想定成約賃料は上昇傾向が継続、坪当たり平均1万円台で推移。
空室率はさらに低下
シービーアールイー(株)調査による2017年12月期の金沢の空室率は6.2%と、前期(同年9月期)から1.0ポイント低下した。拡張や新規開設などにより金沢駅周辺を中心に引き続き需要があり、空室消化が進んだことに加え、市内中心部においても大型面積帯の空室が消化されたことが要因となり、空室率の過去最低値の更新が続く結果となった。
また、想定成約賃料は、前期に9年ぶりに1万円台を回復したが、今期もさらに上昇して、坪当たり10,120円となった。募集賃料の見直しや、現在の入居テナントに対して賃料増額を交渉する動きがオーナーに見られるのは、こうしたマーケットが背景にあるものと推測される。
開発計画には十分な駐車場を
空室消化は順調に進んでいる一方で、駅周辺および中心部において駐車場の確保が難航している状況に変化はなく、移転決定の足枷となる事例も散見される。現在、新規供給が待ち望まれる状況ではあるが、開発に当たっては、ビル付属の駐車場を十分に用意できる仕様とすることが重要であろう。
金沢営業所 柳瀬 茂樹
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相場表
種別 | 賃料(共益費込み) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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金沢市(中心部) | 7,500円~9,500円/坪 | 駐車場の確保が難しく、物件探しが長期化する事例も見られる。成約件数は駅周辺と比較して少ないが、大型需要により空室消化が進んだ。 | |
金沢駅周辺 | 9,500円~13,000円/坪 | 需要はあるものの、希望する面積帯や駐車場台数の空きがなく、他エリアでの検討を余儀なくされる事例が見られる。 | |
富山 | 7,500円~11,000円/坪 | 駅近くで空室消化が進んでいるビルがある一方、同等の立地でも設備の違いが要因となり苦戦しているビルも見受けられる。 | - |
福井 | 6,500円~8,500円/坪 | 郊外からの駅周辺への移転需要はあるものの、駐車場で確保できる台数や料金がネックとなり、移転決定には至らない事例が見られる。 | - |
倉庫・配送センター 市内 |
2,500円~3,000円/坪 | 100~300坪程度の面積帯を中心に、需要はあるものの供給不足が続き、当初の希望より妥協して物件を確保する事例も見られる。 | - |
倉庫・配送センター 市外 |
2,000円~2,500円/坪 | 供給が少ないため物件の希少性が高まっている。長期にわたり物件を探している企業もあり、需要が潜在化している状況といえる。 | - |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。