さいたまエリアで空室率低下継続、大型面積確保は一層困難に。
大宮駅西口で需給逼迫
シービーアールイー(株)の調査による2016年6月期の「さいたま」の空室率は、対前期(同年3月期)比0.1ポイント低下して、2.1%となった。全国的に見ても非常に空室率の低いエリアであり、特に大宮駅西口エリアは需給がタイトな状況である。企業の増床意欲も旺盛で、一部大型ビルでは解約があっても外部募集に出る前に館内テナントで決定してしまうケースが散見される。また大宮駅東口エリアでは、道路拡幅に伴う立ち退き移転ニーズもあり、新規供給が当面無い中、さらなる空室率低下が想定される。
北関東の市況
「宇都宮」エリアでは、前期に竣工した「宇都宮DIビル」が、8年ぶりの設備水準の高いオフィスビル供給となり、駐車場を多数確保できる点も評価され、大手企業を中心に7フロア中5.5フロアが契約・内定している。残り区画に対しても複数の検討先があるようだ。100坪超のまとまった空室は少ない状況である。
「長野」エリアでは、今期目立ったテナントの動きは無いものの、しばらく募集停止をしていた物件の所有者変更があった。再度募集を開始する予定であり、それに伴う空室率の上昇が予想される。
「茨城」エリアでは、つくば駅周辺の空室が少なく、特にまとまった面積の確保は困難である。前期に隣の研究学園駅近くに新築ビルが竣工したが、希少な新築駅近物件として、大小を問わずニーズの受け皿になるものと予想される。
北関東では一部エリアを除き、駅周辺の中・大型ビルの需給はタイトな状況が続く見込みで、その空室動向が注目される。
ビル営業本部 西尾直樹
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相場表
種別 | 種別 | 賃料(共益費込) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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さいたま市 | 大規模ビル | 18,000~21,000 円/坪 | 大宮、さいたま新都心駅周辺の大規模ビルには空室がほとんど無くなった。中小規模の物件を含めても100坪超のまとまった空室がほぼ無い状態で、希望に合う移転先を見つけられないテナントが出始めている。当面新規供給の予定も無く、借り手にとってしばらくは厳しいマーケットとなりそうだ。 | |
中小規模ビル |
12,000~15,000 円/坪 |
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千葉 | 千葉駅 | 8,000~11,000 円/坪 | 千葉駅周辺は拠点統合等により一部で新規空室が増加したが、全体としてはほぼ横ばいで推移。駅前ビルの空室の中心面積は20~30坪で、100坪超の大型空室は極めて少ない。船橋駅前では依然として面積帯・グレードを問わず、物件確保が難しい状態が続いている。柏駅周辺でも引き合いは堅調である。50~100坪クラスの新規空室が散見されたが、40坪前後の需要が複数あり、分割対応にて比較的早期の空室消化が見込まれる。 | |
海浜幕張駅 | 9,000~10,000 円/坪 | |||
船橋駅 | 9,500~13,500 円/坪 | |||
柏駅 | 10,000~13,000 円/坪 | |||
茨城 | 水戸 | 7,500~10,000 円/坪 | 水戸への引き合いは少ない状況が続くが、駅徒歩5分圏内のビルには比較的需要が多い。つくばでも駅前ビルへの需要が多いが、選択肢が非常に限られる状態が続き、物件を探しづらいエリアとなっている。 | |
つくば | 10,000~13,000 円/坪 | |||
群馬 | 高崎 | 7,000~10,000 円/坪 | 高崎では前期に続き駅前に残っていた空室が消化され、駅から比較的距離のある物件でも40~100坪程度の空室消化の動きが散見された。前橋では同一エリア内での立ち退きによる移転で一部の空室が消化されたが、エリア外からの需要は少ない状態が続いている。 | |
前橋 | 5,000~7,000 円/坪 | |||
栃木 | 8,000~11,000 円/坪 | 3月に竣工した「宇都宮DIビル」は100坪を超える大型需要の受け皿となっており、空室の消化が進んでいる。一方でエリア内には空室を多く抱えた物件も点在しており、市況は改善されていない。 | ||
新潟 | 8,000~10,000 円/坪 | 新潟駅前を中心に10~20坪の小規模なニーズが散見され、空室率は若干低下した。また、古町の大型複合ビル「NEXT21」ではオ ーナーチェンジ、駅前の「マルタケビル」は取り壊しのためのテナント立ち退きが進むなど、今後を注視したい動きが出てきている。 |
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長野 | 8,000~11,000 円/坪 | 拠点の統合等により新規空室が出る一方で、15~30坪程度の動きが散見される。空室率は依然として高い。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。