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SUMUFUMU TERRACE スムフムテラス|プロジェクトケーススタディ

SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス)

“「わが家」を世界一幸せな場所にする”をビジョンに掲げる住宅メーカー・積水ハウス。コロナ禍当初は苦戦したものの、昨年度は巻き返し過去最高益を記録。さらには2021年秋より、新たな形態の営業拠点「SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス)」を都内に順次開設し、今年2月には5店目となるスムフムテラス青山をオープンさせた。生活様式が様変わりした昨今、新拠点開設の経緯や目的について、同社執行役員営業本部長の青木氏に話を聞いた。

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時代とともに様変わりする、生活様式。
家を建てたい人と、住むことについて一緒に考える、
積水ハウスが提案する、新たな形態の情報発信拠点。
SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス) ―積水ハウス株式会社―

SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス)

ニーズの多様化が進む東京の家づくり

戦後の復興期を経た日本で、社会や人々のライフスタイルが大きく変容するきっかけとなった高度経済成長期。その最中にあった1960年、住宅市場の成長を見据え、積水化学工業のハウス事業部を母体に設立されたのが、積水ハウスだ。テレビCMなどで謳われる「家に帰れば積水ハウス」というフレーズに、聞き馴染みのある人も多いことだろう。積水ハウスは現在、戸建住宅のほか、賃貸住宅やマンション、リフォームなどを事業として手がけており、その累積建築戸数は約254万5千戸(2022年1月末時点)。この実績は国内のみならず、世界の住宅メーカーのなかでも、No.1を誇っている。

住宅市場は昨今のコロナ禍において、当初こそ他の業界同様に厳しく冷え込んだが、昨年度は回復し、なかでも積水ハウスは過去最高益をマーク。他のメーカーも軒並み好調だという。「いわゆる巣ごもり需要の一つでしょうか。生活様式が変わり“おうち時間”が長くなったことで、新築の戸建のみならず、マンションやリフォームなど、住まいというものに対するニーズが総じて高まったのだと思います」。そう語るのは、積水ハウス執行役員営業本部長の青木慎治氏だ。「その傾向は特に東京で顕著に見られ、弊社における住宅1棟あたりの単価は全国平均で3900万〜4000万円のところ、東京では5000万円台半ばを超えるケースが多々あります。もちろん、住宅資材の高騰も影響しているのですが、それ以上にお客様ご自身のこだわりを追求したり、広く大きな住まいをご用命いただく機会が、この1年間で急増しています」(青木氏)。

SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス)

この巣ごもり需要を予測していたわけではないが、積水ハウスは10年ほど前から、従来の工業化住宅に加え、高付加価値な住まいの供給に力を入れてきた。とりわけ近年は、環境に配慮したゼロエネルギーハウスを新築の戸建で推進しつつ、ハードとソフト、サービスの3面で、より顧客の満足度を高める戦略へとシフトしてきたという。そのような流れのなか、課題の一つとして浮かび上がってきたのが、顧客対応の拠点として機能してきた住宅展示場の存在だ。「家づくりやメーカー選びの参考として、住宅展示場で実際の住まいをご覧いただくスタイルは60年以上も前からあり、住宅業界の歴史を支えてきました。しかし、そこで想定されてきた顧客層は、初めてマイホームを建てようとする若いファミリーです。住まいへのニーズが多様化し、我々メーカーとしても建て替えや住み替え、さらにはマンションや賃貸経営など、幅広い提案をするようになりました。つまり、お客様ごとに異なる住まいや土地へのご要望に対し、根本からきめ細やかにアプローチできる拠点の必要性を感じたわけです」(青木氏)。

住宅展示場やショールームとは違う「スムフムテラス」

SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス)

集客チャネルである住宅展示場のほかにも、各営業拠点の社員たちが利用していた事務所や、契約後の顧客が資材や設備サンプルの確認に訪れるショールームにも、改善の余地があったと青木氏。住まいの商品ラインアップに合わせ、数年ごとに建て替えられる住宅展示場とは異なり、特にオフィスビルなどにテナントとして入居する事務所のなかには、老朽化した雰囲気が目立つケースもあったという。「ビルの築年数が経っていたり、駅から離れた立地にあったりとか、お客様をお迎えできる状況になかったですね。また、新宿に1ヶ所、広いショールームを設けていましたが、遠方のお客様にはわざわざ足を運んでいただく必要がありましたし、維持費用がかかる半面、展示できるサンプルの数は限られていました。いまの時代は仕入れ先である住設備メーカー自身が、しっかりとしたショールームを設けたり、オンラインで情報を発信しています。そのため、住宅メーカーにおけるショールームの役割を、いま一度見直す必要がありました」(青木氏)。

多様化する住まいへのニーズと、住宅展示場や事務所、ショールームといった各拠点機能の見直し。それらを背景にして立ち上げられたのが、新たな形態の拠点として構想された「SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス)」のプロジェクトだ。住宅展示場のようなリアルサイズの家とは異なり、限られた資材や設備サンプルを並べたショールームでもない。しかし顧客と作り手がともに住むことについて考え、フムフムと納得しながら家づくりを進めることができる。スムフムテラスのプロジェクトは、大阪や兵庫で拠点の移転を手がけてきた青木氏が、1年前にプロジェクトの牽引役として東京に就任。青木氏自ら都内を自転車で駆け回り、ロケーションや物件をリサーチするなど、急ピッチでプロジェクトは進められたという。「従来の住宅展示場ならば、車で来店しやすいことが条件になりますが、電車移動がメインの東京では逆に不便です。そのような観点から駅に近い立地であることはもちろん、家づくりの場であることを感じさせたり、期待感を膨らませるために、周辺環境や眺めにもこだわりました」と青木氏。その結果、新宿・立川・錦糸町・池袋・青山の5ヶ所に、スムフムテラスを開設することが決定したという。「コロナ禍の影響で好物件に空きがあったことも幸いしました。もしプロジェクトの始動がもう1年早かったら、理想の物件が見つからず、どこかで妥協をしていたかもしれません」。

