今年2月、本社機能を移転。
「共に働く、共に生きる」をテーマに
メンバーと社会を笑顔にしていく。
企業と学生の出会いを創出するため理念共感型の採用サービスを展開し、雇用のミスマッチのない社会をめざす株式会社プレシャスパートナーズ。顧客の採用活動における課題解決に取り組む一方、その眼差しは当然、自社の組織のあり方にも向けられている。いかに仲間を集め、人を育て、会社を成長させてきたのか。オフィスの変遷とともに代表取締役社長CEOの髙﨑氏に語ってもらった。
株式会社プレシャスパートナーズ
代表取締役社長 CEO
髙﨑 誠司氏
※プレシャスパートナーズでは、「共に働く、共に生きる」というバリューのもと、家族のように「共に生きるメンバー」としての想いをこめて、社員をメンバーと呼んでいる。
就職活動の常識を変える
理念共感型の採用サービスを展開
プレシャスパートナーズは、採用コンサルティングの会社です。2008年4月に創業し、現在は求人広告や人材紹介、採用イベントなどのほか、経営者と求職者の価値観のマッチングを重視する理念共感型の採用サービスを事業の柱としています。
設立15周年を迎えた今年を第二創業期と位置づけ、2月に本社を移転。これまで以上に採用活動のあり方や常識を変えていこうと取り組んでいます。
もともと私は、求人広告代理店の営業マンでした。当時の求人広告は、一人でも多くの方からご応募いただこうと、会社のイメージをよりよく見せる傾向がありました。そのため、いざ働き始めるとギャップが生じ、すぐに退職してしまうケースも少なくありませんでした。採用活動は、入社した方が会社に定着し、活躍することが目的のはず。私はそのような求人広告に限界を感じ、新たな採用サービスをつくろうと、学生時代の後輩や友人5人に声をかけ、プレシャスパートナーズを立ち上げました。
とはいえ、当初は顧客への営業手段として、求人広告の代理業を主な仕事にしていました。求人広告を通じて採用活動のかたちを変えようと努力しましたが、やはり限界がありましたね。そこで2015年、誰と働くかという部分に焦点をあてた就職支援サイト「アールエイチナビ」をリリース。それが現在のメイン事業である、理念共感型採用サービス「WinC Career(ウインクキャリア)」につながっています。
流行発信地「渋谷」で起業し
ビジネスの街「西新宿」へ進出
創業時、拠点にしていたのは、渋谷区道玄坂のオフィスビルです。流行発信地の渋谷とはいえ、建物は古く、広さは15坪。内装にお金をかける余裕もなく、メンバー5人がそこに集まって仕事をしていました。2008年といえば、秋にはリーマンショックが起き、派遣切りなどが社会問題になるような状況で、求人はほぼなく、1年目は苦しかったです。それでも「会社を大きくしてやるぞ」と前向きでした。
2011年6月には、同じ渋谷区内の円山町へ。メンバーは10人でした。道玄坂から移転した理由は、東日本大震災でビルにヒビが入り、そんな建物でメンバーを働かせるわけにはいかないと思ったからです。移転先は30坪の広さで、最終的には30人がギチギチの状態で働いていました。また、渋谷はエンタメがあふれ、個人的に好きな街ですが、一方では遊びと仕事の距離感が近すぎるようにも感じます。そのため、次はもっとビジネス中心のエリアに拠点を置こうと、2014年2月、西新宿のオフィスビルへ移りました。
最初は50坪のワンフロアを借り、社員数は35人に。フリーアドレス制を導入しましたが、その後、新卒者を20人近く採用することになったため、別のフロアも借りて増床をしました。さらに今回、新宿住友ビルへの移転にあたり、それまでの本社ビルと組織を2つに分けることになりましたが、組織体制を築くために拠点を分けました。距離が近いことは良さもありますが、何から何まで私に判断を求めていては、メンバー自身が成長しません。理想としているのは、トップが目立ち、ほかは横並びになっている文鎮型の組織ではなく、ずっしりと力強いピラミッド型の組織です。会社の成長のためには、それぞれが育ち、しっかりとした組織体制を築くことが大切だと思います。
メンバーのモチベーションが高まる
オフィスや組織のスケールアップ
会社は、私ひとりのものではなく、みんなでつくっていくものです。そのため、オフィスを移転する時には、内装や備品など、まだ何もないスケルトンの状態をメンバーたちにも下見してもらいます。すると、会社をこれから大きくしていきたいという気持ちや、ワクワク感を共有でき、働くことに対するモチベーションも高まるようです。中には、自分のそれまでの仕事が会社の成長や未来につながっていると感じ、退職を踏みとどまってくれたケースもありました。
2015年以降は名古屋、大阪、福岡と支社の開設を進め、今年2月には営業本部を西新宿の以前のビルに残し、本社機能のみを現在の新宿住友ビルへ移転させました。大手企業も入居する高層ビルの35階で、そのときもメンバーたちに空っぽの状態のオフィスを見てもらいました。第二創業期に入ったタイミングでもあり、いい刺激になったのではないかと思います。以前のビルに残った営業部のメンバーたちも、フリーアドレスなので、たまには気分を変えて、新宿住友ビルで仕事をするなど、意識を高く持って業務にあたってくれています。
共に働くことで幸せを実感できる
そんなサービスを展開していきたい
今年、30人近くの新卒者が入社したので、社員数は全社で160人ほどになりました。来年度も新卒者を採用する予定です。高層ビルが建ち並ぶビジネス街に拠点を移してからは、会社訪問に来る学生さんたちにポテンシャルやモチベーションの高さを感じます。メンバーたちも以前と比べると、なんだかスタイリッシュな雰囲気になりました。
現在のビルに移転する時には、その後の増員を想定していましたし、コロナ禍で大きく変化した働き方やライフスタイルについても意識しました。出社できない状況で、テレワークで問題ないというメンバーもいれば、ひとり暮らしの若いメンバーたちを中心に、孤独でつらいという声も聞きました。私たちは自社の採用活動のテーマを「共に働く、共に生きる」にしています。会社では会いたいと思う仲間と会うことができ、熱く語り合ったり、共に働くことで楽しさを共有できます。その受け皿となる現在のオフィスには、コミュニケーションスペースを設けたほか、ワクワクとした気分になれるよう、内装にもこだわりました。
人は人生の大半で働かなければなりません。そのため、仕事や共に働く仲間との交流を通し、やりがいや楽しさを感じられれば、より幸せに生きていけるのではないでしょうか。私たちの会社がそうあることはもちろん、プレシャスパートナーズのサービスをさらに発展させることで、そのような企業を増やしていけたらと思います。「週末が待ち遠しいけど、仕事をしている今日も楽しい」。働くすべての人たちがそう感じられる社会をめざし、これからも取り組んでいきたいです。