オールグレード空室率はやや低下。
賃料は依然として下落傾向
年初から堅調なオフィス需要
2023年3月期の東京23区内オールグレード空室率は、対前期(2022年12月期)比0.1ポイント低下し、4.6%となった。また、東京23区内オールグレードの賃料は、21,350円/坪と、対前期比0.3%低下した。今期は、昨年竣工した大型新築ビルが満室となったことや、既存ビルで大型成約が複数あったことにより、空室消化が大きく進んだ。一方で大型ビルが新たに空室を抱えて竣工したことにより、全体の空室率はわずかな低下となった。
今期の東京23区内オールグレードの契約総面積は、約7.8万坪と、オフィス需要は、年初から堅調な模様だ。再開発エリアからの立ち退きや、自社ビルの建て替えに伴う一時移転によるケースもあるが、入居中のテナントの増床といった動きも多く見られ、新たな空室発生を伴わないケースが増えている。ウィズコロナとも言われる新しい働き方が、各企業に浸透し、ワークスペースとしてのオフィスに回帰する傾向が、実感できる結果となった。
懸念される大量供給の影響
このようなマーケットであるにもかかわらず、一部を除いたほとんどのエリアにおいて、賃料下落は止まらなかった。その要因としては、引き合いが活発になったことにより、マーケット内で優位性が得られる賃貸条件が明確になり、それにアジャストしようとするビルで、一段と踏み込んだキャンペーン条件が設定されるなど、需要を早期に取り込みたいオーナー側の姿勢が、マーケットに反映されたことが挙げられる。昨年から今期にかけて、期間限定の賃料値下げや、フリーレント長期付与のキャンペーン条件を打ち出したビルで、多くの引き合いを集める結果となった。それらのビルにおいて、一部埋め戻しが進んだ後も、さらなる空室消化をもくろみ、条件を継続するビルが少なくない。
こういったオーナー側の心理を生み出す背景には、大型ビルだけでも約19万坪と目される、今年の大量の新規供給がある。また、大型新築ビルへのテナント移転に伴い発生する、既存ビルの二次空室の存在も、少なからず影響している。特に注目すべき大型ビルの竣工が、今年下期に控えており、当面、オーナーの賃貸条件に対する考え方は、継続されるだろう。
ビル営業本部 三好 直樹
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