空室率は1%未満で推移し、賃料は坪14,000 円の大台を突破。
札幌中心部のオフィス市場
シービーアールイー(株)の調査による、2019年6月期における札幌市内の空室率は、0.6%となった。対前期(同年3月期)比0.2ポイント低下、前年同月比では0.5ポイント低下し、オフィスの品薄感が一層強まっている。
引き続き、テナント需要は活発で、今年3月末に満室稼働にて竣工した「創成イーストビル」に次いで、新築の「南大通ビルN1」がIT関連企業を中心に新規開設や拡張移転の受け皿となり、ほぼ満室で5月末に竣工。また一部の築浅ビルでは、BPO関連企業によりまとまった空室が消化された。来年竣工予定の2棟のオフィスビル、「大同生命札幌ビル」「(仮称)サムティ大通西5丁目ビル」も、多数の企業から引き合いが集中している。
こうした市況を受け、想定成約賃料は、対前期比プラス2.7%と、2003年の調査開始以来初の坪当たり14,000円台となった。大型ビルのみならず、中型ビルでも賃料の上昇傾向が強まっている。賃料水準の高騰が、現在のオフィスマーケットにどのような影響を及ぼすか、貸主・テナント双方の動向が注目される。
札幌支店 成澤 結
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相場表
種別 | 賃料(共益費込み) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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札幌中心部 大型ビル | 16,000円~18,000円/坪 | 大型空室の供給がなく、市況は引き続き逼迫。新規空室が外部募集される前に、館内増床で消化されることが要因の一つに挙げられる。 | |
札幌中心部 大型ビル以外 | 10,000円~12,000円/坪 | 空室率が低い中、立地や設備改善を目的とした企業の移転が見られる。 | |
倉庫・配送センター 既存 | 2,500円~3,000円/坪 | 築浅物件や大型空室の消化が進む。全体的には、中小規模の空室も不足している。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。