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Willbox株式会社|成長ベンチャーに訊く

  • 2024年11月14日

カルチャーを育む空間としてのオフィス。お客様にも我々の成長を一緒に体感してもらいたい。

Willbox株式会社

国際物流の課題解決を目指し、最適な物流業者とのマッチングサービスを提供するWillbox株式会社。横浜みなとみらいのコワーキングスペースの1台のデスクからスタートし、会社の成長段階に合わせてオフィス移転を行ってきた。上場を目指すスタートアップのオフィス戦略について、神一誠代表に訊いた。

Willbox株式会社
代表取締役
神 一誠

Willbox株式会社 代表取締役 神 一誠氏

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Willbox株式会社

家業の3代目が、物流業界の課題解決のために起業

Willboxは、「国際物流をより最適に、よりスマートに。」をミッションに掲げ、荷主と物流事業者の最適なマッチングを提供するプラットフォームを開発・提供しています。私は元々、求人広告業界にいましたが、家業でやりたかったビジネスモデルを実現するため、2019年11月に起業しました。

祖父が始めた家業は、大型産業機械の輸出用の梱包箱を製作する会社で、今年で創業60周年を迎えます。初めは継ぐつもりはなかったのですが、ある時父親に誘われて、3代目として入社することになりました。するといきなり台湾の工場に飛ばされて(笑)、2年間、地元の職人たちに交じってトンカチを片手に木箱を作っていました。現場では各貨物に合わせた個別の梱包が必要で、それには熟練した技術が必要です。梱包ノウハウを学ぶ中で見えてきたのは、属人化された梱包情報が複雑な国際物流フローの中で共有されにくく、非効率な物流業界の構造でした。

そこで私は、梱包情報を軸に荷主と物流業者を直接マッチングできる仕組みを作れば課題を解決できると考え、父親にプレゼン。すると、父親も同じことを考えていたようで、「それは自社のためだけでなく、業界のためにやるべき仕事だから、今すぐ会社を辞めなさい」と言われて、それが起業のきっかけになりました。初めは140万円ほどの貯金をはたいてシステムを外注したものの、うまくいかず、資金が尽きる状態に。それで台湾に居ながら日本のベンチャーキャピタルに連絡を取り、出資が決まった段階で、日本で会社を立ち上げました。

WeWorkから始まり、個室へ移転、社会的信用としてのオフィスを持つ

最初のオフィスは、横浜みなとみらいのWeWorkで借りた1台のデスクです。私自身が横浜出身であり、物流領域で起業するなら港町がいいと考え横浜を選びました。事業内容は、当初から今も変わらず、荷主と物流業者をつなぎ合わせるサービスです。初めは一人で起業しましたが、次第に会社員時代の仲間たちが業務委託ベースで参画し、システム開発を担ってくれました。私は営業担当として、200社ほどリストアップしてテレアポを始めたものの、起業してすぐコロナが広がったため、電話しても誰もつかまらない状態でした。仕方がないので、自分の顔写真入りのチラシを作成し、港に並んでいるトラックの運転手にアクエリアスと一緒に手配りしました。しかし、まったく売れなかったです。

WeWorkには2年ほどいて、2021年には関内にオフィスを借りました。きっかけは、資金調達に際してベンチャーキャピタルの方から指摘を受けたことです。当時のメンバーは5人。「Willboxに足りないのはカルチャーの醸成だ」と指摘され、たかが5人の会社なのに、と思いましたが、「上場を目指すなら、今からそういうことも意識しないと」と教わり個室を借りることにしたのです。14名まで増やす計画だったので、36坪の事務所を確保。予算の関係で関内を選んだのですが、この辺りは大きな物件ばかりで、30坪程度の物件を探すのに苦労しました。しかも、オフィスを借りるだけでこんなにお金が出ていくとは!でも、これが社会的信用の担保なのだと認識する良い機会になりました。また、「自分たちの城」を持てたという意味ではすごく良かったと思います。周りを気にせずテレアポやWebミーティングができる、日頃からみんなで目標を分かち合い、堂々と議論ができる。シェアオフィスではできなかったことができるようになり、メンバー同士の一体感が生まれた感覚はありました。

Willbox株式会社

採用を意識してクイーンズタワーへ、素晴らしい眺望が決め手

さらに2年後、次の資金調達にあたって35名まで増やす人員計画を立てました。この頃には商談件数がかなり増え、Webミーティングをすると声が周りに響いてしまう状況で、事業の成長に対してオフィスの狭さは限界を超えていました。事業をグロースさせるためにも採用を強化する必要もあり、オフィス環境を改善させるためにも移転を検討し始めました。

ご縁があって紹介されたのが、みなとみらいのクイーンズタワーと横浜ランドマークタワーでした。両方を管理する三菱地所から、「横浜のスタートアップを支援したい」とご連絡をいただいたのです。内見した末、足を踏み入れた途端、眺望に魅了されたクイーンズタワーに決めました。現在、93坪のオフィスに16名が常駐しています。

オフィスのこだわりは、来客用のミーティングスペースから執務室が見えるよう、ガラス張りにしていることです。創業時からお付き合いいただいている物流会社の方々が来社される機会も多いので、Willboxの成長を一緒に感じていただきたいという気持ちからです。同時に、お客様と接する機会のないエンジニアやコーポレートチームのメンバーにも、商談の雰囲気を見てもらいたいという思いもあります。

実は、弊社のお客様のうち7割ほどが中部より西にいらっしゃるため、神戸にも拠点を設けています。それまでは、4~5人いる営業マンが本社から新幹線で関西方面に営業に出掛けていたので、交通費が馬鹿になりませんでした。今は三宮駅直結のビルにあるシェアオフィスを借りていますが、人員増に伴い、近々、個室付きのシェアオフィスに移転する予定です。

横浜の本社に関しては、今後も横浜の中で移転を考えていきます。事業に関しては、弊社のサービスを、現状の主力となっている海上輸送に加え航空輸送にも拡大。さらには海外にも広げていき、世界の物流業者とともに最適な国際物流を実現していきたいですね。

Willbox株式会社

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創業期~現在迄の事業成長に紐づくオフィス変遷や、将来的な事業展望等を中心に記事にいたします。

記事の特性上、原則、代表者様へのインタビュー及び顔写真・オフィス内の写真撮影をさせていただきます。

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上記内容は BZ空間誌 2024年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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