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【後編】総務担当者が驚く賃貸店舗業界の新常識

  • 2025年10月29日

オフィスの契約とは全く異なる、賃貸店舗ならではの商習慣。前編では契約期間や中途解約条項というオプションなどについて、CBRE リテールチームの堀内さんに聞きました。今回は「フリーレント」「敷金」といった初期費用、そしてシビアな「賃料交渉」の実態について、さらに詳しく解説してもらいます。

シービーアールイー株式会社 堀内 愛美

堀内 愛美(ほりうち まなみ)
シービーアールイー株式会社
アドバイザリーサービス|リーシング
リテール
コンサルタント

堀内 愛美プロフィール
2021年入社後、オフィスに配属。その後店舗出店の部署に興味を持ち、リテールへ移動。以降はナショナルチェーンの出店から海外ブランドの初出店等をインターナショナルチームとしてサポート。

―― 今回はまず、賃貸物件を借りる際に、入居後の一定期間、賃料が無料になるフリーレントについてお伺いします。オフィスの賃貸仲介の感覚ですと、内装工事期間を考慮して数ヶ月単位の期間を期待してしまいますが、店舗の場合はいかがでしょうか?

オフィスの場合、物件によっては12ヶ月といった長期のフリーレントが付与されるケースも珍しくありません。しかし、現在の店舗の賃貸マーケットでそれほどの期間を得られることは、まずないと考えていただいたほうがよいでしょう。これまで述べたように、主要なハイストリートでは、貸し手優位の賃貸マーケットですので、1ヶ月でもフリーレントがもらえれば幸運、というのが現状です。

―― あくまでケースバイケースではあるものの、1ヶ月というと、オフィスとは雲泥の差です。店舗は内装工事に時間がかかるため、リテーラーとしてはむしろオフィス以上にフリーレントを確保したいところではないでしょうか?

おっしゃる通りです。オフィスでは、あまり来客が無く内装にこだわりがなければ、極端な話、什器やPCを運び込めば一応は業務を開始できます。しかし、不特定多数の来客がある店舗の多くでは、そのブランドに合わせ、手間をかけて内装工事を行わなければならない場合が大半。有名ブランドともなれば、小さな店舗でも大掛かりな施工を行い、工事期間がまる1年に及ぶこともあります。

その間、リテーラーは売り上げを一切生み出さない状態で賃料を払い続けなければなりません。ですから、切実にフリーレントを望まれるリテーラーがほとんどです。特に外資系のリテーラーからは「工事期間中に収益がゼロなのだから、賃料を払うべきではない」というスタンスで交渉に臨まれることも多いです。しかし、競合がひしめく中で人気物件を確保するためには、物件所有者にとってメリットのある提案をせざるを得ず、結果的にフリーレント期間を短縮してでも契約を優先する、という判断になるケースが後を絶ちません。

総務担当者が驚く賃貸店舗業界の新常識

―― 初期投資という点では、敷金も大きなポイントです。店舗はオフィスに比べて高額になる傾向があるイメージがあるのですが、最近の動向について教えてください。

敷金は、オフィスであれば賃料の6ヶ月から12ヶ月分が一般的ですが、店舗の場合は12ヶ月分前後が標準となります。これは、先ほどお話しした内装工事と深く関わっています。スケルトン状態から大掛かりな工事を行う分、退去時の原状回復費用も高額になりがちです。万が一、リテーラーがその費用を支払えなかった場合に備え、物件所有者はより多くの敷金を預かっておきたいところです。

また、リテーラーの与信によっては、15ヶ月分に増額されたり、別途保証会社への加入を求められたりするケースも。10ヶ月分を下回る条件での交渉は、現在のマーケットではかなり難しいでしょうね。

―― そのような敷金の現状を、多くのリテーラーはどのように捉えているのでしょうか?

当然のことですが、リテーラーとしては少しでも敷金を抑え、その分を内装工事費などに充てたいのが本音です。特に外資系のリテーラーは、資金を長期間寝かせておくことに強い抵抗感を示します。「寝かせる資金があるなら、新たな出店に回したい」という考え方が主流なのです。

さらに近年は、建築資材や人件費の高騰により、内装工事費がインフレ以前と比べて1.5倍から2倍近くにまで跳ね上がっています。こうした状況も、リテーラーが敷金の減額やフリーレントの確保を強く望む背景となっています。

―― 原状回復の負担を減らすため、オフィスの賃貸借にはない、何か特別な慣習などはあるのでしょうか?

