リーマンショック以降もさほど賃料水準が下落せず、空きもあまり出ない高止まったマーケットと言える品川。
その理由の一つが、新幹線へのアクセスという優位性、代替性のないエリア特性である。
この意味で競合は東京駅周辺しかなく、同地との賃料格差がある限り競争力を持ち続ける。
加えて、街の新しさ、集積するビル群の規模・グレードと品川独自のエリアポテンシャルも後押し。
立地する企業群がソニーやNTTに代表される国内メーカー・通信・大手IT企業で、関連企業が多数集積していることなども、底堅さの要因となっているだろう。
オフィスマーケットからの視点で見ると、品川グランドセントラルタワーから三菱商事が退去する大型空室の発生が2年以上前から市場に織り込み済であり、この募集条件がオーナーのマインドを下支え。
ただ、2009年中頃から都内他エリアと比較して相対的な割高感が明確化し、既に相場感の低下してきた中小規模ビルとの賃料水準の格差も生まれ調整が図られた。
ただし、前述の通り、東京駅周辺のマーケットが復活してくると、とたんに優位性が出てくるエリアであり、現在、すでに賃料下落が起きる状況にはない。
2011年2月予定のマイクロソフト本社転入に加え、今後の羽田空港の拡充・国際空港化、芝浦水再生センター上部利用事業による超大型オフィスビルプロジェクト等々、品川のオフィスマーケットは、ここしばらく陰りを見せそうにない。