観光関連は需給ともに活発。オフィスの新規供給が待たれる。
空室率に変動なし
2016年3月期の金沢の空室率は11.2%と、前期(2015年12月期)から横ばいであり、5期連続で低下していた空室率が下げ止まった。小・中規模の面積帯を中心とした新規開設による空室の消化があったものの、自社ビルへの統合やエリア外への拡張移転により顕在化した空室発生が拮抗した結果と見られる。
根強い店舗系の需要
北陸新幹線が開業して1年が経過したが、経済効果は継続しており、アクセスが格段に良くなった関東圏のみならず、他エリアからの注目度も依然として高いため、北陸への再進出を試みる企業も散見される。また、観光客の増加を背景とした、サービス業や飲食業の出店意欲も旺盛であり、金沢駅周辺を中心として、需要は堅調である。
一方、供給に関しては、市内中心部でホテル・マンションの開発予定は見受けられるものの、直近でオフィスビルの建設予定はなく、需要は一部の築浅・高グレードビルに集中するものと推測される。「観光業」に重きを置いた開発が進んでいる中、オフィスビルの供給計画が待ち望まれる状況である。
金沢営業所 柳瀬茂樹
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相場表
種別 | 賃料(共益費込) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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金沢市(中心部) | 7,500~9,500 円/坪 | 駅前に比べ、大型面積が確保可能なエリアではあるが、リニューアル済や築浅、駐車場確保可能なビルに需要が集中する傾向にある。 | |
金沢駅周辺 | 9,000~12,000 円/坪 | 大型ビルの空室消化が落ち着いたこともあり、小・中規模ビルにおいて15~40坪程度の空室消化が進んでいる。 | |
富山 | 7,500~11,000 円/坪 | 撤退や縮小移転、館内減床が散見されるが、エリア外からの移転や新設の動きもあるため、需給バランスは均衡している。 | - |
福井 | 6,500~8,500 円/坪 | 需要は停滞気味であり、賃料水準はやや低下している。目立った供給は見られない。 | - |
倉庫・配送センター 市内 |
2,500~3,000 円/坪 | 100~3,000坪程度と幅広い面積帯で需要はあるものの、需要を吸収できる物件がなく、物件の希少価値が上がっている。 | - |
倉庫・配送センター 市外 |
2,000~2,500 円/坪 | 市内同様、400~3,000坪程度と幅広い面積帯で需要はあるものの、物件がなく成約には至っていない。 | - |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。