需要は旺盛で空室率は10%以下に。オフィス床とともに駐車場も逼迫。
2016年9月期の金沢の空室率は9.8%と、対前期(同年6月期)比0.6ポイントの低下となった。前期から引き続き低下し、ついに1ケタ台への突入となる。需要が供給を上回る状況は、北陸新幹線開業以降変わらない傾向であるが、今期に関しては、建て替えによる一時移転や工事事務所等の短期契約による空室消化が、空室率低下の主たる要因と考えられる。加えて、新規出店のみならず、老朽化した自社物件からの移転や館内増床の動きもあったため、空室消化に拍車がかかったものと推測される。
賃貸ビル以外の選択肢も
空室減少に輪をかけて、駐車場の逼迫具合が深刻である。市内中心部や金沢駅周辺でのオフィス確保が困難になりつつある状況とも相まって、郊外の駐車場付き一棟貸し物件や、テナント要望に合わせて専用の物件を建築するオーダーリースを検討する企業も増えてきている。そのため、今後のオフィスの供給動向によっては、空室率の数字に反映されない部分で、需要が喚起される可能性が高いと考えられる。しばらくは新築ビルの計画が無い中で、どのように需給ギャップを埋めていくかが、今後の課題といえるだろう。
金沢営業所 島 幹雄
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相場表
種別 | 賃料(共益費込) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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金沢市(中心部) | 7,500~9,500 円/坪 |
金沢駅周辺の空室消化に伴い、大型需要の移転候補エリアとなるものの、設備面や駐車場確保の点で、ビル毎の差別化が進んでいる。
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金沢駅周辺 | 9,500~12,500 円/坪 |
幅広い面積帯で需要は多いが、大型ビルの入居率は堅調であり、館内増床による空室消化も見受けられる。
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富山 | 7,500~11,000 円/坪 |
エリア外への統合移転や減床等により、若干の供給が見られるが、新規需要と相殺され、ほぼ横ばいの状況を維持している。
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福井 | 6,500~8,500 円/坪 |
福井駅周辺を中心とした新規開設等の動きが継続しており、需要に関しては、緩やかではあるが回復傾向といえる。
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倉庫・配送センター 市内 |
2,500~3,000 円/坪 |
100~300坪程度の小規模物件の空室供給が散見されるも、間が空くことなく消化されている。依然として供給不足が続いている。
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倉庫・配送センター 市外 |
2,000~2,500 円/坪 |
500~3,000坪程度の面積帯の需要があるが、その需要に見合う物件が非常に乏しく、供給不足が続いている。
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空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。