050-5447-7862

平日 9:00〜17:30

物件を探す

事業用不動産のあらゆるニーズを網羅するサービスと豊富な実績で、お客様の課題を解決する最適なソリューションをご提案いたします。

お役立ち情報

CBREが手掛けた、さまざまな業種・規模の移転事例のご紹介を始め、オフィスや物流拠点の移転に役立つ資料・情報をご提供しています。

マーケット情報

独自収集したデータを元に、不動産マーケットの市況を分析予測し、市場変化をいち早く捉え、ポイントをまとめた市場レポートを配信しています。
また、物件レポート、業界トレンド情報など、事業用不動産の最新情報、トレンドを配信しています。

CBREについて

事業用不動産の分野において、世界有数の企業であるCBRE。日本国内におけるその強み、拠点、会社概要をご紹介します。

ヘルプ

物件検索の使い方や、会員サービス、よくあるご質問など、当サイトをより便利にご利用いただくための情報をご紹介します。

オーナー様はこちら
仲介業者様はこちら

貸店舗・賃貸店舗の記事

株式会社アトリウム

株式会社アトリウム 経営企画本部 経営戦略部 部付部長 坂 啓次氏

株式会社アトリウム
経営企画本部
経営戦略部 部付部長
坂 啓次

株式会社アトリウム債権回収サービス(アトリウムサービシング)不動産部 部長 仲田 陽之氏

株式会社アトリウム債権回収サービス
(アトリウムサービシング)
不動産部 部長
仲田 陽之

株式会社アトリウム債権回収サービス(アトリウムサービシング)不動産部 不動産課 信田 雅広氏

株式会社アトリウム債権回収サービス
(アトリウムサービシング)
不動産部 不動産課
信田 雅広

四つの事業を柱に不動産の流動化を促進する

当社はバブル崩壊の只中にあった1992年10月、ビルや商業施設、住宅などの不動産を仕入れ、バリューアップして売却する「不動産流動化事業」を核として本格創業しました。その後、サービサー法の改正を踏まえて、1999年には担保付債権の買取、および管理・回収を行う「サービサー事業」を開始。2000年には収益不動産を保有し、マネジメントする「不動産ファンド事業」、2004年には担保不動産の評価と債務保証を行う「不動産融資保証事業」をスタートさせました。今日では、柱となる四つの事業を柔軟に連動させながら事業を拡大し、おかげさまで2006年3月にはジャスダック証券取引所に上場し、その後わずか9ヵ月後の同年12月には東京証券取引所第一部に上場を果たせました。

秋葉原進出のきっかけは不良債権の有効活用

今回、当社が秋葉原に進出するきっかけとなったのは、サービサー事業に関連してのことです。5年前、家電量販店の民事再生に絡んだ不良債権処理の話を某都銀からいただき、債権譲渡を受けたことが端緒でした。対象となるビルは、今でこそ駅前の好立地ですが、当時は秋葉原の大規模再開発のスタート当初であり、つくばエクスプレスはもちろん、オフィスビルの集合体である「秋葉原クロスフィールド」もようやく基礎工事が始まったばかりでした。当ビルの前面の道路も、当時はつくばエクスプレスの資材置き場になっていたようなところで、駅前になりそうだという期待はあったものの、人の流れはおろか、周辺開発の実態さえも不透明という状況だったのです。

そこで、当初は建築コストを抑えるために、既存の建物を大規模リニューアルしたうえ、物販店舗としての利用を考えていました。建物内部は柱がない構造だったためスケルトンにすれば、大手家電量販店などが誘致できると予測しました。

独自のマーケティングにより大幅な方向転換を実施

chompchomp AKIHABARA

初期の計画を大幅に変更し、取り壊したうえ商業ビルの開発を決定した最大の要因は、周辺環境の劇的な変化でした。債権譲渡を実行してから、不動産所有権者として引き渡しを受けるまで約2年かかりました。その間に大規模再開発事業が大きく進行し、新たなビルがいくつも建設されました。秋葉原イコール電気街というイメージが「新しいアキバ」に激しく変化し続けるこのエリアの中で、既存のビルのままでは将来的なバリューを保ち続けることは難しいと判断したためです。

エリアが変化していくなら、ビルのあり方そのものも再検討する必要があります。そのため、本格的なマーケティングを実施したのですが、そこで用いたのは将来予測に基づいた独自のマーケティング手法です。通常のケースなら、地場のリーシング会社や、特定の業種に強いリーシング会社にマーケティングを依頼してニーズを把握するのが一般的でしょう。しかし、このエリアのようにどんどん新しく変革していく過程では、現在のニーズを分析しても、将来的にはどうなるかわからないという危惧があったのです。

手法としては、まず山手線ターミナル駅周辺のエリアで、JR駅から100m、あるいは500mの範囲における小売業や飲食業などの業種の分布比率は、そのエリアの独自性を勘案したうえ、ある程度の将来像の予測は可能との仮説を立てました。他のターミナル駅周辺に多く、秋葉原エリアに少ないものを探せば、将来的なニーズになるのではないか、そう考えたのです。

この想定を元に調査した結果、ビジネスホテルが第一候補に上がったのですが、目の前の立地にホテル建設の計画が出てきたことから、次善の策として、現在、このエリアには少ない飲食店舗ビルを建設することになったのです。こうした、将来的なニーズを見据えたマーケティング手法を用いたのは、当社としては初めての試みでした。

