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賃貸オフィス・事務所の記事

東北 - 賃貸不動産市場 2015年6月期

築浅ビルは順調に空室を消化、募集賃料の上昇傾向続く。

貸し手市場が加速

シービーアールイー(株)の調査によると、2015年6月期の仙台市の平均空室率は、前期(同年3月期)から0.1ポイント低下して7.3%となった。

仙台市内のテナント動向を見ると、今年度の新規開設のための20~30坪の動きは落ち着き、年末・新年度の従業員の増員を見据えた拡張の動きなどが出てきている。そのほかの目立った動きとしては、郊外からJR仙台駅周辺のオフィスビルへの移転が挙げられる。取引先が市の中心部に集まっていることや、営業が新幹線を使ったスタイルに切り替わってきていることが、倉庫と事務所を切り離し、事務所のみを中心部へ移す動きにつながっているようだ。全体的なテナント需要としては、依然前向きなものが多い。

2007年以降竣工の築浅物件は、引き続き順調に空室を消化している。築浅で大型面積を確保できる物件は少なくなっており、大規模移転を目指す企業にとっては、選択肢が少ない状況となっている。築浅物件の募集賃料は、空室消化が順調なことから値上げが続いており、JR仙台駅周辺の物件では、竣工当時に近い水準まで回復してきている。このような築浅物件の状況を受けて、既存の大型物件に対する注目度も一層高くなっており、賃料単価は徐々に上がってきているものの、順調に空室を消化している。

2016年はオフィスビルの新規供給がないことから、今後、貸し手市場の傾向はさらに加速していくものと思われる。

その他の東北各エリア主要都市でも、空室率は順調に低下している。仙台同様、各都市とも大型空室は品薄状況にあり、大規模面積を使用する企業にとっては難しいマーケットとなってきている。

店舗出店競争が激化

仙台の商業店舗では、引き続き出店意欲が旺盛である。アパレル・飲食・サービス店舗と、多種多様な業態が出店を目指している。ただ、アーケード商店街という狭いエリアに需要が集中しているため、出店競争は激化しており、年度末である3月末に出た解約物件も、ひと月ほどで後継テナントが決定するといった状況であった。

2016年には、JRの商業棟と「パルコⅡ」が竣工する予定である。仙台の商業マーケットに一層注目が集まるため、より出店競争が激しくなっていくことが予想される。

仙台支店 後藤拓己

相場表

種別 賃料(共益費込) 需給の動向 空室率
推移
仙台市中心部 12,000~15,000 円/坪 築浅物件や既存ランドマークビルの空室消化が順調に進み、空室率は緩やかな低下が続く。拡張移転や館内増床も引き続き多く見られ、前期同様前向きなマーケット動向ではあるが、次第に大型の面積が取りづらい状況となってきている。 横ばい
郡山市 9,000~13,000 円/坪 各物件ともに稼働率は高水準にあるため、需要はあるものの、希望の面積が取りづらい状況が続く。 -
盛岡市 9,000~11,000 円/坪 新耐震物件、特に盛岡駅近くの物件を中心に空室が減少。大型面積を確保できる空室も少なくなっている。しかし、賃貸条件の見直しまでには至っていない。 -
倉庫・配送センター
注文建築
3,500~4,500 円/坪 大型倉庫の竣工や年末にかけての完成予定物件も増えてきているが、現時点では引き続き供給が不足しており、二次空室の発生が待たれる状況となっている。 -
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は BZ空間誌 2015年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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