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賃貸オフィス・事務所の記事

東北 - 賃貸不動産市場 2020年12月期

空室率は上昇傾向。コロナ禍で企業はマイナスの動きを本格化。

縮小ムードのマーケット

2020年12月期の仙台市のオフィスマーケットの空室率は2.3%と、前期(同年9月期)より0.3ポイント上昇した。

猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、前期は停滞していたマーケットだったが、今期は解約や一部減床の動きが見られている。

昨年の初秋頃は、主に小規模な事業所の撤退が見られたが、その後は、比較的大規模な事業所の統合や一部減床、縮小移転が見られ、その流れは、現在も続いている。

支店経済都市と位置づけられる仙台は、東京等にある本社の動きと連動し、若干のタイムラグがありながら、このような動きが本格化している。

しかし、全体的に縮小ムードのマーケットの中でも、新たに出店の動きを見せるケースもある。具体的には、コールセンターの新規開設や、現入居ビルでの館内増床といった動きのほか、国の施策に関する相談窓口という形の出店である。

募集条件緩和の動き

ビルオーナーは、募集賃料の引き下げや、従前に設定していた条件交渉範囲の下限を、引き下げる動きを見せている。こうした動きにより、新型コロナウイルスの影響による縮小移転の受け皿になったり、もともと水面下で移転を検討していた企業が、手が届く賃料水準になったことで、動き出したりすることも想定される。

一方、昨年竣工したビルは高い稼働率で、今年竣工予定のビルについても高い内定率を見せている。新築ビルの成約の要因はさまざまであるが、大きく動きを見せた企業の中には、いくつかの拠点集約や、ある程度年数の経過した現拠点の設備更新を模索した結果、限界を迎えたことから移転する、という動きが見られた。仙台中心部のオフィスマーケットエリアでも、竣工からかなり年数を経過したビルや、旧耐震のビルが多い。今後、それらからも、同様の動きが出てくることが予想される。そうしたタイミングで、幅広い選択肢がなければ、都市としての魅力が不足していると見る企業も出てくるだろう。

今年竣工のビルに続く大型開発としては、2023年の「(仮称)NTT中央ビル」がある。それ以外にも、コンスタントに都市としての新陳代謝を行うことで、東北の中心地としての魅力を発信し続けてほしい。

仙台支店 山本 和良

相場表

種別 賃料(共益費込み) 需給の動向 空室率
推移
仙台市中心部 13,500円~16,500円/坪 小規模な面積帯の動きは新設・移転とも継続している。一方、大型空室または高価格帯の物件は引き合いが弱くなりつつあるため、賃貸条件について柔軟に対応する貸主が増え始めている。 横ばい
郡山市 9,000円~11,000円/坪 エリア全体に動きがなく空室率はほぼ横ばいである。若干空室が増えているが、マーケットに影響を及ぼすほどではない。 横ばい
盛岡市 9,000円~11,000円/坪 撤退・拠点集約などの動きが見られたため、空室率が上昇した。大型の空室は少ない状況であるが、引き合いも弱いため、柔軟な対応をとる貸主が増えている。 上昇
倉庫・配送センター・
注文建築
3,000円~5,000円/坪 宮城・岩手・福島で大型施設の開発計画の検討が始まり、市場が活発な動きを見せている。昨年末福島で竣工した大型施設はすでに3/4が稼働し、市場の活況を裏づけていると言える。中小型施設の空室が一部出てくるようになり、市場が活発化する要素が集まり始めた印象が強まっている。
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は BZ空間誌 2021年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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