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スケッチャーズジャパン合同会社

汐留のランドマークにショールームをオープン! 日本市場でのさらなる飛躍を目指す
シューズブランドの本社兼ショールーム移転プロジェクト。

skechers

アメリカのシューズブランド「スケッチャーズ」の日本法人は、2016年6月、本社兼ショールームを六本木から汐留の高層オフィスビルに移転。地上36階に、スケッチャーズブランドの世界観を表現した広々としたショールームをオープンさせた。なぜシューズメーカーが都心一等地の高層ビルに ショールームをオープンさせたのか。その根底にあるスケッチャーズの販売戦略および移転にかけた思い、そしてアメリカ本社やその店舗設計会社も巻き込んだ移転プロジェクトの全貌を取材した。

汐留のランドマークビルへ本社兼ショールームを移転

ショールーム

今年25周年を迎えるアメリカ生まれのシューズブランド「スケッチャーズ」は、スニーカーを中心に幅広いラインアップが特徴。近年の世界的なスニーカー人気を追い風に、ここ数年で飛躍的な成長を遂げている。2011年には日本法人を立ち上げ、卸販売と直営店による積極的な市場開拓を推し進めてきた。

当初数人でスタートした日本法人は、過去2年半で40名超にまで社員が倍増し、国内では直営店22店舗、フランチャイズ店10店舗(2017年5月末現在)を構えるまでになった。そして2016年6月、日本法人の成長に伴い手狭になってきた本社兼ショールームを、東京・六本木のオフィスビルから、汐留のランドマーク「汐留シティセンター」の36階に移転したのである。「今回の移転は、さらなる日本市場の開拓へ打って出るための布石」と語るのは、日本法人を率いるデイビッド K. トダ社長。「スケッチャーズは日本に上陸してまだ15年であり、知名度も高いとは言えません。ですが、日本市場に対する私たちの本気度を、まずはショールームに来られる得意先の方々に感じていただきたい。汐留への移転は、その意思表示でもあるのです」。

移転を決めた最大の狙いは、社員の増加に見合った執務スペースの拡張はもとより、併設するショールームの拡充である。旧本社では、床面積200坪のうち、約3分の1を4部屋から成るショールームに充てていたが、「これからシューズのカテゴリーを増やしていくことを考えると、部屋数も部屋の広さも足りなかった」(トダ氏)。そこで、新本社では床面積440坪を確保し、その過半を7部屋で構成されるショールームに充てた。これによりショールームは従来の約5倍の広さに生まれ変わり、現在約3,500足の新商品サンプルを展示している。

全国各地から訪れる得意先ショールームはブランドの「顔」

ショールーム

都内一等地の高層オフィスビルで、執務室よりも広いショールームを構えるのはかなり贅沢なスペースの使い方と言える。同社がここまでショールームにこだわるのは、それが販売に直結するからだ。その根底には、スケッチャーズ独自の販売戦略がある。トダ氏によると、同社のように自前のショールームを持つシューズメーカーは珍しいという。通常、シューズメーカーの商談は、大規模な会場で数日から1週間程度開催される展示会で、全国から集まった得意先に対して一斉に行われる。一方、そうした大規模な展示会は行わず、自社のショールームに得意先を1社ずつ招き、落ち着いた環境で丁寧に商品説明を行うのがスケッチャーズのやり方である。こうした商談は、季節ごとに年数回開かれるという。「私たちにとってショールームは、『この靴を仕入れたい』という気持ちになっていただくよう得意先を説得する場所。いわば“プレゼンテーションルーム”です。部屋ごとにターゲットやカテゴリーを分け、言葉で説明しなくても、靴の世界観が伝わるような空間であることが大事だと考えています」(トダ氏)。

ショールームはブランドの「顔」だからこそ、アクセスが良好で、誰もが知る「ビジネス一等地」になければならない。これが、六本木から汐留に移転したもう1つの理由である。スケッチャーズのシューズは、靴専門店、スポーツ店、大手スーパーマーケット、百貨店、雑貨店、大手ネット通販など全国約3,000店舗で売られている。そのため、全国各地からバイヤーがやって来るのだ。「汐留は家賃もかかりますが、ここなら羽田空港や新幹線を利用する地方からのお客様にも気軽に立ち寄っていただけます。また、汐留にショールームを構えるからこそ、会社の成長や勢いも感じていただける。費用対効果は大きいと考えています」(トダ氏)。

米本社での演出法を踏襲しながら 日本独自のアイデアも凝らす

ショールーム

移転に向けて動き出したのは、2015年の春のこと。半年をかけて東京から品川までの区間で物件を探した結果、10月には汐留シティセンターに決定。翌2016年1月、コンペ実施によりThe Design Studioに設計業務、CBREにプロジェクトマネジメント業務を委託、物件の賃貸借契約を締結した後、2月から内装工事を開始した。まずは執務スペースの工事から始め、完成した6月にオフィスを先行して移転。その後、業務と並行してショールームの工事を進めるとともに、六本木の旧本社の原状復帰工事に入った。

