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賃貸オフィス・事務所の記事

東北 - 賃貸不動産市場 2018年12月期

空室率は過去最低の2%台に。 マーケット全体に賃料上昇の動き。

募集賃料・継続賃料ともに上昇

シービーアールイー(株)の調査による、2018年12月期の仙台市中心部の空室率は、対前期(同年9月期)比0.6ポイント低下の2.4%となり、5期連続で過去最低値を更新した。

前期に続き、自社ビルの建て替えに伴う需要が、大きな空室消化につながった。また、現在入居中のビル内に空室がないため、外部の物件に分室を設けたり、新規事業として市内の別物件に拠点を構えるなどのテナントの動きが見られた。さらに、マーケット調査対象外の郊外エリアから市内中心部へ拠点を移す動きや、市内での新規開設の動きもあり、需要は非常に旺盛である。引き続き、館内増床ニーズも多く、入居ビルに空室が出ることを待っているテナントも見られる。解約が出ると、館内テナントからすぐに手が挙がり、外部募集に至らないケースも多数あった。

築浅・大型ビルにおいては、募集賃料の上昇が顕著で、既存の中規模ビルにおいても、空室消化に伴い値上げを行うビルが増えている。マーケットの賃料上昇の動きは、もはや一部の大型ビルだけのものではなく、他のビルにも広がってきており、既存の入居テナントに対しても賃料値上げが積極的に行われている。テナントサイドとしては、オーナーからの提示賃料がマーケットと比べて妥当なものであるかを見極め、移転という選択肢の是非を考える上でも、マーケットの動向を把握し、情報を常に入手していくことが一層重要になってきている。

2020年に待望の新規供給

今年は、新築オフィスビルの竣工予定がなく、タイトなマーケットが続くことが見込まれる。そのため、当然ながら、移転や新設を検討している企業は、物件情報の収集のみならず、希望条件に見合った物件が出てきた際に、迅速な判断ができるような体制を整えておく必要があるだろう。

2020年には、花京院エリア、仙台駅東口エリア、大町エリアに新規供給が予定されている。待ちに待った新規供給であるが、それ 故に、既存の大型ビルや仙台のマーケット全体に与える影響は大きい。満室までの期間や成約賃料、決定テナントは移転なのか、新規開設なのかといったその動向が注視されている。

仙台支店 後藤 拓己

相場表

種別 賃料(共益費込み) 需給の動向 空室率
推移
仙台市中心部 13,000円~16,000円/坪 今期も空室率は低下した。引き続きニーズは拡張や業務効率改善など前向きな理由が多く、2019年も継続して面積確保が困難なマーケットとなるだろう。一方で2020年以降竣工の新規供給がいくつか見えてきており、その影響に期待したい。時期はまだ先だが、すでにいくつか具体的な話も聞こえてきている。 やや低下
郡山市 9,000円~13,000円/坪 テナントに特に目立った動きはなく、依然として落ち着いている。賃貸条件も同様で、賃料改定の動きはなく、横ばいの状況。 横ばい
盛岡市 9,000円~11,000円/坪 中規模物件の空室が消化されたことで、空室率は若干低下したが、全体としては動きが少なく落ち着いたマーケットとなっている。 やや低下
倉庫・配送センター
既存
3,000円~5,000円/坪 空室が枯渇する状況は続くも、一部エリアには潜在的な新規空室が出始めている。テナント側にも中~大型の需要が出てきており、マーケットが活発化する兆しが感じられる
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は BZ空間誌 2019年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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