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賃貸オフィス・事務所の記事

北海道 - 賃貸不動産市場 2016年6月期

空室率は最低値を更新し1.5%に。希少な大型物件に問い合わせが殺到。

賃料の上昇傾向が継続

シービーアールイー(株)の調査では、2016年6月期の札幌市中心部の空室率は、調査開始以来の最低値を記録した前期(同年3月期)からさらに0.8ポイント低下して1.5%となった。6月に入りテナントの動きが活発化し、100坪以上の大型空室を中心に、一気に空室消化が進んだことが要因である。

そうした中、需要は依然旺盛で、コールセンター企業を中心に、多種多様な業種で拡張・新設等の前向きな移転が続いており、数少ない大型面積物件に問い合わせが殺到している。また、自社ビル売却や立地改善等を検討する郊外からの移転も引き続き増えている。しかし、選択肢が限られる中では、館内増床や分室を検討せざるを得ず、ビルスペックや立地等の諸条件を妥協するテナントは少なくない。

このような状況もあり、早期段階で新築ビルへの移転の検討を始めるテナントも増えてきている。2017年1月末竣工予定の「札幌フコク生命越山ビル」は、すでに満室稼働予定と言われている。竣工前の新築ビルで、この時期の満室稼働予測は今まで聞いたことがない。今後も空室が出てくる可能性は少なく、テナント側には早めの決断が求められる一方で、大型ニーズの潜在化も懸念される。

賃料水準は、ビルグレードやエリアに関わらず上昇傾向で、新規の成約賃料も軒並み上昇している。また、4~5年前に低賃料で入居した既存テナントに対するオーナー側からの増額交渉も相次いでいる。テナントとしては、他の移転先を見つけづらい状況では値上げに応じざるを得ず、依然としてオーナー優位のマーケットが続いている。

高まる新規供給への期待

今後の供給は、前述の「札幌フコク生命越山ビル」、2018年3月末竣工予定の「札幌創成1.1.1区北1西1地区第一種市街地再開発事業」の2棟が予定されている。後者は、札幌市中心部と創成川東エリアの間に位置し、オフィスやホール、放送局等の複合施設となっており、大型面積を希望するテナントからの問い合わせが早くも増えてきている。その後は新規供給予定がないことからも、テナント側の動きは加速すると思われる。オーナー側には、こうしたニーズを満たすべく、新規供給に対する早期の取り組みを期待したい。

札幌支店 二見亮太

相場表

種別 賃料(共益費込) 需給の動向 空室率
推移
札幌中心部 13,000~16,000 円/坪
大型の成約が多く、大型空室はほとんどない状況にある。既存ビルの賃料の上昇傾向が加速している。
低下
地下鉄西11丁目 9,000~11,000 円/坪
大型空室は引き続き少ない状況。札幌中心部のニーズに比べて劣後する部分もあるが、空室は順調に消化されている。
やや低下
創成川東 9,000~10,000 円/坪
大型空室は非常に少ない状況だが、中小規模の面積での動きが多いエリアである。
低下
札幌駅北口 11,500~14,500 円/坪
解約が少なく、かつ空室があまり動かないエリアであることは変わらず。
やや低下
琴似 7,000~8,000 円/坪 新規需要は少なく、マーケットとしての大きな動きは見られない。 横ばい
白石 7,000~8,000 円/坪 新規需要は少なく、マーケットとしての大きな動きは見られない。 横ばい
倉庫・配送センター
既存
2,000~3,000 円/坪 依然として汎用性のある物件供給が少ない状況が続いている。 横ばい
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は BZ空間誌 2016年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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