従業員同士が学び合い、成長し続けるためにも、
リアルなコミュニケーションの場は不可欠。
ANAホールディングス(以下ANAHD)発の初めてのスタートアップ企業として、2020年に設立されたavatarin株式会社。世界中から各分野のエキスパートを積極的に採用し、多様な国籍や価値観を持つ社員がともに働く環境を築いてきた。同社が成長とともにどのようにオフィス環境を整え、働く場にこだわってきたのか。代表取締役CEOの深堀氏にインタビューした。
avatarin株式会社
代表取締役CEO
深堀 昂氏

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人々の冒険心と可能性を拡張、誰もが新たな世界へ行ける未来を
avatarinは、AIやロボティクスなどのテクノロジーを活用し、「世界最大の人助けネットワーク」の構築を目指しています。主なサービスは、開発中の遠隔からお客様をサポートする接客AIサービス「avatarin」と、コミュニケーションAIロボット「newme(ニューミー)」。一般的にロボットは無機質なイメージを持たれがちですが、「newme」はプロフェッショナルのスキルを学習したAIを搭載しているため、人ならではの気付きや温かみを活かし、より自然で心のこもった接客を可能にします。さらに、AIを通じたプロフェッショナルなスキルを共有できるプラットフォームの構築により、人材不足の解消だけでなく、世界中の人がいつでもどこでも助け合える社会を実現することが、私たちのミッションです。
AIの進化によって、人が担うべき仕事が減り、「これからの時代に何をするべきか?」が問われるようになりました。私たちが目指すのは、単に人を代替する技術ではなく、人々の冒険心や好奇心を広げ、可能性を拡張するためのツールをつくること。まるで日本のアニメーションで描かれるような、誰もが自由に新しい世界へ飛び込める未来を実現したいと考えています。
日本橋のオフィスビルを、大手デベから居抜きで借りる
当社はANAHD内のプロジェクトとして、2018年にスタートしました。最初はANAHDの汐留シティセンター内にある一室を間借りして、8名ほどのメンバーで開発を行っていました。スタートアップとして創業したのは2020年4月のことです。
2020年1月ごろ、当時AVATAR X(ANA・JAXAによる宇宙関連プログラム)に携わっていた縁で大手デベロッパーにオフィス移転の相談をしたところ、その企業が使用していた日本橋のオフィスビルの一区画を、居抜きで貸していただけることになったのです。通常、設立前のスタートアップがオフィスを探すことは簡単ではありません。それにもかかわらず、1、2ヶ月という短期間で入居が決まったのは、事業の成長性や将来性を評価していただいたからだと考えています。
スピード感のある増員に対応し、3フロア目の増床へ
創業時は12、3名だったメンバーも、現在では約70名へと増員し、オフィスも増床を重ねてきました。最初に借りた5階の一区画は、ロボット開発のスペースを考慮しても面積が余るほどでしたが、スピード感のある増員を予定していたため、ある程度のオフィス面積は確保しておきたいという考えがありました。その後、人員が増加するにつれて会議室が不足し始めたため、4階の半分を追加で確保。その後も増員が続き、先日8階のワンフロアを借りるまでに至りました。
テレワークが普及する時代ですが、スタートアップ企業にとってはスピード感のある事業が求められるのと同時に、従業員一人ひとりのスキルを維持・向上させるためにも、リアルなコミュニケーションの場を設けることが不可欠です。業務をこなすだけでなく、リアルな議論やフィードバックを通じて互いに学び合い、成長し続けるためには、物理的に同じ空間にいることを重視すべきだと思うのです。
多国籍の社員が働く環境にも対応、フロアを越えた交流を促進
ただ、一等地にオフィスを構えたからといって、優秀な人材が集まるわけではないことも実感しています。そこで私たちが目指しているのは「来たくなるオフィス」。単なるワークスペースではなく、リビングのように自然と人が集まり、活発な議論や新たなアイデアが生まれる環境を整えたい。都心で、この人数がワンフロアに収まるオフィス面積を確保することは難しく、どうしても複数フロアに分けざるを得ないのですが、「newme PARK」というコミュニケーションスペースを設けたり、自由に使えるコーヒーメーカーを設置したりするなど、フロアを越えた交流がしやすい環境を整えています。また、多国籍の社員が働く環境に対応できるように、日本語文化レッスンの開催や、多文化が感じられる食事の提供などにも力を入れています。
コロナ禍を経て、リアルの価値をいかに高めるかが重要になり、中途半端な職場環境であれば「オンラインでいいよね」と言われてしまうようになりました。逆に、オフィスがどうあるべきかを突き詰めていけば、カルチャーフィットするメンバーが増え、「家で仕事するよりもオフィスにいたほうが楽しい」と言ってもらえるようになるので、そのような環境づくりをぜひしたいですね。
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創業期~現在迄の事業成長に紐づくオフィス変遷や、将来的な事業展望等を中心に記事にいたします。
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