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Vol.5 株式会社インフォプラント

"主役は人"との発想のもと、理想のオフィスへのあくなき追求

社会と生活者を「いい感じに、つなぐこと」をミッションに、マーケティング・リサーチ事業、テレビ番組・雑誌制作支援サービス事業、生活者情報データ・コンテンツ事業を展開する(株)インフォプラント。特に、1999年からサービスを開始したインターネット・リサーチ・サービスについては、まさに草分け的な存在であり、そのスピーディさと優れたコスト性から、各種のマーケティング戦略の実践において、高い評価を獲得している。同社代表取締役兼CEO大谷真樹氏に、ビジネス及びオフィスの変遷と、目指すべきビジネス空間のあり方についておうかがいした。

株式会社インフォプラント
代表取締役社長 兼 CEO 大谷 真樹

1988年、電機メーカーの情報処理部門を経て93年にテレビ番組制作会社に転職、96年、メディア・プランニング・エージェンシーを設立。ネットで生活者の声を集める「インターネット・リサーチ」という情報提供サービスを立ち上げ、2000年、(株)インフォプラントに社名変更。大阪、名古屋への支店開設に続き、今年3月、八戸市に新事業所「インフォプラントノースビレッジ」

間借りした部屋からネットベンチャーを起業

制作会社勤務を経て、1996年にメディア・プラニング・エージェンシーを設立されました。どのようなオフィスでスタートしたのでしょうか?

インフォプラントが配信するC-NEWS

大谷:最初のオフィスは、この部屋(インフォプラント社長室)の半分ぐらいの広さでした。友人の親父さんがビルオーナーの新中野にある立派なオフィスビルに、別の友人がオフィスを借りていたのですが、その一角を間借りしたんです。その時持っていたのは、やはり友人からもらい受けた机とパソコンと電話機4台。テーブルとコーヒーメーカーを購入し、それが資産のすべてでしたから、ないもの尽くしのスタートでしたね。

当時はどのようなビジネスを?

大谷:主に報道ドキュメンタリー番組の制作です。それだけではビジネスモデルとして弱いと感じていた矢先、96年ごろからインターネットが普及し始め、これはチャンスだと感じていました。そのころ怪我をして時間ができたこともあり、ネット革命に乗るべくビジネスモデルを徹底的に研究したんです。99年ごろから、現在のビジネスモデルの原型となるインターネット・リサーチ業務を始めました。2000年には、第三者割当増資で1億円を調達し、社名を「インフォプラント」に変更。これが実質的な創業といえるでしょう。

インフォプラントが配信する"C-NEWS"(URL:http://c-news.jp/)ネットリサーチの独自性を活かし、「なぜ、その商品はヒットしたのか?」「消費者層はどんなプロファイルで、何をどう購入するのか?」といった疑問に答えると共に、マーケティング活動を展開する企業や組織に常に新鮮な「視点」や「仮説」を提供する。

100坪借りれば100坪に見合う会社になる

新宿御苑に移転されたのもそのころですね。

大谷:そうです。1億円を調達して、さて何をしようか考えました。まずはオフィスを構えようと思い、新宿御苑にあった当時の大東京火災ビルに移ったのです。

なぜ新宿御苑に?

大谷:新宿には昔から強いこだわりがありました。混沌さと整然さが同居していて、アジアで最もアジアらしい街。私の大好きな街です。将来はアジアへのビジネス展開も意識していたので、会社を持つなら、海外、特にアジアで名の知れた土地にしたいと考えていました。海外でも通用する地名といえば、富士山、京都、そしてやはり新宿。日本の中でアジア人が一番多い街であることが大きな魅力といえます。

新中野のビルにいたころ、目の前にそびえる新宿高層ビルの摩天楼を眺めながら、当時の社員と屋上で酒を酌み交わしたものです。「将来はあの高層ビルのどこかに事務所を借りよう」と。当時は、多くのネットベンチャーが渋谷を中心とする"ビットバレー"にこぞって拠点を構えましたが、私たちがあえて新宿を選んだのは、このような理由からです。

移転したオフィスは、100坪という広いスペースでした。

大谷:アルバイトも含めて10人ほどの会社でしたから、ガラーンとして、この広いスペースがどうなるのか心底心配しました。ただ、当時いろんな人に相談する中で、「会社はスペースに応じて成長するものだから、最初から広いスペースを借りたほうがいい」という助言が強く印象に残っていました。100坪借りれば100坪に見合った会社になる。自分を奮い立たせるためにも決断したんです。

ベンチャー企業にとって、賃料が相当に負担だったのでは?

大谷:確かに負担は大きかったのですが、このビジネスモデルが正しければスペースはすぐ埋まるはずだという確信はありました。案の定、あっという間に社員が増え、1年後にはもう1フロア増床するに至りました。

社員全員を見渡せるワンフロアにこだわった

04年1月に現在の中野坂上に移転しましたが、そのきっかけは?

大谷:オフィスが二つのフロアに分かれたことで、社内のコミュニケーションに支障が出てきました。会社全体を見渡せるワンフロアの空間へ移転したいと考えるようになったのです。そのころの社員数は約100人。300坪ほどの規模が必要でした。

今でこそ中野坂上には多くの企業が事務所を構えるようになりましたが、当時はそれほどでもなく、空き物件もたくさんありました。西新宿高層ビル街に隣接しながら住所が中野区ので、賃料がリーズナブルだったことも魅力の一つ。また、このビルの13階からは西新宿の高層ビル群が見渡せ、絶好の眺望だったことも私にとっては大きな決め手でした。 オフィス街としての知名度が低かったため「人材が集まりにくいのでは」という心配が人事部にはあったようです。ところが、実際に移転してみると、駅直結の利便性と高いビルのグレード、ゆとりある執務空間が社員に大変好評。もちろん採用活動への支障もありませんでした。

ここでも、最初は社員数に対して広すぎる感がありましたが、すぐに人員が増え、今では机の配置に苦慮するほどです。社員を押し込めてしまっている状況なので、実のところ現状はあまり良い環境とはいえません。来年の1月には15階を借り増し、環境改善を図っていく予定です。

増床に次ぐ増床は、成長過程のベンチャー企業には避けられないことなのでしょう?

