解約や減床で、わずかに空室率は上昇するも、
コールセンター等の大型需要は引き続き堅調。
賃料相場は上げ止まりの感
札幌の2020年9月期の空室率は、対前期(6月期)比0.1ポイント上昇の0.7%となった。50坪未満の小規模区画で一部解約や減床等が見られ、わずかながら空室率が引き上げられた。100坪超の大型区画でもオフィスの見直しによる解約があったが、コールセンター等の大型需要は引き続き旺盛で、需給バランスは依然として逼迫している。
昨今の社会情勢から、各企業ともコスト意識が高まり、オフィス選定においても立地・賃料等で自社にとって適切な条件を検討するテナントが増えている。それによりこれまで上昇の一途だった想定成約賃料が上げ止まり、適正化された印象である。しかし、堅調なテナント需要と再開発・建て替えに伴う移転で床は埋まる見込みで、オーナー側も募集賃料の引き下げは考えていないようだ。
新規供給は、「S-BUILDING 札幌大通」が10月にほぼ満室で竣工した。また、2021年に札幌駅北口エリアに竣工予定の「(仮称)京阪北10西3南オフィス」(5月)、「(仮称)京阪北10西3北オフィス」(8月)の2棟にも引き合いがき始めており、今後の動向に注目したい。
札幌支店 成澤 結
- 現在募集中の札幌市の賃貸オフィス
種別 | 賃料(共益費込み) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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札幌中心部 大型ビル | 20,000円~23,000円/坪 | 各企業でオフィスのあり方を見直す動きが高まるなか、一部で解約が出る。ただし、IT系企業・コールセンター等で依然として100坪超の引き合いは多く、品薄状態が続いている。 | |
札幌中心部 大型ビル以外 | 14,000円~17,000円/坪 | 一部で解約、減床により50坪未満の小規模空室が表面化したことから空室率に動きが見られたものの、オフィス需要は堅調でマーケットに大きな変化は見られていない。 | |
倉庫・配送センター 既存 |
2,900円~3,300円/坪 |
札幌市内及び近郊でマルチ型賃貸倉庫が満床になり、既存物件の大型空室が消化された。今後は、需要の受け皿となる新規開発計画が具体化することに期待したい。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。