ見せても理解されにくいため、実際にショーケースで体感してもらうことが不可欠です。製品のフルラインアップを見てもらうには、2つのショーケースを見学していただく必要があったのですが、両方に足を運んでくださるお客様は少数でした」。

買収から1年以上を経て、両社の製品を融合したソリューション提案が可能になったことから、ショーケースも統合し、ユーザーがコラボレーションを体験できる環境を構築したのである。

社員の約8割が固定席を持たないフリーアドレス制

オフィス移転プロジェクト事例 / シスコシステム合同会社 / 新ショーケースの中心には旧タンバーグのショーケースを展開

移転統合を検討し始めたのは、11年秋。神谷町オフィスのオフィス機能を東京本社に統合するのに併せ、ショーケースも移転することになった。外部パートナーとして、グローバルでも実績のあるシービーアールイー(CBRE)が担当した。

新ショーケースの基本的な考え方としては、顧客に利用シーンをイメージしてもらいやすいように、7つの新しい「ワーク スペース(部屋)」を設け、そこでコラボレーションツールを体感できる空間を目指した。こうしたコンセプトや設計に関しては、世界各地の拠点でも統合が進められていたことから、グローバルスタンダードを手本とした。

東京本社が入居する赤坂の東京ミッドタウン・タワーの27階には、同社のショーケースである「カスタマーブリーフィングセンター」があった。ここは、顧客をもてなし最新のワークスタイルを提示するショーケースというだけでなく、シスコの持つすべての最新ポートフォリオをプレゼンテーションするための「シスコの最高峰の場所」(今野氏)であり、重厚感あふれるデザインになっている。ショーケースを統合するにあたっては、既存エリアの外側に円形状に拡張する形で、旧タンバーグのショーケースを展開することにした。

今回、新しいショーケースは、元は社員の執務スペースだった場所。通常であれば、社員の移動先を新たに確保する必要があるが、シスコの場合は違った。ワークプレースリソースマネージャー五味英人氏はこう話す。「当社では社員の約8割が固定席を持たないフリーアドレス制なので、オフィス自体のフレキシビリティは非常に高いものとなっています。執務スペースが多少減ったとしても、十分に吸収できる。部署間の煩わしい調整も、新たにスペースを借りることも、今プロジェクトには必要ありませんでした」。

オフィス移転プロジェクト事例 / シスコシステム合同会社 / 円形状に拡張されたショーケーススペース

こうした組織変更にオフィスが柔軟に対応できるのは、シスコが提供するコラボレーションツールを、自社内でも活用しているからだという。シスコのツールを使えば、いつでもどこでもコミュニケーションが取れるため、オフィス以外の場所で仕事をする社員も多い。シスコが提唱する「時間と場所に縛られない働き方」を、社員自身が実践しているのだ。そうしたことから、同社では、社員が実際にコラボレーションツールを使って働く様子を顧客に見てもらう「オフィスツアー」も実施しているという。

自社ツールを駆使し約半年のスピード移転

時間と場所に縛られない働き方は、今回のプロジェクトをスムーズに進めるうえでも大いにプラスに働いた。「ショーケースは大事なセールスツールでもあるため、ダウンタイム(稼働停止時間)を限りなく短縮しなくてはなりませんでした」(今野氏)ということから、神谷町オフィスのショーケースを稼働したまま移転統合を進めていくことになった。旧タンバーグのショーケースを担当していた今野氏は神谷町オフィスに残りながら、東京本社に在籍する五味氏と連携していくことが求められた。

そこで活躍したのが、シスコのテレプレゼンスである。会議は、メンバーがどこからでも参加できるようにビデオ会議の形式で実施。「一堂に会する会議を開くには、移動も含めて時間が拘束されます。かといってメンバー間での情報共有は不可欠。その点、ビデオ会議なら、それぞれの仕事場から会議に参加できるため、生産性を高めることができました」と今野氏は話す。また、設計会社などの外部協力会社にもウェブ会議用のソフトウェアを提供することで、「打ち合わせのための移動時間を抑え、設計に集中し、結果的にクオリティの高い仕事をしてもらうことができました」(今野氏)。

アメリカ、シンガポールの担当者との交渉や調整も、いつもの働き方で、シームレスに対応ができた。特に、デザインや素材についてグローバルスタンダードとの整合性を確認する際には、単に話すよりも、ビジュアルで見せたほうが理解を得やすい。問題が発生するとすぐに、各自の所在地は確認せずに自宅やオフィスから会議を開き、国境を越えた迅速でスムーズな意思疎通を図ることで、問題を解決していったという。

その結果、2011年12月に予算承認を得たのち、翌2012年2月下旬から東京本社での移転工事を開始し、6月には新ショーケースが完成。移転先の物件探しが不要だったとはいえ、プロジェクトの本格始動からわずか半年で、グローバルメンバーとディスカッションを重ねスピード移転を成し遂げたのである。スピードだけではない。国内での打ち合わせのための移動コスト、米本社やシンガポールへの出張コストが不要だったことを考えると、コスト削減効果は計り知れない。「何をやったからコストが下がるというわけではありませんが、コラボレーションツールなどを活用しながら、小さな削減を積み重ねていくことが大切なのだと思います」と五味氏は話す。

シーンごとのバーチャル空間で製品利用を体感できる

7月中旬、東京本社の新コラボレーションショーケースがオープン。神谷町オフィスの旧ショーケースは、その直前の6月下旬まで稼働し、閉鎖された。

新ショーケースは、ビジネスディスカッションができるオープニングステージのほか、会議室、執務室、ソーホー、カフェやラウンジなどシーンに応じた製品活用を体験できるバーチャル空間が設けられている。もちろんすべてのスペースから、実際に簡単に世界とつながることができる。オープンにあたり今野氏は「当社が実践しているような統合的なコラボレーションツールの活用ができている日本企業は、まだ多くはありません。このショーケースでシスコの実践している働き方の効果を体感し、ビジネス変革に役立てていただきたいと考えています」と話す。

シスコの強みは、「自分たちが売っているものを、自分たちで実践していること」だと五味氏は言う。世界各国の社員と国や場所にとらわれないコラボレーションを実践できているからこそ、迅速でムダの少ないプロジェクトを実現することができた。これは、先進ネットワーク企業の事例ではあるが、グローバル化が急激に進む中、いずれ遠からず日本企業もこのような働き方を行い、グローバルな競争力を強めなければならないであろう。

シーン別にコラボレーションツールを体験できる

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上記内容は オフィスジャパン誌 2012年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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