駅前への需要は引き続き活発、空室率は大幅に低下し11%台に。
根強い店舗系の需要
2015年6月期の金沢の空室率は11.9%、前期(同年3月期)から1.1ポイント低下した。昨年12月期から3期連続の低下となり、大型供給がない状況下で、空室は順調に消化されていると言える。
エリア毎の概況であるが、南町界隈のビルは、館内増床や一部の割安物件への入居を除き、大きな変動は見られていない。一方、金沢駅周辺のビルについては、前期より引き続き駅前志向のテナントによる新設・移転の動きに加えて、エリア外からの増床分室と短期案件による空室消化の影響が大きく出ている点が特徴である。これらの空室発生を伴わない需要を反映した結果、今期の全体の空室率が低下したものと考えられる。
需要の傾向としては、北陸新幹線開業の効果も多少落ち着いた感はあるが、飲食・物販店舗及びサービス系企業の新規開設は依然として意欲的である。直近のオフィス新規供給計画はないものの、マンションやホテルの建設計画は駅前に限らず市内中心部で複数案件が進行しており、それらの低層階への出店意向を持つテナントも多く、今後もしばらくは需要を牽引するものと思われる。
金沢営業所 島幹雄
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相場表
種別 | 賃料(共益費込) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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金沢市(中心部) | 7,500~9,500 円/坪 | 駐車場の確保難や金沢駅周辺へのニーズの偏りで空室消化は進まず。築浅やグレードの高いビルに需要が集中する傾向にある。 | |
金沢駅周辺 | 9,000~12,000 円/坪 | 15~20坪程度と小規模なものが中心だが新設や立地改善などの需要が集中しているエリアであり、空室消化が進んでいる。 | |
富山 | 7,500~11,000 円/坪 | 新設・移転ともに散見されるも、空室率に大きな変動は見られない。大型案件もあるが、動向は緩慢であり、受け入れ可能な物件も少ない。 | - |
福井 | 7,500~8,500 円/坪 | 需要は依然として駅周辺中心。需給ともに目立った動きは見られない。 | - |
倉庫・配送センター 市内 |
2,000~3,000 円/坪 | 新設や事業拡大などプラス要因での小中規模(100~300坪程度)の需要が多いが、圧倒的な供給不足であり、開設を見送る動きも見られる。 | - |
倉庫・配送センター 市外 |
2,000~2,500 円/坪 | 市内同様プラス要因の需要(400~1,500坪程度)が底堅く、供給不足が続いている状況である。 | - |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。