新築ビル竣工が続くみなとみらいで、
空室率が8%台に上昇。
横浜駅周辺は低水準で推移
シービーアールイー(株)の調査によると、2023年3月期の横浜市オールグレードの空室率は6.0%となり、対前期(2022年12月期)比2.8ポイント上昇した。
エリア別に見ると、「横浜駅周辺」エリアの空室率は、前期から0.3ポイント上昇し、2.4%となった。300坪を超える解約が、一部見られたことが上昇要因と考えられるが、サービス系テナント(美容系クリニック・塾など)の新規開設や移転も多く、結果として、他エリアと比べて、空室率が低い状況が続いている。特に、横浜駅周辺は、100坪を超える空室が少ないことから、ダウンタイムなく、後継テナントが決定している。
「みなとみらい」エリアの空室率は、前期から4.1ポイント上昇し、8.0%となった。今年1月に竣工した物件が、空室を抱えた状態で竣工を迎えたことが、大きな上昇要因である。2023、24年と、新築ビルの竣工が相次ぎ、来期以降も、空室率の上昇は避けられない見通しである。そのため、テナント誘致のキャンペーン施策を実施するオーナーも、増加している。
神奈川はテナント優位に
「関内」エリアの空室率は、前期に比べ低下した。新築物件が複数フロアで決まるなど、一部の物件で空室の埋め戻しがあった。一方、長期で空室を抱えている物件もあり、二極化が続いている。
「新横浜」エリアの空室率は、前期に比べ、わずかに低下した。賃料が、1万円台前半/坪、かつ100坪前後の物件に需要が集まり、空室の埋め戻しが進んだ。一方、賃料が1万円台半ば/坪以上かつ200坪を超える物件は苦戦しており、一部では、積極的に賃料の値下げや分割を行っている。
「川崎」エリアの空室率は、前期に比べ上昇した。大型物件において、100坪未満への分割を積極的に行うことにより、一部で空室消化が進んだものの、大手メーカー退去後の二次空室が顕在化したことが、主な上昇要因である。すでに、大きく空室を抱えている物件も多い中、今年中に川崎市新本庁舎が竣工を迎える予定である。民間ビルに賃借中の市役所の二次空室も考慮すると、空室率は、今後も上昇するものと見込まれる。
神奈川エリア全体において、空室の埋め戻しを優先に考えるオーナーが増え、テナント優位のマーケットになってきている。
横浜支店 佐藤 亮子
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