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賃貸オフィス・事務所の記事

神戸・京都 - 賃貸不動産市場 2015年6月期

神戸:駅近から広がりを見せるオフィス需要。

神戸のオフィスマーケット

2015年6月期の神戸の空室率は、対前期(同年3月期)比0.1ポイント低下の8.0%となった。小幅ではあるものの、これで空室率の低下は6期連続となり、マーケット的には好調を維持した形となった。2014年後半から駅前好立地のビルの空室率が顕著に低下し、この好調なオフィス需要が「駅前」「築浅」「ハイグレード」ビルにとどまらず、どこまで波及するのかが注目されるところであったが、2015年4月以降、少しずつではあるが空室消化の範囲が広がりを見せている。「交通の便が若干悪い」とか「駅前立地ではあるがスペックが弱い」といった理由で、値ごろ感があるにもかかわらず苦戦していたビル群にも成約が広がりはじめ、満室もしくは残り数室というビルが三宮だけでなく元町・神戸エリアにも顕在化してきている。業務拡大・人材採用等を目的とした西区・北区・東灘区等から中央区への立地改善や、増床移転(館内増床を含む)、ビルグレード向上等、前向きな移転理由が引き続き目立っている。平均想定成約賃料も対前期比+1.1%の10,600円/坪となり、全体としては、緩やかな上昇基調が続いている。

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京都:大型需要の受け皿不足が深刻化。

京都のオフィスマーケット

2015年6月期の京都市における空室率は、対前期比0.2ポイント上昇の4.6%となった。空室率が上昇に転じたのは、2013年12月期以来であるが、引き続き5%を下回り需給が逼迫した状態となっている。大型の解約による新規空室の多くが、解約予告期間中に成約に至っており、空室が長期化していた物件での空室消化も進んでいる。

想定成約賃料は11,330円/坪となり、賃料水準はほぼ横ばいの状況が続いている。競争力の高いビルはおおむね満室に近く、そういったビルでは、今後の新規募集区画の成約賃料は、上振れする可能性が高まっている。

業績好調や人員増による面積拡張、ビル内での館内増床を繰り返すなかで、よりフロアプレートが大きいビルへといった前向きな移転ニーズは根強い。しかし、受け皿となる空室がなく、こういった大型需要が潜在化してしまう傾向が見られる。今後は、需要がさらに潜在化するのか、小規模な区画への分室等の動きが活発になるのか、注視していく必要があるだろう。

関西支社 皆藤誠一郎 崎山愛子

相場表

種別 賃料(共益費込) 需給の動向 空室率
推移
三宮~神戸
大規模ビル
12,000~18,000 円/坪 優良立地やグレードの高いビルでは大型の空室が少なく、マーケットは緩やかな動き。 横ばい
三宮~神戸
中小規模ビル
8,000~13,000 円/坪 優良物件と競争力の低い物件とで二極化傾向が続いている。 横ばい
姫路 7,500~13,000 円/坪 今年は引き続き中大型ニーズが動いている。 やや低下
明石・加古川 6,000~8,000 円/坪 需給ともに動きが少ない。 横ばい
阪神間 8,000~11,000 円/坪 需要は安定しているが、優良物件の供給が少ない。 横ばい
四条烏丸
大規模ビル
14,000~18,000 円/坪 まとまった面積の確保が難しく、新築の供給などもないため、需給バランスは逼迫している。 横ばい
四条烏丸
中小規模ビル
9,000~13,000 円/坪 全体的に空室消化が進み、成約賃料は上昇傾向にある。特に優良物件の空室確保は難しい状況。 横ばい
京都駅前 10,000~18,000 円/坪 引き続き空室が極端に少ない状態が続いており、空室率は横ばい。 成約賃料は上昇傾向にある。 横ばい
倉庫・配送センター・工場
兵庫
3,000~4,000 円/坪 大型施設への需要は堅調であり、特に内陸エリアを希望する企業が多く見受けられる。ただし、引き続き大型の空室は少ない。 横ばい
倉庫・配送センター・工場
京都
3,000~4,000 円/坪 京都市南部エリアを中心に100~300坪以上の需要が多い。拠点の新設・拡張を背景とした需要が増加している。 やや低下
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は BZ空間誌 2015年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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