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株式会社Photosynth | 成長ベンチャーに訊く

ケーススタディ

2022年4月26日

「鍵って面倒くさい」。モノづくり仲間が放ったひと言が、起業のきっかけになったと語るのは、株式会社Photosynth(フォトシンス)の代表取締役社長、河瀬航大氏。2015年3月、世界初の後付け型スマートロックを発表してから7年。無機質なものから有機物を生成する光合成のように、価値のあるものを生み出すビジネスや組織を育んでいきたいと語る氏に、これまでのオフィスの変遷とこれからの展望について話を訊いた。
株式会社Photosynth 代表取締役社長 河瀬 航大 氏

世界から「鍵」をなくし、
さらに可能性の広がる世界へ。
未来をスマートロックで変えていく。

株式会社Photosynth
代表取締役社長
河瀬 航大

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前例のないスマートロックに 大きな可能性を感じて創業

弊社フォトシンスは、スマートロックを活用した、クラウド型の「Akerun入退室管理システム」を提供している会社です。「Akerun」は、既存の扉に貼り付けるだけで、スマートフォンや交通系ICカードで鍵の開け閉めができ、インターネットにもつながるため、例えば時間限定の鍵を第三者に発行したり、部屋の入退室履歴をクラウド上で確認することもできます。現時点では、累積実績で6,000社を超える企業にご導入いただいています。

会社の設立は、2014年の9月。モノづくりが好きで集まっていた仲間たちの間で、「家や会社の鍵を開け閉めするのが面倒くさい」という話で盛り上がり、スマートフォンで鍵が開けば利便性が高く、セキュリティも安心だと思ったことが、今に至るきっかけになっています。

当時は、自分たちの家の鍵がスマートフォンで開け閉めできたら面白いと、あくまで趣味レベルの話でした。しかし、あるときメディアに取り上げていただく機会があり、そこで一気にバズったんです。「家で使いたい」「オフィスで使いたい」「ホテルで使いたい」と、多くの方からの声をいただくことで、物理的な鍵をスマートロックに変えていくことに可能性を感じ、いても立ってもいられなくなり、仲間たちと会社を立ち上げることにしました。当時はまだスマートロックという言葉はなく、海外を見ても前例はありませんでした。それなら自分たちがやってやろう!という思いでしたね。

立ち上げから4年半で 5度も移転したオフィス遍歴

株式会社Photosynth

創業時のメンバーは6名で、最初は五反田にあるマンションの1室を拠点にしていました。間取りは2LDKで、広さは10坪ほど。しかし半年もしないうちにスタッフが10名に増え手狭になったので、2015年1月からは同じく五反田で、33坪のオフィスを借りることに。そこへ引っ越して間もない3月に、世界初となる後付け型スマートロック「Akerun Smart Lock Robot」をリリースしました。

その後もスタッフを増やし、2016年1月からは同じビルの66坪の区画へ移転。社員が35名になった頃、そのスペースをさらに100坪に増床し、オフィスを広くしました。当時は社内のレイアウトについては特にこだわりはなく、執務スペースのほかには、典型的な会議室やカフェスペースなど、用途ごとに独立した場がある感じでした。

オフィスを100坪に広げたあとは、1年ほどいたでしょうか。その間にも社員を増員したので、次の移転を検討したところ、五反田では理想の広さの物件が見つからず、2018年3月、この田町のオフィスへ引っ越してきました。

田町を選んだ理由としては、五反田と同じく、浅草線と山手線の2路線が乗り入れていたからです。社員たちの生活圏もそれほど変わらず、移転しても通勤面で負担をかけることがないと考えました。街の雰囲気がどことなく五反田に似ていた点も、安心感がありましたね。

フォトシンス=光合成を体現した こだわりのオフィス

株式会社Photosynth

この田町のオフィスは、五反田時代の倍以上の広さで約230坪。そのうえビルは新築で、フロアは日当りの良い15階。賃料も数倍アップしました。こう話すと、順風満帆で成長したかのように思われるかもしれませんが、田町に移転した時の社員は50名ほど。人数の割にガランと広いオフィスを見て、なかなか重い決断をしたなと、内心では思っていました(笑)。とはいえ、オフィスは組織と文化を育む大切なインフラです。このオフィスでは十分すぎる広さを活かし、社名であるPhotoynth(フォトシンス)、つまり、無機的なものから有機的なものをつくりだす光合成(英名:Photosynthesis)をコンセプトにした、こだわりのオフィスをつくることができました。

オフィスを1枚の葉に見立てた時、15階は高層階なので、たくさんの日光を浴びることができます。また、会議室などの個室は、細胞壁をイメージしたガラス張りの壁を採用し、抜け感のある空間にしました。そして、フロアの動線は、葉のなかで水や養分が循環するように、人の流れが社内を循環することで、コミュニケーションが自然に生まれるような設計にしています。直線的ではなく、時にオフィス内の移動に遠回りが必要になったりするなど、少し不合理な動線にしているのがポイント。また、天井の照明なども葉脈を意識した配置にしています。

ニーズのある場に根ざして 価値あるプロダクトを届けていく

株式会社Photosynth

このオフィスへ移転してから4年が過ぎ、スタッフは約180名になりました。フロアには100席ほどしかないので、次の移転を検討していましたが、コロナ禍によりリモートワークが当たり前の社会になり、その必要はなくなりました。現状で全社員が出社するなら、それこそ500坪ぐらいのオフィスが必要になったかと思います。

社名のPhotosynthには、光合成のように価値あるモノを生み出していきたいという思いを込めています。今のオフィスはそれを体現できているので、移転が必要になったとしても、コンセプトは維持し、広さを拡張していくかたちになると思います。その場合は、スマートロックと顔認証システムとの連携、そのほかの電気機器や会議室予約システムとの連携など、IoTのさらなる可能性を試すことができる実験の場を、このオフィス以上に広く取りたいです。今もかなり自由なオフィスですが、スタッフたちがもっと自由に実験を楽しみ、遊べる場があったらいいなと思います。

現在は東京の本社と物流拠点のほか、大阪と福岡、名古屋にもオフィスを設けています。大都市という理由で拠点を設けているのではなく、私たちのプロダクトが求められるロケーションに根ざした活動が大切だと考えています。その意味では、外国からの問い合わも増えているので、どこかのタイミングで海外にも進出することを検討する時がくると思います。プロダクトの品質はもちろん、サポート体制にも自信を持っています。自分たちのプロダクトを自分たちの手により、自分たちの思い描くスピード感で、広げていきたいと考えています。

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上記の記事の内容は BZ空間誌 2022年春季号 掲載記事 掲載当時のものです。

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