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賃貸物流倉庫・大型貸し倉庫の記事

ビジネスの推進力になる「マルチテナント型冷凍冷蔵倉庫」という挑戦

日本GLP株式会社 営業開発部 グループリーダー 駒俊志 氏

私たちの暮らしになくてはならない社会インフラの一つ「物流」。

経済活動の始点である「生産」と終点である「消費」の間を繋ぐこのシステムによって、私たちの暮らし、そして日本、世界が支えられていると言っても過言ではありません。

つまり、物流を考えることは、私たちの未来を考えることになります。

この連載では、世界100カ国以上で事業用不動産サービスを展開するCBREグループの日本法人であるシービーアールイー株式会社が、日本国内の注目すべき物流用不動産をご紹介しつつ、そこから見える私たちの未来を考えていきます。

GLP 神戸住吉浜

GLP 神戸住吉浜(2025年2月末竣工予定) https://www.glp.com/jp/list/kobe-sumiyoshihama/

連載の五回目は、「マルチテナント型の冷凍冷蔵倉庫」という新たな挑戦についてお話を伺いました。

ECをはじめとした食品の個配が拡大するにともなってその需要は高まる一方でありながら、高額な初期投資や物件の不足によってそれに応えるだけの供給が不足していた冷凍冷蔵倉庫。

そのマーケットに、小さな区画からも借りることのできる「マルチテナント型」という新たなソリューションで挑んだ日本GLPのストーリーをご紹介します。

駒 俊志

日本GLP株式会社 
営業開発部
グループリーダー

大手不動産管理会社を経て、2012年より同社。2017年に新設の食品グループのリーダーとなり、現職。ドライ(通常倉庫)チームのグループリーダーも兼務する。

日本GLP株式会社 営業開発部 グループリーダー 駒俊志 氏

伸びる冷凍冷蔵倉庫と逼迫する倉庫の供給

― 今日はよろしくお願いします。この連載で冷凍冷蔵倉庫のお話を伺うのはこれが初めてとなりますが、マーケットの現状や今後の予測についてまずはお聞かせください。

日本GLP株式会社

駒氏:はい。さまざまな要因から冷凍・冷蔵ともに倉庫の需要は増しているのですが、特に冷凍の需要は急速な高まりを見せています。

ここ数年ずっと成長を続けているECでは、冷蔵よりも日持ちがして保存しやすい冷凍食品の需要が高まっていますし、2016年頃から爆発的な伸びをみせているふるさと納税も、人気返礼品の多くが冷凍のお肉や魚介類です。

また、コロナ禍を経て自宅で食事をする機会が増えた家庭も多く、個人向けのセカンド冷凍庫も非常によく売れているといいます。それだけ冷凍食品の家庭向け需要が増えているということです。

― 最近はスーパーマーケットなどによる冷凍食品売場の拡張や個別配送(個配)もかなり増えましたよね。

駒氏:そうですね。それも需要が伸びている1つの理由です。少子高齢化で共働きの家庭や高齢のご夫婦だけで暮らしている家庭も増え、調理の手間がかからない冷凍食品や、買い物に行かずとも宅配してもらえるネットスーパーが売上を伸ばしています。

ネットスーパーについては、いまは実店舗から店舗スタッフがピックアップして個配するスタイルが多いそうですが、今後の伸びを見据えて大手スーパーマーケットでは専用倉庫を建設する動きも出始め、実際弊社でも成約事例が出ています。

ネットスーパーでも、もちろん冷凍冷蔵商品を多く扱うわけなので、冷凍冷蔵倉庫の需要全体が大きく伸びているのです。

― しかし、倉庫の供給には問題があった?

日本GLP株式会社

駒氏:そうです。大手冷凍食品メーカーの物流子会社や冷凍倉庫会社が自前で持っているもの以外には、賃貸型全館冷凍冷蔵倉庫というのはほとんど存在しておらず、また小売業や中小の物流会社がそこへ間借りのような形で入居するのも契約内容や使い勝手の面で簡単ではない状態でした。

なので、従来から弊社で提供しているようなドライ(編注:冷凍冷蔵倉庫に対して一般的な荷物を扱う倉庫をドライと呼ぶ)の大型倉庫を借り、自前で冷凍冷蔵設備を導入して使うという方法がこれまでは一般的でした。

しかし、それにも大きな初期投資と退去時の原状回復工事費用がかかるため、特に中小の物流会社にとっては手を出しづらいものでした。

そこで、マルチテナント型(編注:賃貸マンションのように大きな倉庫に複数の荷主が入居するスタイルの倉庫のこと)の冷凍冷蔵倉庫を作れば需要があるのではないかと考えたのです。

顧客とのキャッチボールから始めた 過去に例を見ない挑戦

― これまでそのような倉庫が存在していなかったということは、きっと何かハードルがあるのだと思いますが、実際いかがでしたか?

