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賃貸オフィス・事務所の記事

名古屋 - 賃貸不動産市場 2014年6月期

名駅の大型再開発に注目が集まるなか、既存グレードAビルにも引き合い増加。

市内全エリアで空室率低下

2014年6月期、名古屋市全体では、2期連続して空室率が低下した。業績拡大に伴う館内増床やオフィス環境改善を動機とした移転需要が継続しており、空室面積は順調に消化されつつある。

市内の空室率は、全てのエリアで低下している。「栄」エリアは対前期(同年3月期)比2.1ポイント低下し9.1%、「伏見・丸の内」エリアは対前期比1.1ポイント低下し8.3%。「名駅」エリアは対前期比0.6ポイント低下し3.1%と、需給はますます逼迫した状況にある。

名古屋でも、企業における人材確保は急務となっており、特に遠方からの交通利便性が良好な「名駅」エリアでは、人材派遣会社のニーズが継続して見受けられる。

グレードAビルは需給逼迫

2015年の大型供給を控えながらも、既存のグレードAビルへの引き合いが増加している。今期は、貸し止めされていた区画で新たに募集が出る事例があった一方、住宅メーカーの集約移転や通信大手企業による館内増床により空室が消化された事例も見られ、結果として空室率はさらに低下した。業容拡大に伴う拡張ニーズは広がりを見せており、グレードAビルの需給は逼迫した状況であるが、ワンフロア単位で空室を持つビルへの引き合いは続いている。

2015年竣工の大型ビルに関心が集まりつつあるなか、いくつかの既存グレードAビルについても、空室の有無の問い合わせが増えている。グレードAビルは、立地や設備、基準階面積が広い点でテナント訴求力が高いため、新築ビルへのテナント流出による空室発生を、移転のチャンスと考えている企業も少なくない。

名古屋グレードBビルの空室率は、対前期比1.6ポイント低下の6.8%となった。今期は、医療法人の撤退に伴う空室、新築ビルへのテナント移転後に発生した二次空室、またリノベーション終了後に新たに募集に出されたビル等があり、空室面積が増加した。一方で、館内増床が引き続き多く、グループ企業の集約移転、オフィス環境改善による移転等によって空室が消化され、結果として空室率は大幅に低下した。金融機関が業容拡大のため、基準階面積の広いビルの空室を大きく消化した事例や、建て替えに伴う立ち退き移転といった事例も見られた。

名古屋支店 ビル営業部

相場表

種別 賃料(共益費込) 需給の動向 空室率
推移
名駅 13,500~20,000 円/坪 新規供給がなく需要が多い駅前では、大小問わず物件の確保が難しくなり、エリアを変更する動きも増加傾向。2015年以降の大型開発に期待が高まっている。 やや低下
名駅西 9,000~12,000 円/坪 中小規模の空室消化が散見されるが、名駅と比較して全体的な動きは引き続き緩慢。築年数の経つ物件の空室長期化も継続。 横ばい
伏見 9,000~14,000 円/坪 駅至近物件や、築年数が浅い物件を中心に消化が進み、空室率は低下傾向。名駅から流れた案件が増加。 やや低下
9,000~14,000 円/坪 依然需要は弱含みではあるが、建替需要も牽引して大型成約が進み、空室率は低下。今後も希少な大型空室面積を確保可能なエリアとして注目を集めている。 低下
丸の内 8,500~13,000 円/坪 コスト削減効果の高い移転を期待するニーズが集中するエリア。伏見と同様に、名駅からの需要の受け皿となり得る。駐車場の確保はやや厳しい状況。 やや低下
周辺都市(岐阜) 7,000~8,500 円/坪 駅前の中小規模の空室消化が一通り進み、動きは落ち着いた状況。100坪以上の大型需要は継続してあるなか、受け皿となる物件は少ない。 横ばい
周辺都市(三河) 8,000~12,000 円/坪 刈谷・安城・岡崎市は、需要増加に対し空室は減少して逼迫した状況。豊田市は需要回復の兆しがあるが、空室消化には至らず。全体的に設備水準を満たす物件が減少傾向。 やや低下
周辺都市(三重) 8,000~11,000 円/坪 四日市では新規開設の需要が散見される。津では駅前立地、もしくは駐車場台数確保が可能な物件への需要が継続的にある。 横ばい
周辺都市(静岡) 8,500~11,000 円/坪 建物の老朽化に伴うテナント募集停止及び移転などの動きも見られ、静岡駅周辺の築浅オフィスビルには空室が少なくなってきている。 やや低下
倉庫・配送センター 2,400~3,200 円/坪 尾張方面中心に需要活発。供給面については大型、中小規模ともに案件が不足気味。賃料は地域によっては上昇傾向。 やや上昇
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー㈱社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2014年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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