空室率0.4%と市場に空室はほぼなし。 新型コロナの影響で動きは鈍化の傾向。
コロナ影響下のオフィス市場
当社調べによる札幌の2020年3月期の空室率は、対前期(前年12月期)比0.1ポイント低下の0.4%となった。2020年3月に大同生命札幌ビルがほぼ満室で竣工。その他ビルでも大型テナントの動きがあったが空室は外部募集前に消化され、結果として空室率は低下した。業種にかかわらず依然としてニーズが増えており、これまで賃料に大きな変化がなかったミドルレントのビルでも、賃料相場が底上げされてきている。
しかし、札幌のオフィス市場でも、徐々に新型コロナウイルスの影響が表れ始めている。ホテルやインバウンド向けの店舗は、早い段階から観光客減少の影響を受けていたが、3月期に入り旅行会社など特定の業種で、賃借の判断を延期させる事例が見られるようになった。その他業種でも全体的に動きが鈍くなってきている印象。また、既存テナントからの賃料減額要請なども徐々に出始めているようだ。オーナーにより対応は異なるものの、各オーナーともビルの安全対策を講じつつ、政府の経済対策やテナント動向を見極めて判断することになりそうだ。先が見えない状況ではあるが、テナント・オーナーともにポストコロナを見据えた戦略が求められるだろう。
札幌支店 成澤 結
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相場表
種別 | 賃料(共益費込み) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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札幌中心部 大型ビル | 20,000円~23,000円/坪 | 大型テナントの動きがあるも空室は市場に出る前に消化。前期からの空室も消化が進み、品薄状態が続いている。 | |
札幌中心部 大型ビル以外 | 14,000円~17,000円/坪 | 新築ビル1 棟が供給されるも、ほぼ満室竣工となり、需給バランスは依然として逼迫している。 | |
倉庫・配送センター 既存 | 2,700円~3,200円/坪 | 築浅・大型物件で空室消化が進み、エリア全体として空室不足が継続している。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。