日本GLP株式会社

駒氏:実際、挑戦の連続でした。大前提として、ドライと比較するとお客さまの幅がぐっと狭まるのでデベロッパーとして倉庫を埋めることができるか、という課題があります。

また、ドライの倉庫と比べると建築費は倍近くかかりますが、相対的に単価の低い食品が荷物の中心となる冷凍冷蔵倉庫で賃料を単純に倍にすることは現実的ではない、という課題もあります。ニーズとコストとのバランス感覚、そしてそれでも借りたいと言って頂けるコンセプトや仕様を生み出せるか、これが非常に難しかったです。

そこでまずは、弊社がちょうど開発予定であった流山と相模原のドライマルチテナント型倉庫の一部に、お客さまと相談しつつ作り付ける形で冷凍冷蔵倉庫を弊社負担で設置したところ、これが思いのほかご好評いただきました。

そこで着手したのが、2024年3月に竣工予定の「(仮称)六甲プロジェクト」と2025年2月末に竣工予定の「GLP神戸住吉浜」です。これらが弊社として初めての、お客さまがいない段階で開発する冷凍冷蔵倉庫であり、また特にGLP神戸住吉浜は、他に類を見ないマルチテナント型全館冷凍冷蔵倉庫となります。

― 実際に建設するにあたっては、どのようなハードルがありましたか?

日本GLP株式会社

駒氏:まず当たったのは、ノウハウ不足の壁です。さきほどもお話ししたように全館冷凍冷蔵の倉庫は自社開発・自社所有の倉庫が多いため、デベロッパー開発の物件は無いに等しく、ノウハウが無い状況でした。

なので、まずはお付き合いのあるお客さまから頂いていたご要望をベースに「こんなコンセプト・レイアウト・仕様だとどう思いますか?」とキャッチボールしてニーズを把握するところから始め、併せてゼネコンだけでなく、防熱や空調の設備会社にもヒアリングを重ねることで、だんだんと実現可能なラインが見え始めたという感じです。

どのような温度帯を求めるお客さまが多いのか、出入りするトラックは10トン車を想定するべきか、4トン車か、その比率は、倉庫の奥行や荷捌きスペースとの比率はどのくらいが適切か… 数々の検討事項をそうして1つずつ確定させていき、いまがあります。

冷凍冷蔵倉庫に求められる立地と苦悩

― そうした仕様もさることながら、立地の問題もありますね。ドライの倉庫であれば湾岸から圏央道の外側などもひろく候補地となりますが、冷凍冷蔵倉庫の場合はどうでしょうか?

日本GLP株式会社

駒氏:そうですね。冷凍冷蔵倉庫に収められる荷物は食品が中心で、ご利用になるお客さまも小売業の方が多く、店舗へ1日に複数回の配送をされる場合が多いんですね。なので、店舗が多くある人工集積地に素早くアクセスできる一等地が求められます。

この立地の問題が一番の難所だったかもしれません。先ほどもお話ししたように、立地が賃料に跳ね返るようだとお客さまのニーズからは外れてしまいます。しかし、人工集積地から遠いのも論外です。その上、我々が挑戦しようとしていた「マルチテナント型の冷凍冷蔵倉庫」を建てられるような広い土地である必要もあります。

つまり、好立地で広く、その上で適切な価格である必要もある。このバランスは本当に難しかったですね。

お客さまとの対話の中で「そんな倉庫があれば是非借りたい」と言って頂けていたこと、そして流山と相模原でのテストケース成功に背中を押され、思い切った投資に踏み切ることができました。

「マルチテナント型の冷凍冷蔵倉庫」が見せる新たなビジネスの拡大

― そのような経緯があり、「(仮称)六甲プロジェクト」も「GLP神戸住吉浜」も自信をもって発表できるものになられたのだと思います。今後、どのように活用されていくとお考えですか?

日本GLP株式会社

駒氏:これまで、賃貸型の冷凍冷蔵倉庫は本当に数が少なく、また借りるにしても初期投資や退去費用が大きすぎるということで諦めてきたお客さまがきっといらっしゃると思います。そのボトルネックを排除して、お客さまの挑戦環境を作ることができれば嬉しいですね。

コスト面で言えば、弊社のマルチテナント型の冷凍冷蔵倉庫はドライの倉庫に冷凍冷蔵設備を自社かつ後付けで入れるよりも使いやすい仕様です。また、マルチテナント型で契約期間もドライ同等で考えていますので、短い契約期間のご利用なら、間違いなくコストメリットが活きてくるはずです。

さらに、区画サイズも豊富にご用意しているので、まずは小さい区画から始めて様子を見るということもできます。

とくにGLP神戸住吉浜なら使い勝手の良いコンセプト・仕様の冷凍冷蔵倉庫を最低契約期間が5年前後と、ドライ同等の契約期間で借りられるということにメリットを感じて頂けるのではないでしょうか。

なので、まずはここで新しいビジネスにチャレンジして、軌道に乗ったら一棟専用の倉庫を借りる、または自社倉庫を持つ。そういった流れが生まれてくるかも知れません。

― 新しいビジネスといえば、最近は個人宅向けだけでなくオフィス据え置き型の冷凍庫・冷蔵庫に配達される食品ビジネスが増えてきている印象です。

駒氏:そうですね。そういった場合も、人工集積地へのアクセスがよい弊社の冷凍冷蔵倉庫はお役に立てると思います。

他にも、弊社が想定していないような新たなビジネスを考えていらっしゃるお客さまと出会えるかも、とわくわくしているところです

そして、ありがたいことにGLP神戸住吉浜は竣工まで1年半を残して約9割が埋まっている状況です。

はじめてのマルチテナント型の冷凍冷蔵倉庫には産みの苦しみもありましたが、それを活かして今後も日本全国に展開していこうと思っていますし、GLP神戸住吉浜・(仮称)六甲プロジェクト以外にも関東・関西で同様の計画があります。新たなニーズに対応し、新たなビジネスの生まれる場となれることを願っています。

― 今日はありがとうございました!

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