大谷:移転や増床を終えた瞬間から、もう次を考え始めないと間に合いません。ですから、毎年のオフィス戦略を考えることが私の重要な仕事の一つになっています。その他の細かい仕事は苦手で、すぐ社員任せにする私ですが、レイアウトや空間設計には、必ず口を出しています。

オフィス空間づくりで、特に気を配られることは?

大谷:とにかく見渡せることを重視し、室内の間仕切りを必要最小限に抑えています。最初は、向かい合う社員の間のパーティションすらなかったのですが、さすがに落ち着かないという声があり、今は目線が隠れる高さのものを設置しています。

ベンチャー企業では、社内でトラブルが起きれば全社をあげて対応していかなくてはなりません。その一方で、喜びも皆で共有します。オフィスというのはまさにそういう"場"ですから、"仕切らない"というのは最も重要なことではないでしょうか。

オフィスは会社の"顔"採用戦略にも影響大

1階にもスペースを借りていますが、店舗を持つ必要のない業態でありながら、1階にオフィスをつくる理由はどこにあるのでしょう?

大谷:1階には打ち合わせスペースや会議室を配置していますが、外壁をガラス張りにするだけでなく、建物内部の空間もガラスで仕切ることで、ビルの外の通りから建物の奥まで見通せるようにしています。こうすることで、インフォプラントという会社で行うビジネスを見せる"ショーケース"にしたいと思ったのです。モノを売っている会社ではありませんから、一般に何の会社なのか理解されにくいところがあります。社員が生き生きと働く姿や、会社の明るい雰囲気を見てもらうことで、インフォプラントの企業文化そのものをPRしようと考えたわけです。

オフィスは" コスト"ではなく"投資"だと考えています。事業を始めたころは「坪単価がいくらだから月々の経費がこれだけかかって大変だ」という意識でしたが、オフィスを会社の"顔"として捉えれば、ブランド構築の一環であり、投資なんです。しかも、優秀な人材を集める採用戦略でもあります。1階の様子を見てこの会社に興味を持ち、働きたいと思ってもらえれば、採用コストの削減にもつながるはずでしょう。

1階の空間設計において、特に工夫された点は?

空港のロビーをモチーフにした、1階オフィスの打ち合わせスペース

大谷:空港のロビーをイメージしたことでしょうか。シンガポールや香港、クアラルンプール辺りのアジアの空港ですね。天井が高く開放感に溢れ、所々に椅子が置かれている。人との距離感が程よく保たれた空間。空港のロビーでノートパソコンを開いて仕事をしているビジネスマンをよく見かけますが、意外に集中できるんです。そういう環境を会社に再現したいと思いました。

あるいは雑踏の中のカフェのイメージ。車や人の往来でざわついていながらも、これも意外に集中できる。中野坂上のオープンカフェで、コーヒーを飲みながらパソコンで仕事をしているビジネスマンを目撃する──そのような場面をイメージして、1階の道路側の打ち合わせスペースをこのような造りにしたのです。

オフィス然とした場所でないほうが仕事ははかどると。

大谷:そうです。営業職ならカフェで仕事をしても構わないし、クリエイティブ系であれば芝生の上だっていい。逆に企画部などは、資料が置いてある場所で、パーティションで区切った静かな空間を作ってあげたほうが集中できるかもしれません。

これまでのオフィスは、まずスペースありきで設計され、そこに人を押し込めるという発想でした。オフィスの一区画をある部門に充て、指揮系統がスムーズに機能するように社員の机を並べるという考え方です。しかし、これからは逆の発想になるでしょう。個々の働き方や価値観がまず先にあり、それに合わせたオフィス設計が求められるようになってくるのではないでしょうか。

"人"から発想したオフィス設計 土地や人材の豊富な地方に注目

06年3月には、青森県八戸市に新事務所「インフォプラントノースビレッジ」を開設しました。

インフォプラントノースビレッジ

大谷:現在、八戸の事務所はバックオフィス的な存在です。東京でなくても機能する業務や部門については、賃料が高くて人材難の東京に固執する必要はありません。どんどん地方に移転すべきだと考えています。

八戸を選んだのは?

大谷:私の故郷であるので誤解される面もあるのですが、実際は全国のかなりの都市に足を運び、消去法で選んでいった結果、八戸が残ったのです。まず、潜在的な人材に恵まれていることが大きな理由です。首都圏では、もはや高いコストをかけても求める人材を獲得することは至難の業。一方で、仕事が少ない八戸では優秀な人材に余剰があり、人材獲得において高いポテンシャルを感じます。また、雪深いイメージがある東北ですが、八戸は実は日本一晴天率が高い土地柄なんです。雨が少なくじめじめしていない気候も魅力でした。 これからは、環境と人材獲得の面から、地方への注目が高まってくると思います。地方には、豊かで暮らしやすい場所がまだまだ残っています。東京では、コスト面から実現が難しい、社員のライフスタイルやワークスタイルから発想して設計した理想のオフィスを、地方で形にしていきたいと思っています。

本当に"人"が主役の、新しいオフィスの形ですね。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2006年冬季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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