埼玉：空室率4年ぶりに1％台へ上昇。
埼玉エリア、小規模区画活況
シービーアールイー（株）の調査によると、2020年12月期の「さいたま」エリアの空室率は、対前期（9月期）から0.8ポイント上昇し、1.1%となった。空室率が1%を超えるのは2016年12月期以来、約４年ぶりのことである。おもな要因として、「さいたま新都心」エリアにおいて発生した、まとまった面積の空室の影響があげられる。20～30坪程度の小規模区画については引き合いが活発である一方、100坪を超える区画については成約スピードが鈍化してきている。また一部大型ビルについては限定的ではあるものの、大手企業の部分解約の話も聞こえてきており、今後、100坪を超える大規模区画のリーシング動向が注目される。
千葉：主要駅周辺で空室率低下。
千葉エリア、今後の市場に注目
JR千葉駅・船橋駅・海浜幕張駅周辺では、空室消化の動きが複数見られた。そのため直近の動きでは空室率の低下傾向が見られた。ただし、今後いくつかの解約予告が見込まれ、空室が顕在化すると、空室率が上昇する可能性があり、予断を許さない状況となっている。
ビル営業本部 川名 雄巳 / 西尾 直樹
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相場表
| 種別 | 種別 | 賃料（共益費込み） | 需給の動向 | 空室 率推移 |
|---|---|---|---|---|
| さいたま市 | 大規模ビル | 20,000～30,000円/坪 | ■大宮・さいたま新都心エリアでは、まとまった空室が発生し空室率は若干上昇。100坪を超える面積の空室は限られるが、コロナ禍で企業は判断しづらいのか成約スピードは鈍化。一方、20～30坪の引き合いは活発。■浦和エリアでは今年竣工予定のビルは全区画申込済、その他物件も各面積帯で順調に空室消化が進み、需給はタイトな状況が続く。 |  |
| 中小規模ビル | 13,000～18,000円/坪 |  |
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| 千葉 | 千葉駅 | 8,500～13,000円/坪 | 新規や拡張で20～40坪の空室消化が進み空室率は若干低下。コロナ禍による解約は少なく、サテライトオフィスの拠点としての検討増加。 |  |
| 海浜幕張駅 | 9,000～11,000円/坪 | 館内増床や立地改善による若干の空室消化はあったが大型空室の予定も出ており、面積帯に関わらずテナントにとって選択肢が多い状況が続く。 | |
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| 船橋駅 | 11,500～16,000円/坪 | 依然として需要は多く40坪を超える空室はほとんどない。成約事例は多くないもののサテライトオフィスの候補として挙げる企業が多く、今後も空室が少ない状況が続きそうだ。 | |
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| 柏駅 | 13,000～15,000円/坪 | 20～30坪の面積帯以外はニーズが少なく空室が長期化しているため、分割を検討するビルが散見される。 | |
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| 茨城 | 水戸 | 7,500～10,000円/坪 | 目立った動きはなく、高い空室率が続いている。コロナ禍による解約の動きが散見され、今後さらなる空室率の上昇が予想される。 | |
| つくば | 12,000～15,000円/坪 | 百貨店跡をオフィス化した大型供給の算入により空室率が上昇したものの、引き続き高稼働を維持しているビルが多い。 | |
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| 群馬 | 高崎 | 8,500～13,000円/坪 | 動きは少ないがいくつか解約予兆があり、空室が出てくる可能性がある。テナントにとって選択肢が限られていたが状況の改善を期待したい。 | |
| 前橋 | 5,000～8,000円/坪 | 依然需要は低迷しており、空室は長期化している。大きな動きはなく、引き合いも依然多くない状況が続く。 | |
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| 栃木 | 8,000～13,000円/坪 | 宇都宮エリアへの新規出店や前向きな移転の需要は引き続きあるが、撤退の動きも若干あり空室率はやや上昇。ただし駅前の物件には引き合いがあり、賃料目線は横ばいで推移すると考えられる。 | |
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| 新潟 | 9,000～12,000円/坪 | 新規出店する企業の増加やビルの老朽化に伴う移転の動きが少しずつ増え始め、駅前エリアや古町エリアの空室消化が見受けられた。今後もその傾向が続くものと思われる一方でコロナ禍による拠点閉鎖も散見される。 |  |
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| 長野 | 8,500～11,000円/坪 | 長野市内中心部では、空室消化したビルが一部あるものの、サービス業の事務所を中心に解約・撤退する動きがある。中・大型の空室を抱える物件の大半は長期化しており、厳しい状況が続いている。 | |
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| 空室率推移凡例： |  |
上昇 | |
やや上昇 | |
横ばい | |
やや低下 | |
低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー（株）社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。