5ヶ所それぞれのロケーションにもこだわったことから、スムフムテラスは各拠点で異なるコンセプトを設け、その街に合わせた店舗づくりを実施。設計や施工は積水ハウス社内ではなく、外部の業者へアウトソーシングした。「家づくりという本来の仕事に集中してもらうために、社員たちに余分な負担をかけたくありませんでした。住宅展示場は内製してきましたが、“壮大な実験”とされるこのプロジェクトのために、本来の業務がおろそかになるのは避けたかったです」(青木氏)。

特色あるコンセプトのもと、家づくりのアイデアを刺激する

SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス)

5拠点それぞれのコンセプトや特色を考慮し、設計・施工は外部の3社に依頼。2021年11月18日には、「暮らしの知恵に出会う場所」をコンセプトに掲げるスムフムテラス新宿と、「生活の彩(いろどり)に出会う場所」のスムフムテラス立川が、同時にオープン。27日には「おもてなしの空間(ジャパニーズモダン)」のスムフムテラス錦糸町が、翌12月25日には「暮らしのLibrary」のスムフムテラス池袋が誕生した。そして今年2月1日、「庭と可変性の空間提案」をコンセプトとするスムフムテラス青山がオープンを迎え、5つの拠点が揃い踏みした。

各スムフムテラスは、それぞれのコンセプトに即した空間がデザインされ、ワークショップやセミナーなど、イベントの開催を想定したスペースも確保した。コロナ禍の現在は、オンラインイベントも充実させている。また、チームラボが手がけるタッチパネルサイネージ「Digital Information Wall(デジタルインフォメーションウォール)」を導入。気になる画像や動画に触れることによって、住まいの施工例やキッチンなどの設備について知ることができる。従来のショールームは展示できるサンプルの数に限りがあったが、データであれば、今後も増え続ける施工例や設備に関する情報を、ほぼ無限にストック可能だ。「リアルなものをご覧になりたい方がいれば、住設備メーカーのショールームへご案内すればいいわけですし、スムフムテラスにはそのようにご覧いただくためのサンプルは、ほぼ置いていません。これまではサンプルを紹介しながらお客様に説明をしてきたので、勝手が変わることに対して社員たちからは心配の声も上がりました。しかし、いざ、スムフムテラスがオープンすると、社員みんなが普段通りに営業活動に取り組むことができています。チャレンジではありましたが、やればできるんですよね」(青木氏)。

SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス)
SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス)

今年オープンしたスムフムテラス青山では、国内外で高く評価されているデザインオフィス「nendo」が、施設のデザインを担当。また、2023年1月末までの期間限定・完全予約制ではあるが、「SEKISUI HOUSE meets ARTISTS」と銘打ったプログラムを開催し、絵本作家の荒井良二や写真家の石川直樹、アートチームの目[mé]の作品を展示するほか、アーティストと対話しながら、積水ハウスの家に飾るアート作品を購入したり、オーダーができるようにした。他にも、家づくりで用いる国内選りすぐりの素材を、アートのように展示するなど、家づくりのアイデアを刺激するような仕掛けを用意している。このような取り組みは、積水ハウスの家づくりやサービスの価値を高めることにつながり、多様化するニーズに対する施策にもなる。従来とは異なる特色を持った拠点として、面目躍如の働きと言えるのではないだろうか。

SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス)

幅広い可能性を探り、積水ハウスの情報発信拠点に

SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス)

スムフムテラスは現在、コロナ禍の影響か事前予約をして訪れる人が多く、webサイトの予約フォームでは見学に際しての要望や家づくりに関する質問も記入できる。「積水ハウスとしては事前にニーズを把握できるので準備をすることができ、来店当日はその方に適したサービスをスムーズに提供できます」と、青木氏。また、「イベントも、コロナ禍の影響でオンラインで参加できるものを増やしています。積水ハウスには訴求したい強みや特長がたくさんありますし、家づくりのほかにも、料理や健康、趣味やカルチャーなど、暮らしに関係する情報も発信していきたいです。オンラインならそれらを全国に一斉発信でき、お客様のPCやスマホはもちろん、たとえばお近くの住宅展示場で見ていただくことも可能になるわけです。スムフムテラスをそんな積水ハウスの情報発信基地にしていきたいと考えています」。

従来の住宅展示場やショールームでは、営業担当が訪れたお客様に1対1で対応し、積水ハウスの住まいを販売してきた。初めての営業担当、初めてのお客様とあっては、ニーズを聞き出したり意思の疎通にも、少なからず“壁”が存在することだろう。また、会社や住まいの訴求の仕方にも、営業担当ごとに違いがあるはずだ。「我々が訴求したい積水ハウスを、オンラインを介してぶれることなく一斉発信していく。その方法が正しいのかどうかはまだ分かりませんが、東京のスムフムテラスがうまくいけば、全国に同様の拠点を設け、各地から情報発信してもらうことも視野に入ってくるかもしれません」と最後に語る青木氏。新たな情報発信に期待が募る。

プロジェクト概要

企業名 積水ハウス株式会社
施設 SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス)
展開 新 宿−2021年11月18日オープン
立 川−2021年11月18日オープン
錦糸町−2021年11月27日オープン
池 袋−2021年12月25日オープン
青 山−2022年2月1日オープン
CBRE業務 新宿、錦糸町、青山の施設賃貸借仲介業務

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上記内容は BZ空間誌 2022年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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