ビルのバリューを最大限に確保する出口戦略を考慮した開発計画

chompchomp AKIHABARA

当社のビジネスモデルからして、開発不動産を自社保有しておくのは3~4年、長くても5年程度です。その中で、今回のビル計画に当たって最も苦労したのは、保有期間内の賃料収入の確保はもちろん、将来的に売却する際にどれだけバリューを保てるテナント構成にするかということでした。

完成と同時に売却を行うことや現在の募集賃料収入だけの視点から、パチンコ店やゲームセンター等を入居させるのが簡単で最も高い収入が想定できました。実際に、開発用地に「建築お知らせ看板」を出した間にも、これらの業態の企業からは、一棟借りで非常に良い条件の多くの引き合いがありました。しかし、将来の出口戦略を考慮すると、賃料は多少抑えても、テナントミックスによって集客力を高め、将来のマーケット変化に対応し、様々な用途に変更可能な建物にすることなどエリアを代表するユニークなビルにしたいと考えたのです。

飲食店舗ビルに計画が決定してからも、誘致するテナントについては色々と議論しました。海外で販売されている日本のガイドブックを見ると、秋葉原は新宿についで大きなスペースが割かれており、今後、ますます海外からの来訪者が増えるだろうと容易に予想できます。目の前にホテルができるわけですから、なおさらです。そこで、世界中の料理店を集めようとか、日本各地のご当地有名店を集めるといったアイディアが出ました。

最終的には、メインターゲットは周辺ビルで働くオフィスワーカーとし、観光客や周辺地域の在住者、一般来訪者はサブターゲットとして捉えることに決定しました。日本人だけでなく海外、外国人のニーズを考えた秋葉原ならではの戦略としています。

店舗の繁栄がビルのバリューテナントをサポートする販促計画

今回の商業店舗ビルでは、基準階面積や構造の制約により、売上歩合ではなく固定賃料での賃貸借を採用しました。とはいえ、テナントが儲からなければビル全体のバリューが下がってしまいます。そこで我々ができることはやろうと考え、一般のテナントビルでは珍しく、費用をかけて積極的な販売促進を実施することになりました。費用は当社が半分と残り半分を各テナントで按分しました。テナントにとってもビル自体にとっても集客力を高めることが重要なのはいうまでもなく、そのために自己資金を投じることも社内的に理解を得ることができました。

chompchomp AKIHABARA イメージキャラクター「チョムチョムモンスター

販促計画策定に際し、まず広告代理店3社によるコンペを実施した結果、特徴的な「チョムチョム秋葉原」というネーミングと、キャラクターの採用を決定しました。キャラクターを使い、ビル全体の販促活動を展開する発想は、割引券やドリンクサービス等テナントに負担を強いるだけの単調な手法以外の販促手段として有効と考えたからです。また、今回想定した訴求ターゲットは周辺会社勤務のOLですが、当社の女性社員にアンケートを実施した結果、タレントなどを起用した手法に比べ最も好印象でした。

また、商店会など近隣の方々と接していく中で、目立つビルを建てて、このエリアを活性化させて欲しいとの要望を聞いていたため、ビルの外装にも集客効果を狙った仕掛けを施しました。外壁のカーテンウォールの外側にホワイト地の穴開きの鋼板を設置する「ダブルシェル」構造とし、内側に1200個のLED(発光ダイオード)を配しました。1600万色の表現が可能で、光の強さや点滅時間がコンピュータで制御できるので、さまざまなイメージが映し出せます。例えば、クリスマスの時期にはツリーを映し出す等、季節や地域のイベントに合わせたイルミネーションになる予定としています。集客には、目立たせることも重要なため、駅の乗降客が「ナンだろう」と思って見てくれることを期待しての試みです。

地域に新たな価値を創造し街の活性化に貢献する

こうして、地上10階、地下1階建、飲食店を中心とした全16店舗のテナントを収容する「チョムチョム秋葉原」の概要が決定しました。グランドオープンは2008年4月24日を予定しています。当初、開業はゴールデンウィーク中を計画していたのですが、メインターゲットであるオフィスワーカーにいち早く利用してもらうために、1週間前倒ししたのです。

建設工事はもとより竣工前の検査、テナント入居工事への対応等大変ですが、幸い当社には関連会社にアトリウム建設という建設会社があるため、迅速な対応が可能なのです。この会社があることで、さまざまな物件の評価から、内外装の計画、資金の見積りまで内部で素早くできることが、当社の強みとなっています。

秋葉原は、ご承知の通り午後10時以降は閑古鳥が鳴く街です。「チョムチョム秋葉原」は、その街の中でもこれまで賑わいの少なかったエリアに人の流れを生み出すビルとして、地元の町内会の方々からも応援いただいています。

今回の案件は、当社が有するいくつもの出口戦略の中の一つとして、純粋なビルオーナーでも、ファンドでもないスタンスで保有するビルですが、これからもさまざまな手法を駆使した不動産の流動化により、日本の活力を創造していきたいと考えています。

ご移転計画のあれこれ、お気軽にご相談ください

CBREでは事業用不動産のプロフェッショナルチームが、お客様の経営課題や不動産にかかわるさまざまな課題解決をサポートします。

上記内容は オフィスジャパン誌 2008年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

記事を探す

物件をお探しのお客様専用窓口

CBREの記事をお読み頂き誠にありがとうございます。
ご移転のプランニングや優良未公開物件の仲介をご用命の際は右記のフォームからお問い合わせください。

物件相談フォーム