空室率は最低値を更新。優良空室は市場に出る前に消化。
需給は一層タイトに
シービーアールイー(株)調査によると、2017年6月期の金沢の空室率は7.7%と、対前期(同年3月期)比で0.6ポイント低下した。金沢駅周辺のビルにおいて、ある程度のまとまった空室や小型の空室の顕在化等による供給があったものの、拡張移転需要や自社屋から賃貸への切り替えによる移転需要がそれらを上回り、空室率は調査開始以来の最低値を記録する結果となった。
待たれる新規供給計画
駐車場が比較的安価で多数確保できるビル、設備等のグレードが高いビルおよびテナントニーズに即したリニューアルが計画的に行われているビルについては、高稼働で推移している物件が多い。こうした物件では、空室予定が出ても市場に供給される前にテナントが内定する事例や、複数テナントから入居希望が重なる事例が増えてきているようだ。
2014年以降、目立ったオフィスビルの供給がない一方で、新築や築浅のビルを求める声は多く、需要と供給のギャップは広がっている。それを緩和する新規供給が待ち望まれる状況といえるだろう。
金沢営業所 柳瀬 茂樹
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相場表
種別 | 賃料(共益費込み) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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金沢市(中心部) | 7,500~9,500 円/坪 |
駐車場の多数確保が比較的容易な駅西エリア(西念・鞍月など)には需要があるが、中心部には希望と合致する物件が少なく、物件探索が長期化する事例も。
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金沢駅周辺 | 9,500~12,500 円/坪 |
駅より徒歩10分以内の立地を希望など、依然としてニーズは強いものの、検討できるビル・スペースが限られてきており、空室消化に一服感が見受けられる。
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富山 | 7,500~11,000 円/坪 |
小規模面積帯の新規開設案件および郊外からの移転案件が多いことに加え、一部ビルに館内増床の動きも見られ、空室消化が進む傾向にある。
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福井 | 6,500~8,500 円/坪 |
需給ともに目立った動きはないが、老朽化した物件からの移転需要などが散見される。
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倉庫・配送センター 市内 |
2,500~3,000 円/坪 |
100~500坪程度の面積帯を中心に需要はあるものの、それを吸収する物件がなく、開設時期を見送る企業も出てきている。
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倉庫・配送センター 市外 |
2,000~2,500 円/坪 |
300~3,000坪程度と幅広い面積帯で需要はあるものの、供給不足が続いている状況である。
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空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。