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株式会社オールアバウト

ケーススタディ

2013年5月24日

分散したフロアが社内コミュニケーションを分断─
社員のパフォーマンスを最大限に引き出すワンフロアオフィスのメリット

株式会社オールアバウト

いわゆる「風通しの良さ」。それは成長する企業に共通するキーワードである。知識・情報の共有化による業務効率の改善はあらゆる企業にとっての重要 な課題であり、その基盤となるのが社員間の「コミュニケーション」であることは言うまでもない。そして、オフィス環境がコミュニケーションを左右すること もまた事実である。

株式会社オールアバウトが、なぜ、わずか2年足らずでオフィス移転に踏み切ったのか。重要課題をどのように解決したのか。その足跡を追ってみた。

固定費削減を目指して移転を実行。だが、社員からは不満の声が・・・

株式会社オールアバウトは、専門ガイドによる総合情報サイトの運営と、インターネット広告事業などを手掛けている。その独自のアプローチから話題を集め、2000年6月の創業以来、着実に業績を伸ばしてきた。
これに伴いオフィスも、創業時から約9年の間に3度の移転を行っている。

その同社に大きな転機が訪れたのは2009年10月。都合4つ目のオフィスとして、創業以来、拠点としてきた恵比寿を離れ、渋谷のビルに移転したと きのことだ。固定費削減を目的としたこの移転では、これまでずっと守ってきた「ワンフロアの執務環境」を、2フロアに分散させたのである。

「当時の移転の最重要課題は固定費の削減、この一点でした。180名ほどの人員をワンフロアに収容できるようなビルは、賃料も共益費も高い。この際 だから2フロアでもかまわない、駅から離れても仕方がないという判断でプロジェクトを進めました。結果、確かに固定費削減という目標は達成できたのです が、別の問題が持ち上がってきたのです」
経営管理部マネジャーの佐藤達也氏は、こう振り返る。

まず問題になったのが、駅からの徒歩時間だった。駅前の歩道橋を渡って徒歩約10分の距離は、一般的には決して遠いとは言えないだろう。だが、それ までは駅から3分ほどのオフィスにいた社員にとって、負担を感じるには十分な距離だとも言える。そのため、通勤時はもちろん、営業時の利便性を左右される 営業・編集部門の社員から、早速不満の声が上がった。
しかしその後、駅からの距離よりも、同社にとってさらに重要な問題が顕在化したのである。

最重要課題となったコミュニケーションの回復。早期の移転を決意

当時のオフィスは、5階にスタッフ部門、システム部門、新規事業部の50名強の執務スペースと来客用スペースがあり、6階には営業部門、編集部門の約100名が働いていた。
2フロアに分散させたことで社員間のコミュニケーションが著しく低下してしまったのだ。
「社員間のコミュニケーションは、江幡(代表取締役社長 兼 CEO 以下、CEO)がもっとも重要視していることなのですが、これまではずっとワンフロアだったために、当たり前に行われてきました。それが、顔が見えなく なったことで急に滞るようになった。分散フロアの弊害が顕著になってしまいました」(前出佐藤氏)

取引先からは、ことのほかミーティングが多い会社として知られている。何か問題があれば、すぐに活発な意見交換が行われ、即座に解決してきた。ま た、日常のなにげない会話から、優れたアイディアが生まれることも少なくない。そうした環境を阻害されたことが問題視されたのは当然である。このため、 CEOからは移転後約半年で、次の物件を探すよう指示が出された。

提案とヒアリングを積み重ねて候補地を絞り込む

移転後わずか1年余りで持ち上がった引越話だったが、2010年11月にはより具体的な計画としてプロジェクトがスタート。物件探しが始められた。

同社の創業時から取引があり、継続的にオフィスマーケット情報を提供してきたCBREは、相談を受け、

の2点が重要であることを確認。取引先の広告代理店が集まる新橋周辺や、新宿などのオフィス街を含めた20余りの候補物件を提案した。
だが、CEOがブランディングを重視し、青山、表参道、恵比寿界隈、なかでも創業地である恵比寿に対して特別な思いがあることを掴んだ。前回の移転時より もさらに需給が緩和して当該エリアも賃料水準が低下していることを、マーケット定点観測等の資料をもとにアドバイスし、新たに6物件を提案。さらに賃料な どを考慮して3物件に絞り込んだ。

そのなかで決定したのが、現在入居する「恵比寿東急ビル」である。築15年が経過しているものの、外観、内観ともに高水準であること、駅から徒歩5分の距離にあること、そしてもちろんワンフロアに集約できるという条件を満たしている。
決定当時は前テナントが1棟借りしていたが、入居中であるにもかかわらず内覧でき、前テナント退去後は原状回復工事を省いて内装工事に着手できるなど、無 駄な工程が少なく、また自由度が高かったことも大きな決め手となった。ビル設備面では、早朝から深夜までの24時間、カードキーだけで社員が出入りできる ことも、重要なポイントであった。

  • ワンフロアで約180名が執務可能なオフィス
  • 駅から近いこと

の2点が重要であることを確認。取引先の広告代理店が集まる新橋周辺や、新宿などのオフィス街を含めた20余りの候補物件を提案した。
だが、CEOがブランディングを重視し、青山、表参道、恵比寿界隈、なかでも創業地である恵比寿に対して特別な思いがあることを掴んだ。前回の移転時より もさらに需給が緩和して当該エリアも賃料水準が低下していることを、マーケット定点観測等の資料をもとにアドバイスし、新たに6物件を提案。さらに賃料な どを考慮して3物件に絞り込んだ。

そのなかで決定したのが、現在入居する「恵比寿東急ビル」である。築15年が経過しているものの、外観、内観ともに高水準であること、駅から徒歩5分の距離にあること、そしてもちろんワンフロアに集約できるという条件を満たしている。
決定当時は前テナントが1棟借りしていたが、入居中であるにもかかわらず内覧でき、前テナント退去後は原状回復工事を省いて内装工事に着手できるなど、無 駄な工程が少なく、また自由度が高かったことも大きな決め手となった。ビル設備面では、早朝から深夜までの24時間、カードキーだけで社員が出入りできる ことも、重要なポイントであった。

ワンフロア化がもたらすメリットを最大限に享受

こうして物件が決定したのは2011年4月。入居予定は2011年9月末と、約半年間の移転プロジェクトである。当時、150名の人員に170席のレイアウトと余裕をもって入居したが、現在はすでに満席となっている。
トータルの専有面積は少々狭くなったものの、分散していたスペースの無駄を省いたことで、以前にはなかったラウンジや喫煙所など、人が集まる場所を確保で きた。昼食時などに多く利用されるラウンジには、テレビも設置してある。また、気軽に意見交換ができるように、スタンディングのミーティング・スペースも 用意されている。

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「コミュニケーションと業務効率の関係は、定量化できる要素ではありませんが、社内の雰囲気が一変したことは間違いありません。特に、わざわざ一番 遠い席からでも集まって、CEOと直接話をする社員が目に見えて増えています。社内の風通しが良くなることで、さらに業績も上がるものと確信しています」 と佐藤氏は語る。

CEOの英断で社内コミュニケーションを飛躍的に改善させた同社の、今後の業績の拡大が期待される。

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