仲介賃貸オフィス・事務所の記事

株式会社アクティブ アンド カンパニー | 成長ベンチャーに訊く

ケーススタディ

2021年11月9日

AIやビッグデータを活用することで、組織の人事にソリューションをもたらす「HRテック」。業務の効率化から人材の管理までその領域は幅広いが、HRテックを用いて顧客の組織人事におけるDXの提案やコンサルティングを行っているのが、株式会社アクティブ アンド カンパニーだ。組織人事サービスの分野で挑戦を続けてきた代表取締役社長兼CEOの大野順也氏に、事業やオフィスの変遷について話を訊いた。
代表取締役社長兼CEO 大野 順也 氏

組織人事データを
経営資源として有効活用。
人事×テクノロジーで
顧客企業を次なる成長へ導く!

株式会社アクティブ アンド カンパニー
代表取締役社長兼CEO
大野 順也

株式会社フラッグ

“人事を戦略に変える” 組織人事のDXで顧客の経営を支援

アクティブ アンド カンパニーは、組織人事コンサルティングを事業の根幹とし、クライアント企業の人事領域におけるデジタルトランスフォーメーションを支援している会社です。現在、組織人事に関するデータを有効な経営情報として活用できるように支援する、クラウド型人事管理システム「サイレコ」などを提供しています。

私の経歴としては、約20年前に新卒で人材派遣会社に入社し、営業畑で働いたのちにコンサルティング会社へ転職。そこで組織人事コンサルティングに1年半携わり、2006年1月に立ち上げたのが、アクティブ アンド カンパニーです。

私が社会に出た頃の人材派遣サービスと言えば、世間ではまだ認知されておらず、人材派遣会社に就職すると親に伝えたら、「あなたはどこに派遣されるの?」と聞かれるほどでした。 ITも普及しておらず、業務においても派遣先と派遣元のマッチングは、企業の歴史や風土、雰囲気に合うか合わないかなど、感覚的に行われていました。その時に「もっと科学的にできるんじゃないか」と思ったことが、起業や今に至る事業の変遷につながっています。

学生時代は、ベンチャーの代表になるなんて考えてもいませんでした。しかし、新卒で入った人材派遣会社にはチャレンジを重んじるカルチャーがあり、中には起業される先輩方もいたりと、その後のキャリアを築くきっかけになっていたと思います。

間借りした拠点で事業を開始 人のつながりに支えられた創業期

株式会社アクティブ アンド カンパニー

会社を立ち上げた時も、人材派遣会社時代のOBの先輩方にお世話になりました。事務所の登記について相談をすれば、「自宅とは別にしたほうがいい」とアドバイスをくださり、すでに独立されていた、別のOBの方のデザイン事務所で間借りをさせてもらえることに。渋谷区恵比寿のオフィスの空いていた机を一つ借りたのが、弊社の原点です。毎朝出社しては企画書を書いたり、テレアポをしたり。並行して採用活動も行い、3ヶ月後にはスタッフが5名ほどに。当時はクライアントへのコンサルティングと研修を事業の軸にしていたので、労働集約型にならざるを得ず、社員を増やさないと売り上げも上がりません。そのため半年後には、独立したオフィスへの移転を考えるようになりました。とはいえ駆け出しのベンチャーです。移転の手間も費用も惜しく感じていたところ、人材派遣会社時代のまた別の先輩から、「会社で使っていないセミナールームがあるよ」と連絡をいただき、新しいオフィスとして借りることになりました。

千代田区麹町4丁目にあった築浅のビルで、弊社の社員は5名。人員的にもビジネス的にもまだ身軽で、懸念することは何もなく、移転はスムーズでした。また、デザイン事務所と同様に、月々の家賃以外の敷金礼金は不要で助かりましたね。先輩の会社なので、家賃も無料にしてもらえるかと少し期待もしましたが、そこはビジネスの世界。さすがに甘くなかったです(笑)。

社員の半数が自ら退職 忘れられないリーマンショック

株式会社アクティブ アンド カンパニー

麹町4丁目のオフィスには1年ぐらい入居していましたが、社員が7名に増えた頃、今度はまっさらな状態から次のオフィスを探すことになりました。結果的には同じ千代田区内の麹町1丁目へ移転しましたが、そこを借りていた頃にリーマンショックが訪れ、ビジネス面でも大変辛かったことを鮮明に覚えています。

