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賃貸オフィス・事務所の記事

横浜 - 賃貸不動産市場 2020年12月期

空室率は引き続き上昇傾向で推移。 今後のさらなる空室増加を懸念。

100坪以上の空室は苦戦

シービーアールイー(株)の調査によると、2020年12月期の横浜市オールグレードの空室率は2.1%となり、対前期(同年9月期)比0.1ポイント上昇と、前期からほぼ横ばいの数値となった。100坪以上の空室は、テナント募集に苦戦を強いられている印象だ。空室の増加に関して、新型コロナの影響は散見されるものの、現時点で、マーケットに与える影響は限定的と見られる。

エリア別に見ると、「横浜駅周辺」エリアの空室率は、前期から0.2ポイント上昇の4.7%となった。空室が続くビルでは、賃貸条件を優遇するなど、早期に空室を埋め戻すキャンペーンを打ち出している。

「みなとみらい」エリアの空室率は0.5%と、前期から横ばいとなった。店舗区画の空室は、リテナントが厳しい状況が続いている。しかしながら、オフィスには引き合いが多く、500坪前後の空室が成約に至る事例も見られた。

「関内」エリアでは、横浜市役所が入居していた多くの区画が、即日入居可能となった。一方で、100坪を超える面積帯の成約が いくつか見られた。同エリアにおいては、駅前の再開発が予定されており、さらなる発展の可能性に注目が集まる。

「新横浜」エリアでは、ワンフロア100坪以上のまとまった面積の募集が出ると、複数の入居希望が重なるケースもあり、変わらずマーケットは好調である。エリア内の移転も多かったが、今後、相鉄・東急の直通運転が予定されていることや、都心と比較して割安な賃料であることから、エリア外からの新規開設需要による動きも多かった。

「川崎」エリアでは、一部のビルで解約された大型区画が、空室率に大きな影響を及ぼしている。今後、いくつかの大型空室の予兆 があり、高騰したマーケットも、調整局面を迎えると予想される。

シェアオフィスの出店増加

昨年は、各エリアでシェアオフィスの新規出店が多く見られた。もともと事業展開していたコワーキング事業者、レンタルオフィス事業者のみならず、デベロッパー、鉄道会社等、意欲的な出店が増えている。新型コロナの影響でリモートワークやサードプレイスの必要性が高まったことが出店の追い風となった。一方、多くのエリアにおいては、今後空室が増えることが予見され、早期に空室を埋め戻すため、募集条件の見直しを考え始めるビルオーナーが増えることが予想される。

横浜支店 井澤 啓貴

種別 賃料(共益費込み) 需給の動向 空室率
推移
横浜大規模ビル 19,000円~28,000円/坪 横浜、みなとみらいエリアにて大型空室が成約するも、100坪前後の需要は引き続き少ない。 横ばい
横浜中小規模ビル 14,000円~17,000円/坪 20~30坪程度の空室消化は進んでいるものの、空室率を下げるほどのインパクトはない。 やや上昇
関内大規模ビル 12,000円~16,000円/坪 市役所跡の二次空室が顕在化し空室率は上昇。 やや上昇
関内中小規模ビル 10,000円~13,000円/坪 建替ビルからの移転やコスト削減移転で空室消化が進むも、空室率を下げるほどのインパクトはない。 横ばい
新横浜大規模ビル 12,000円~15,000円/坪 100坪以上の空室が顕在化したものの、以前からの需要により一部空室が消化され、需給動向に大きな動きはない。 横ばい
新横浜中小規模ビル 10,000円~14,000円/坪 20~30坪程度の空室消化は進んでいるものの、空室率を下げるほどのインパクトは見られなかった。 横ばい
川崎 大規模ビル 13,000円~23,000円/坪 大型空室が顕在化し、空室率に影響を及ぼしている。 やや上昇
川崎 中小規模ビル 12,000円~18,000円/坪 他エリアに比べ少し時間がかかっているが空室は減少傾向。空室率を下げるほどのインパクトはない。 やや上昇
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は BZ空間誌 2021年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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