需要は引き続き金沢駅周辺に集中、中心部との二極化が進行。
金沢の2014年6月期の空室率は、対前期(同年3月期)比0.5ポイント上昇の13.1%となった。5月に竣工した新築ビルが満室稼働したことにより新規に発生した二次空室が、上昇の一因と推測される。
需要の傾向としては、新規出店や拡張・立地改善などの動きは増えつつあるものの、希望エリアは金沢駅周辺に集中しており、同時に月極駐車場も必要となってくることから、ビルの内外を問わず逼迫する駐車場の確保が、各ビルともに焦点となってきている。また、オフィスのみならず、飲食・物販等の店舗ニーズや、美容・医療関係の問い合わせも増えており、北陸新幹線開業を見据え、特に来客型テナントの金沢駅周辺に対する関心の高さがうかがえる。
一方で、これらの需要を満たす物件は限られるため、館内移動等を除くと、全体として空室消化スピードは比較的緩やかであり、賃料水準についても横ばいで推移している。しかし今後、大型空室が顕在化してくるビルもあり、需給バランスやニーズとのギャップを踏まえ、空室の動向に注視していく必要がある。
金沢営業所 島幹雄
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相場表
種別 | 賃料(共益費込) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
---|---|---|---|
金沢市(中心部) | 7,500~10,000 円/坪 | 金沢駅周辺と比較すると空室率は高止まりしている。郊外への移転を検討する動きも散見され、空室の消化が進まない状況。 | |
金沢駅周辺 | 8,500~12,000 円/坪 | 空室消化が進み、100坪を超える面積確保が困難に。選択肢が少ない状況のため、新規供給予定の物件への関心が高くなっている。 | |
富山 | 8,000~11,500 円/坪 | 郊外や老朽化した物件からの移転ニーズは見受けられるが、富山駅前~中心部での駐車場確保が厳しい状況。 | |
福井 | 7,000~9,000 円/坪 | 郊外からの福井駅周辺への移転需要に加えて、同一エリア内にて設備改善を目的とした移転の動きが出始めている。 | |
倉庫・配送センター 市内 |
2,000~3,000 円/坪 | 100坪前後の供給はあるものの、市場に供給されて間を置かず成約に至るケースが散見される。 | |
倉庫・配送センター 市外 |
2,000~2,500 円/坪 | わずかではあるが、200坪を超える供給が出始めている。物件がない状況が続いているため、市内同様に短期間で成約する可能性が高い。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー㈱社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。