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賃貸オフィス・事務所の記事

株式会社TBWA╲HAKUHODO

伝説の巨大ディスコの跡地に新たにオフィスを拡張
世界に向けたクリエイティブの発信拠点に

株式会社TBWA╲HAKUHODO エントランス

外資系広告会社であるTBWA╲HAKUHODOは、今年3月、90年代に巨大ディスコ「ジュリアナ東京」であった物流施設の大空間に新たにオフィスを拡 張した。かつて3,000人以上を収容した巨大空間を、セキュリティ環境の整ったクリエイティブな執務空間にどのようにコンバージョンしていったのか。自 分が働きたいと考えるオフィスを社員主導でつくり上げていった過程を取材した。

業務拡大による人員増強からオフィス拡張を検討

株式会社TBWA╲HAKUHODO 受付

TBWA╲HAKUHODOは、博報堂とTBWAワールドワイドの出資により、2006年に設立された広告会社である。その後、2007年2月に現在入居する東京港区のビルに統合移転し、本格稼働に向けた拠点集約を行った。

設立5周年を迎えた2012年3月、これまでオフィスを構えていた5~6階に加え、同じビルの1階にもオフィスを拡張した。この1階スペースは、巨 大ディスコ「ジュリアナ東京」だった場所。かつての日本の流行発信地を、世界に向けたクリエイティブの戦略的発信拠点へと変えたのである。

オフィス拡張に至ったのは、設立以来順調な業務拡大を続けてきたことで、人員増による増床が必要になったことが背景にある。そこで2011年7月、 オフィスの拡張先として浮上したのが、同じビルの1階スペースだった。そこはジュリアナ東京が閉鎖された後、サーフショップとして使用されていたが、店舗 が退出した2011年からは空きスペースになっていたのだ。「同じ建物内なので会社としての一体感も保てる。活用しない手はないと考えました」と、移転プ ロジェクトを統括した同社管理部部長の東海正光氏は振り返る。

株式会社TBWA╲HAKUHODO ミラーボール

とはいえ、1階はいわゆる倉庫スペースである。天井高も6メートル以上と高い。オフィスとしては使いにくいのではという懸念も生じる。これに対して 東海氏は、「広告業である私たちの仕事は創造力が命。アイデアを出しやすい環境にするために、自分たちで自由につくり込める大きな空間は理想的でした」と 話す。

実は5~6階のオフィスも、同じような考え方でつくられたものだった。5~6階部分は、元はボウリング場が予定されていた場所で、吹き抜けになって いる。天井高が6.5メートルの巨大空間に、自然や公園をイメージした爽やかな内装を施し、壁や仕切りをなくした開放的なオフィス空間を作り出した。中央 にはカフェカウンターを設置し、社員同士の情報交換の場としている。「2007年に構築したオフィスで、社員たちは広い空間でゆったりと仕事をするメリッ トを実感しています。ここで得た経験を生かし、形を変えて1階にも再現しようとしたのが、今回のオフィス拡張の基本的な考え方です」(東海氏)

通常業務と並行して社員主導のオフィスづくり

株式会社TBWA╲HAKUHODO / 1階オフィス
株式会社TBWA╲HAKUHODO / 1階オフィス

2011年8月、社内プロジェクトチームを結成するとともに、前回の本社オフィス構築時にもプロジェクトマネジメントを担当したシービーアール イー・ジャパン(CBRE)と共に、計画を実現させてくれるパートナーを選定すべく設計コンペを実施。吉村靖孝建築設計事務所をパートナーとして、翌年3 月の移転完了に向けて動き出した。プロジェクトの中心となったのは、1階へ移動するチームから選ばれた10名の「デザインチーム」である。社内での調査や ヒアリング結果をもとに、自分たちが働きたいオフィスのコンセプトを議論していった。それに加えて、プロジェクト全体を管理するマネジメントチームと CBRE、設計事務所が参加開催する週1回のデザインミーティングで検討を進め新たなオフィスのデザインに反映させていった。

通常業務をこなしながら移転プロジェクトも担当することは、社員の負担になるのではと懸念する向きもあるかもしれない。しかし、同社の社員たちに は、まったく当てはまらなかったようだ。「自分たちの住みたい空間を考えることが、苦になるはずがありません。外部の専門家が考えたプランを選ぶよりも、 自分たちで考えるほうが納得感が高まります。自分たちがやらない限りはプロジェクトが進みませんから、期日を決めて自主的に動いてくれました」(東海氏)

巨大倉庫スペースをハイセキュリティな執務空間に

株式会社TBWA╲HAKUHODO / 天井照明システム「Sky Grid(スカイグリッド)」

1階に移る予定のチームは、移動前は、5~6階の空間の一部に174㎡の個室を作ることで、セキュリティを確保していた。これをチームごと1階ス ペースに切り離すことで、さらなるセキュリティ強化を図るとともに、50名までの増員に対応できるオフィスをつくろう、というのである。5~6階部分が自 然や公園をイメージしてつくられたのとは対照的に、1階は「モダニティ(現代的)」をモチーフにした。