物件に関しては、当時はテレアポが主流で、電話番号を変えるとお客様との関係が途切れる心配があったことから、同じ千代田区内で探すことに。その中で麹町1丁目を選んだのは、弁護士事務所や会計事務所など、事業者向けサービスに携わる企業が多く、私たちの事業にも合っていると判断したからです。オフィスとしては最初にワンフロアを借り、追加でさらにワンフロアを借りました。しかしその頃にリーマンショックが起きたのです。新規案件はもちろん、以前からの取引も減り、会社の規模に釣り合わない赤字を出したことも。さらには、追い打ちをかけるように社員が半分ほど辞めてしまい、人材マネジメントという、自社のビジネス自体を否定しかねない状況に陥ってしまいました。当然、資金繰りも大変で、会社を続けてよいものか悩みましたね。追加で借りたワンフロアを、研修サービスなどを行う同業の方に貸し出すなど切羽詰まった状況でしたが、あるとき大規模な新規案件が決まり、それをきっかけに業績が回復し軌道に乗るように。厳しい状況を経験したことで、経営者として成長することをより強く意識するようになりました。そして、社員が15名ほどに増えた2011年の3月、麹町1丁目から少し北上した千代田区九段南の現在のオフィスへ移転してきました。

利益追求と社会貢献の両立 転換期にある組織人事サービス

株式会社アクティブ アンド カンパニー

今のオフィスも、入居直後に東日本大震災が起きるなどの困難な状況でしたが、「やるしかない」という思いでした。当初は約100坪のワンフロアを借り、半分を執務室、残る半分をセミナールームと会議室にしていました。会社の運営コストが重く市場も冷え込みましたが、現在の事業の主軸である「サイレコ」へのシステム投資を始めたのもその頃です。それからは社員の増員に伴ってオフィスが手狭になったため、3年前には階下のフロアを半分借り、セミナールームを移設しました。現在はテレワークやウェブセミナーが日常的になりましたが、セミナールームは私たちにとって「ショールーム」のような位置付けです。研修サービスを受けていただくだけでなく、どのような企業なのかご覧いただくことで、弊社のサービスを導入するかどうか、検討されるクライアントもいらっしゃるからです。

現在は東京オフィスに勤務する約60名の社員のうち、在宅勤務が6割ほどいます。今後はフリーアドレス制やコミュニティスペースを導入するなど、出社したくなる魅力的なオフィスをつくることもそうですが、在宅勤務時など、オフィス外の業務における環境やホスピタリティの向上こそが、生産性を高めたり、会社への愛着を深めることにつながるのではないかとも考えています。また、現在、弊社のグループ会社が佐賀に新拠点を設ける計画があります。そこでは新しい試みとして、行政と協力し地域の雇用創出やキャリア形成だけでなく、街のコミュニティ形成にも貢献できるようなオフィスの開設を目指しています。佐賀は福岡が近いため人材が流出傾向にあり、近年の平均年収は全国で40位前後。一方でYouTubeの利用率は全国1位という話もあるなどユニークな地域性を持っています。その特性を見極め、地域を活性化していくことは、SDGsにもつながる、組織人事サービスの新たなビジネスモデルになる可能性を秘めています。ITの進化や産業の複雑化に伴い、コンサルティングサービスはスタイルを変えつつあります。その中で社会に貢献し、意義のあるビジネスを展開できるよう、これからも起業家としてチャレンジを続けていきたいです。

物件をお探しのお客様専用窓口

CBREの記事をお読み頂き誠にありがとうございます。ご移転のプランニングや優良未公開物件の仲介をご用命の際は下記のフォームからお問い合わせください。

上記内容は BZ空間誌 2021年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

仲介賃貸オフィス・事務所の記事を検索

よく読まれている記事

関連記事

株式会社テラスカイ | 成長ベンチャーに訊く

ケーススタディ

2022年7月28日

DXが叫ばれる昨今、多くの企業で導入が進むクラウドサービス。そのインテグレーターとして2006年に創立されたのが株式会社テラスカイだ。グループ全体ではエン...

株式会社データフォーシーズ | 成長ベンチャーに訊く

ケーススタディ

2021年11月30日

テクノロジーによるデータ解析技術の進化と、社会的ニーズの高まりを予見し、2005年に創業した株式会社データフォーシーズ。その緻密な解析サービスは、小売など...

株式会社東京 | 成長ベンチャーに訊く

ケーススタディ

2021年11月16日

東大の大学院生たちが学生時代に立ち上げた、株式会社東京。彼らが独自のアイデアをもとにビジネスフィールドとして着目したのは、誰もが利用するエレベータという空...