賃貸オフィス・賃貸事務所の記事

東京 - 賃貸不動産市場 2018年9月期

賃料相場

2018年12月13日

新築グレードAは高稼働率で竣工。 二次空室も含め大型空室は品薄状態。

働き方改革で移転需要増

2018年9月期の東京グレードAビルの空室率は0.9%で、対前期(同年6月期)比0.5ポイント低下した。今期竣工した「大手町プレイスイーストタワー」は90%以上稼働、「日本生命浜松町クレアタワー」はほぼ満室、「渋谷ストリーム」は満室で、それぞれスタートした。

2018年に竣工するグレードAビルと、2019年の竣工予定も含めた14棟の総賃貸オフィス区画のうち、すでに85%以上がテナント確保に目処がつきそうな状況である。グレードAビルへの移転による二次空室も、館内テナントの旺盛な増床ニーズでマーケットに出る前に消化されるなど、後継テナントの確保は順調に進んでいる。大型の移転では、2020年以降竣工のビルも検討対象とする必要が出てきた。

企業の移転ニーズは、好調な企業業績を背景に、引き続き業容拡大やビルのグレードアップを目的としたものが多く、拠点統合による集約移転も目立つ。業種では、ⅠT関連企業による集約や拡張、コワーキングスペースやレンタルスペースのオペレーターの新規開設需要が前期に続き多く、IT関連や人材サービス関連企業の大規模な新規開設も見受けられる。

ここ数年、人材確保に課題を抱える企業が多くなり、働き方改革の一環で移転を検討したり、タッチダウンオフィスとしてコワーキングスペースを契約したりする企業が増えている。需要増の一方で全てのビルグレードで空室が少ない状況が続いており、選択肢がかなり限られているため、物件によっては複数の企業で取り合いになることも珍しくない。

成約賃料の動向

全体的な品薄感は、想定成約賃料にも反映されている。グレードAビルは、ここ数年の大量供給で一時的に選択肢が増え、対前年同期比でわずかな上昇に留まった。しかし、空室率1%前後で、新規供給も限られるグレードAマイナスおよびグレードBビルでは、想定成約賃料が対前年同期比で3~4%ほど上昇している。

2019年は、グレードAビルの新規供給は谷間となり、二次空室を含め空室が少ない状況は続くだろう。一方、2020年以降の大量供給に備え、それまでの空室には堅実にテナントを誘致しておきたいビルオーナー側の心理が働くとするならば、賃料の大幅な上昇はなく、横ばいもしくは微増で推移するものと考えられる。

ビル営業本部 畠山 康行

相場表

種別 賃料(共益費込み) 需給の動向 空室率
推移
主要3区大規模ビル 35,000円~50,000円/坪 好立地の物件は賃料が高くても引き合いは多い。多少立地を妥協できれば、数は少ないが値ごろ感のある物件も。 低下
主要3区中小規模ビル 27,000円~30,000円/坪 大手オーナーがシリーズで展開しているハイスペック物件は、賃料が高くても引き合いが多い。 やや低下
周辺7区大規模ビル 25,000円~38,000円/坪 渋谷駅は再開発が進み、引き合いが非常に多い状況。その他のJRターミナル駅でも引き合いが多く、まとまった面積の空室は少ない。 やや低下
周辺7区中小規模ビル 18,000円~27,000円/坪 物件の動きが多く、条件の良い物件は複数の引き合いが重なり、取り合いになることもある。 横ばい
23区内大規模ビル 17,000円~24,000円/坪 もともと物件数が少なく、動きも少ない。駅から近くても、中心エリアの物件と比べて賃料上昇率は低い。 やや低下
23区内中小規模ビル 12,000円~16,000円/坪 物件の動きは少なく、エリア内のニーズが中心で、引き合いも少ない物件が多い。賃料の上昇もほとんどない。 横ばい
立川 11,000円~18,000円/坪 大型空室が分割されて成約となったため、空室率はやや低下した。賃料水準については横ばいが続いている。 やや低下
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

(注)主要3区=千代田、中央、港周辺7区=新宿、渋谷、文京、豊島、品川、台東、目黒23区内=左記10区を除く東京都内

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

上記の記事の内容は BZ空間誌 2018年冬季号 掲載記事 掲載当時のものです。

他カテゴリの記事を読む