オフィスづくりでまず課題となったのは、がらんどうの倉庫スペースで、いかにクライアントの要望するセキュリティ環境を構築するかということだっ た。これについては、3段階に分けたセキュリティエリアを設定することで対応することにした。社員や来訪客の誰もが使うことができるバーラウンジやライブ ラリーをセキュリティレベル1に、チームメンバーだけが入れる執務エリアをセキュリティレベル2に、チームでも限られたメンバーのみがアクセスできるハイ セキュリティルームをセキュリティレベル3に設定した。

また、セキュリティを確保しながらも、巨大スペースを生かした開放的な空間は維持した。セキュリティレベルによっては、壁を天井までふさがずに、「音や声はある程度聞こえるけれども、見えないセキュリティ」(東海氏)を目指したのである。

倉庫スペースだったため、窓がないことも解決すべき大きな課題だった。新たに窓を作ることも考えたが、構造上作れないという事情もあった。そこで天 井照明システム「Sky Grid(スカイグリッド)」によって時間ごとに光の色を変えることで、窓が一切ない空間にあたかも自然光が差し込んでいるよう な環境をつくり出した。昼間の明るめの光から、夕方には黄色みを帯びた夕暮れを演出することで、健康上のリズムを維持しようというのである。東海氏による と、このスカイグリッドの考え方をオフィスに採用した事例はほとんどないとのこと。「時間の流れを感じたいというデザインチームの要望に対し、設計事務所 から提案されたもので、まさに両者のコラボレーションが形になった事例」(東海氏)だという。また、天井高くにスカイグリッドを伸ばすことによって、壁で 仕切られた空間に一体感をもたらすという効果もあるようだ。

執務エリアには、L型1,600mm以上の広い個人スペースを確保した。あえてフリーアドレス制を採用していないのは、「集中して仕事するには固定 席が不可欠だと考えるから」(東海氏)。とはいえ、「アイデアが枯渇しないためには、自由に場所を選べることも重要です。そのため、自分のデスク以外でも リラックスしたり情報交換できる場所を数多く設けています」。1階に新設したバーラウンジやライブラリー、ミーティングラウンジなどもそうしたコミュニ ケーションスペースの一つ。これらはかつてバーや「お立ち台」だった場所をほぼそのまま生かしている。ジュリアナ東京だった頃の面影を至る所に残している のも、同社のオフィスづくりのこだわりである。

倉庫スペースの特性として、防災や安全性の面では5~6階とは異なる配慮が必要だったという。「5~6階はビルの一区画という位置づけだったため、 ビルと同じ考え方でよかったのですが、1階はビルから隔離された空間として独自の考え方が適用されました。例えば、災害時のパニックオープンや遵法性を維 持するための設備など、防災や安全面での条件をクリアするのに苦労しました」と東海氏は振り返る。

目指したのは「来訪したいオフィス」日経ニューオフィス賞を再び受賞

オフィスは社員が使いやすいようにどんどん進化させていくべき、というのが同社の考え方である。2007年に改築した5〜6階部分は、当時、社団法 人ニューオフィス推進協議会と日本経済新聞社が表彰する「日経ニューオフィス賞」の最高賞を受賞したものだが、「今では、緑の内装以外はすべて手が加えら れている状態」だと東海氏は明かす。さらにこの1階部分も、この8月1日に発表された第25回日経ニューオフィス賞において「ニューオフィス推進賞」を受 賞。5〜6階に引き続き先進のビジネス空間を構築したといえるのだが、すでに社員からの要望により改善が施されており、より理想的なオフィスへと進化して いくことが期待される。

株式会社TBWA╲HAKUHODO / 5〜6階部分オフィス 株式会社TBWA╲HAKUHODO / 5〜6階部分エントランス

5~6階 本社オフィス

2007年日経ニューオフィス賞
「経済産業大臣賞」
「クリエーティブオフィス賞」 受賞

1階に新設されたバーラウンジは、社員同士のコミュニケーションに使われるだけでなく、クライアントを招いてのパーティにも使われているという。こ れはまさに、「クライアントが来社したくなるオフィス、この会社に仕事を頼みたいと思うようなオフィス」を目指した同社の狙い通りだといえる。オフィスへ の投資が、社員の働き方やモチベーションに好影響を与えるだけでなく、来訪者へのインパクトの点でも確実に効果を生んでいるようだ。

TBWA╲HAKUHODOのオフィスは倉庫スペースをオフィスに自由につくり替えるなど、デザインに通じた広告会社だからできることだという声も あるかもしれない。しかし、社員が生き生きと働けるオフィスを、社員自身の手で責任をもってつくる。これもオフィスづくりの理想的な形の一つとして、参考 にできる点は多いのではないだろうか。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2012年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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