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賃貸オフィス・事務所の記事

神戸・京都 - 賃貸不動産市場 2016年3月期

市況は好調だが貸し手市場には至らず。

神戸オフィスマーケット

2016年3月期の神戸の空室率は、対前期(2015年12月期)比0.4ポイント低下し6.2%となった。今期は、自社ビル売却に伴い賃貸ビルへ移転する複数の大型テナントがマーケット改善に寄与したと思われる。

ここ数年散見される自社ビルから賃貸ビルへの大型移転や、ビル売却に伴う立ち退きなどの移転需要は、不動産売買市場の活況を背景にしてきた面が強い。そのため、今後の市場動向判断には、売買マーケットの動きも注視する必要があるだろう。

その他、春先の新規出店や、増員などによる館内増床、拡張移転の動きは多業種におよび、各ビルの稼働率も底上げされてきている。

今期の想定成約賃料は、対前期比0.1%低下の10,650円/坪となった。ビル毎に強弱があり、全体としては伸び悩んでいる。

貸し手優位とされる空室率5%以下のラインに徐々に近づいてきているが、まだ時間がかかる見込みである。テナントは、引き続き駅前・築浅の優良物件、あるいは値ごろ感のある物件を求めており、貸主・仲介サイドにもその調整力が問われている。

関西支社 松田梓 今福健一

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分室確保さえ困難な状況まで市場は逼迫。

京都のオフィスマーケット

今期の京都の空室率は、対前期比-1.0ポイントの3.2%と大幅に低下し、調査開始以来の最低値を更新した。移転先が限られる中でも新設や立地改善移転、館内増床や近隣で分室を確保する動きが相次いで見られた。

大型の空室が発生しても、退去前に次のテナントが決定するケースが多く、近隣にて分室を確保することも困難な状況になりつつある。今後、新規供給の予定もなく、需給バランスはより逼迫する可能性が高いと予想される。

今期の想定成約賃料は対前期比0.1%上昇して11,500円/坪となった。新規募集区画の想定成約賃料は小幅な上昇に留まっているが、一部のテナントには今後の賃料の先高観を警戒する動きが見受けられる。また、同じ募集区画を複数テナントが同時に検討するケースも増えてきているため、賃料水準は今後もじわじわと上昇していくことが推測される。

空室が少ない中で、今後、テナントにとっては、正確な空室情報および潜在的な空室情報等を迅速に収集し、素早く経営判断することが重要になるだろう。

関西支社 松田梓 今福健一

相場表

種別 賃料(共益費込) 需給の動向 空室率
推移
三宮~神戸
大規模ビル
12,000~18,000 円/坪 大型空室が徐々に消化され、引き続きマーケットは安定している。 やや低下
三宮~神戸
中小規模ビル
8,000~13,000 円/坪 ビルにより需要の強弱はあるものの、徐々に空室は消化されてきている。 横ばい
姫路 7,500~13,000 円/坪 大型空室が顕在化し、消化には多少時間がかかる見込み。 横ばい
明石・加古川 6,000~8,000 円/坪 需給ともにオフィス市場は動きが少ない。 横ばい
阪神間 8,500~11,000 円/坪 優良物件の品薄状況が続いている。 横ばい
四条烏丸
大規模ビル
15,000~18,000 円/坪 まとまった面積の空室確保が難しく、継続して需給バランスは逼迫している。満室の物件も増えてきている。 やや低下
四条烏丸
中小規模ビル
9,000~13,000 円/坪 前期に続き、空室消化が進んでいる。優良立地では移転先の確保が難しい状況にある。 やや低下
京都駅前 12,000~18,000 円/坪 空室がほとんどない状態が続いており、館内増床もままならない。満室の物件が多く、成約賃料は上昇傾向にある。 やや低下
倉庫・配送センター・工場
兵庫
3,000~4,000 円/坪 中大型の空室物件は少ない状況ながらも、需要とのマッチングが進まず、空室が長期化する傾向が見られる。 横ばい
倉庫・配送センター・工場
京都
3,000~4,000 円/坪 テナント需要は京都南インターを中心に150~300坪前後が多い。空室消化は進んだが、成約賃料は横ばいである。 やや低下
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は BZ空間誌 2016年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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