地域差はあるものの、全体として前向きな需要で市況は改善傾向。
大宮の新築ビルは好調
シービーアールイー㈱の調査によると、2014年6月期の「さいたま」エリアの空室率は4.7%と、対前期(同年3月期)比で0.3ポイント低下した。依然として引き合いが多く、エリア内での拡張・立地改善、エリア外からの移転、新規開設等、前向きな動きが多く見られ、既存物件では、100坪未満の中・小規模の空室消化も進んだ。
今秋竣工予定の「大宮JPビルディング」は、大型テナント等により大部分が決定しており、大宮駅西口の大型物件を中心に、徐々に二次空室の解約が出ている。これらは、今年度末から来年度明けにかけて空室となり、例年のオフィス移転のピークのタイミングと重なるため、現存の移転ニーズと併せ、ある程度消化が見込まれる。賃料水準は上昇傾向にあるものの、今後については、これら二次空室の消化の進捗に左右されると思われる。
関東・信越主要都市の市況
「千葉・海浜幕張」エリアでは、大型のテナント移転が複数見られ、駅近・築浅物件を中心に、空室を消化している。
「水戸」エリアでは、今期も動きが少なく、引き続き市況は停滞している。「つくば」エリアも、空室が少なく引き合いも少ないため、停滞状況である。
「新潟」エリアでは、30坪以下の小規模ニーズが中心で、目立った動きはなかった。空室率に大きな変化はないものの、引き続き「古町」の苦戦が続いている。「長野」エリアも同様に、今期は動きが少なく引き続き市況は停滞している。
「宇都宮」エリアは、新規出店等の中・小規模のニーズが複数見られ、特に東口の空室率が低下した。大型の空室も少なく、市況は落ち着いてきている。
「高崎」では、新規開設、エリア外からの移転による小規模ニーズにより、駅近の物件で空消化が進んだ。今後の市況は、長期化している空室物件の動向次第である。また「前橋」エリアは依然動きがなく、空室率は高止まりしている。
関東・信越内では、前向きなニーズが見受けられ、全体として市況は改善傾向である。ただし、その程度はエリアによって異なり、引き続き苦戦を強いられるエリアもある。「さいたま」エリア以外では、賃料水準の押し上げまでには至っていない。
ビル営業本部 西尾直樹
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相場表
種別 | 賃料(共益費込) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
---|---|---|---|
千葉市 | 8,500~13,000 円/坪 | 海浜幕張駅周辺では一部で空室の消化が進行。千葉駅周辺でも需要は比較的堅調に推移しており、100坪以上の空室は確保しづらい状況。 | |
茨城 | 7,500~11,000 円/坪 | 全体的に引き合いは少なく、面積帯も20~30坪程度が中心。 | |
さいたま市 | 14,000~19,000 円/坪 | 大宮駅周辺の旺盛な需要は、今秋竣工の新築ビルの影響で発生している潜在空室にも向いてきている。大型優良物件の空室は極めて少ない。浦和駅周辺も、空室は少なく堅調な市況。 | |
栃木 | 8,000~10,000 円/坪 | 宇都宮市内は100坪超のまとまった空室がほとんどなくなり、市況が安定してきている。特に宇都宮駅東口では、大型ビルを中心に空室が少ない。 | |
群馬 | 7,000~10,000 円/坪 | 高崎駅周辺の大型ビルを中心に、稼働率が安定してきた。100坪超のまとまった空室は減少傾向だが、駅から離れた物件は空室が長期化。 | |
長野 | 8,000~11,000 円/坪 | 空室率は高止まりしている。100坪超のまとまった空室こそ少ないが、需要は弱含みで、全体的に空室消化が進んでいない。 | |
新潟 | 8,000~10,000 円/坪 | 依然需要は弱含みで、ニーズも30坪以下の小規模なものがほとんど。 駅南が比較的堅調、駅前・古町では空室消化がなかなか進まない。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー㈱社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。