はい、最近増えているのが「金銭合意」による原状引き渡しの手法です。これは、退去テナントが原状回復工事を行わない代わりに、工事にかかるであろう費用を算定し、その金額を物件所有者に支払うという取り決めです。

最近、私たちが仲介した銀座の案件でもこの手法が用いられました。本来であれば退去テナントがスケルトンにして引き渡すべきところを、原状のまま物件所有者に引き渡したのです。これは、次に入居するリテーラーが、既存の空調や電気設備、ファサードの一部などを再利用したいと希望したからです。部分的な居抜きといえますが、物件所有者が退去テナントから受け取った金銭を充当して、原状回復工事を行う点がポイントです。

この方法により、物件所有者は原状回復工事の負担を抑え、入居テナントも同様に、既存の設備を生かして内装工事費や工期の圧縮が可能に。そして退去テナントも、事前に退去にかかるコストをある程度固めることができ、思わぬ原状回復工事の手間・費用のリスクを回避できる。三方よしの非常に合理的な解決策と言えます。こうした専門的な交渉や調整も、我々のような仲介者の重要な役割の一つです。

総務担当者が驚く賃貸店舗業界の新常識

―― リテーラーの切実な課題として当然、賃料もあるかと思います。急なインフレも相まって賃料の値上げをしたい物件所有者が多いなか、賃料改定における現場の動向はいかがですか?

前回も述べた通り、地価や固定資産税の上昇を背景に、契約期間の節目で賃料を見直したいと考える物件所有者は確実に増えています。さらに、定期借家契約では期間中の賃料は固定されるのが原則ですが、特約として「賃料改定協議条項」を設けるケースが出てきました。

これは、例えば3年や5年といった特定のタイミングで、CPI(消費者物価指数)の変動率や固定資産税の増減に応じて、賃料の改定について協議する場を設けるという条項です。当然、リテーラーとしては、将来の賃料が不確定になることで事業計画が立てにくくなるため、この条項を避けたいところです。

―― 賃料をめぐる双方のせめぎ合いの中でも、現在は賃料を値上げしたい物件所有者の意向が反映されやすい市況だと思います。このような状況下、リテーラーにはどのようなアドバイスをされますか?

私たちはまず、この協議条項がリテーラーにとって一方的に不利なものではない、という点をご説明します。例えば、「物件所有者とリテーラーの双方が合意した場合にのみ改定する」という条件を付けることで、一方的な値上げを防ぐことができます。

さらに重要なのは、これは「上げ下げ両方の可能性がある」ということです。コロナ禍が近年だと代表的な例ですが、将来、経済情勢が変化して賃料相場が下落局面に転じた際には、リテーラー側から賃料の引き下げを要求できる権利にも、なり得ます。

これはあくまで一例ですが、このような多角的な視点から、双方にとって公平な着地点を探っていくことが肝心です。再契約のタイミングで新たな賃料の打診があった際に、我々が第三者の視点から現在の妥当な賃料相場に関するアドバイスを求められることも少なくありません。

総務担当者が驚く賃貸店舗業界の新常識

―― これまでのお話を振り返ると、特に都心一等地ではいかに優良な物件を確保するか、そして、それを維持していくかが非常に重要だと痛感します。空室がほとんどない中で、リテーラーはどのような観点で探せばよいのでしょうか。

空室率がほぼ0%の貸し手優位のエリアでは、オフィスでは比較的よく用いられるような物件情報サイトを眺めているだけでは、希望の物件に出会うことは極めて困難です。重要になるのは、まだ市場に出ていないような店舗、言うなれば「潜在物件」の情報でしょう。

例えば、私たちは物件所有者との密なリレーションシップを通じて、水面下での情報を常に収集しています。また、2027年~2030年といった数年先に竣工する新築のプロジェクト情報も多数保有しており、長期的な視点での出店計画をサポートすることが可能です。

―― たとえ時間がかかろうとも、戦略的かつ手間暇をかけた情報収集が大きなアドバンテージになるのですね。今日はためになるお話をありがとうございました。最後に、物件探しのご経験がまだあまりない店舗開発のご担当者様に向けて、何かメッセージをお願いします。

店舗探しを任されたご担当者様は、「本当によい物件が見つかるだろうか」というプレッシャーや不安を感じていらっしゃるかもしれません。特に、理想の物件がなかなか見つからないと、焦りも生まれるでしょう。これまでオフィスの賃貸借契約に携わられた方であれば、かつてと同じような感覚で「2、3ヶ月もあれば、物件が見つかるだろう」という感覚をお持ちの方もいるかもしれません。しかし実際に、そのような理想の店舗が見つかるケースは、全体の1割にも満たないのが実情です。

物件との出会いは「ご縁」に左右される側面もありますが、その確率を高めることは可能です。例えば私たちリテールチームは、全国を網羅する人員体制や情報網を駆使し、偶然の出会いを戦略的な一手へと変えるお手伝いをしています。出店はゴールではなく、あくまでもスタート。最高のスタートを切るために、ぜひ私たち専門家の活用も、検討してみてください。

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