ショールームをつくるにあたっては、ブランドの世界観をどう表現するかが課題だったという。アメリカ本社のショールームを視察したトダ氏は、本社での展示・演出手法を取り入れるため、本社ショールームと店舗内装を手掛けているアメリカの設計施工会社に什器製作を委託し、部品を日本に持ち込んで組み立てるノックダウン方式を採用した。「日本側設計者との綿密なやりとりのうえで現地製作してもらいました。インチとセンチで異なるうえに、さまざまな法規制の異なる日本向けの什器製作は、彼らにとっても大きなチャレンジだったと思います」(トダ氏)。

オフィス
オフィス

スケッチャーズのショールームは、シューズの1足1足を魅力的に見せるための工夫が満載だ。壁面いっぱいにシューズが展示されているが、商談客は壁面のシューズを歩いて見て回るだけではない。商談客には部屋中央に置かれた大きなテーブルに着席してもらう。営業担当者が提案するシューズを1足ずつ手に持ち、商談客の目の前で説明しながら見せる。このときシューズにスポットライトが当たり、シューズを引き立てる仕掛けだ。また、部屋の隅には小さなステージが設けられていて、ここでモデルが実際にシューズを履いた足元をライブカメラで撮影し、正面の60インチのスクリーンに映し出すことができる。

こうした本社ショールームの展示・演出手法を取り入れる一方で、日本仕様に合わせた部分最適化も行った。建物のフロアはアール状のため、部屋のレイアウトが難しいが、それを逆手に取って大きさや形状の異なる7つの部屋を配置。テーブルや椅子の高さは日本人の身長に合わせて低めに設定したほか、36階からの眺望を生かすため、ショールーム内にも大きな窓を設置した。執務スペースとの境をガラス張りにしたのは、オフィスの奥まで見渡せるようにすることで、商品だけではなくその供給をバックアップする組織を同時に見せるためのアイデアだ。これらの創意工夫によって、スケッチャーズの世界観を維持しながらも、日本法人の独自色が光るショールームが完成した。

「完成まで比較的スムーズに進みました」とトダ氏は振り返る。実はショールームの工事期間中にも商談会を行った。あえて未完成の部屋にシューズを展示し、商談客を呼ぶことで、ショールーム完成への期待感の醸成を狙ったのだ。「工事現場らしく木材をかついだマネキンを置いたり、はしごの間に棚板を置いてシューズを展示したりしたところ、お客様には好評でした。工事道具を片づけなくていいので、工事関係者の協力も得やすかったです」(トダ氏)。

完成後の2017年1月、改めて開いたお披露目パーティには、得意先や関係者など2日間で延べ200名が訪れた。アメリカ本社からもオーナーを含む幹部9名が駆けつけ、完成を祝うとともに、日本市場への意気込みを改めて宣言。「汐留という立地で、しかもランドマークビルの36階にシューズメーカーがショールームを完成させたことに、得意先様は一様に驚かれていました。スケッチャーズが日本市場を真剣に考えていること、バイヤーの方々にとって信頼に足るパートナーであることをしっかりアピールできたのではないかと思っています」(トダ氏)。

パーティー パーティー パーティー

新ショールームオープニングパーティー2017年1月17日、18日

社員のモチベーションを向上させホスピタリティも醸成するオフィス

ショールーム
ショールーム

今回の移転は、社員や直営店スタッフのモチベーションアップにもつながったとトダ氏は感じている。移転に伴い、オフィス環境は大きく改善。新本社ではパーテーションの低いオープンレイアウトを採用し、コミュニケーションを取りやすくしたほか、室内のどこからも外の景色を楽しめるようにした。一人ひとりのスペースも広くなり、働きやすい環境が整った。「入口から執務室内が見通せるため、室内を常にきれいに保とうという意識や、お客様をお出迎えしようというホスピタリティの意識が社員の間で芽生えているようです。また先日、直営店スタッフ会議を新本社で行ったところ、このきれいなオフィスを見て驚いていました。同時に、『すごい会社で働いているんだ』という自社への誇りも感じてくれたようです」(トダ氏)。

スケッチャーズは、本拠地アメリカではシューズ市場でシェアNo.2のブランドに成長。他の主要国でもトップ3に入るほどの実力だ。「日本でもトップ3に入るのが当面の目標」と、トダ氏は意気込む。今回の本社兼ショールームの移転を成功させた今、得意先からの信頼と社員・スタッフのモチベーションは高まり、日本市場でのさらなる飛躍のための準備は整ったようだ。今後の同社の成長を見守りたい。

プロジェクト詳細
企業名 スケッチャーズジャパン合同会社
施設 本社オフィス、ショールーム
所在地 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター36階
人員 約40名(汐留本社)
展示 新商品サンプルシューズ3,500足
開設時期 オフィス移転:2016年6月 ショールームオープン:2016年11月
CBRE業務 プロジェクトマネジメント

 

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上記内容は BZ空間誌 2017年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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