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賃貸オフィス・事務所の記事

北海道 - 賃貸不動産市場 2015年3月期

旺盛な需要と空室の品薄状況により、空室率は3%台まで低下。

大型や築浅が希少に

シービーアールイー(株)の調査によると、2015年3月期の札幌市の空室率は、対前期(2014年12月期)比0.8ポイント低下の3.7%となった。前年同期の空室率は6.2%だったが、昨今は継続的な低下傾向を示しており、今期はさらに空室消化が加速した。

主なテナント需要の動向としては、コールセンター企業の事業拡大に伴う館内増床や新規開設、自社屋を売却して賃貸ビルへの移転、郊外からの立地改善移転といった大型需要が複数確認され、主に札幌駅周辺のビルが需要の受け皿となった。

昨年竣工した「札幌三井JPビルディング」への移転に伴う二次空室の動向がこれまで注目されてきたが、希少な大型区画や築浅ビル等では二次空室が顕在化せず、急速に消化されてきている。

最近は、大型空室が順調に成約していることで、ワンフロアでまとまった面積を確保できる物件が非常に少なくなった。そのため、今後は大型需要の潜在化が懸念されるが、現状としては、フロア分散や分室等で、オフィス床を確保しようとするテナントサイドの動きが見受けられる。

賃料水準見直しの動き

一方で、オーナーサイドの動向としては、昨今の旺盛なテナント需要と品薄な空室状況を受けて、賃料水準を見直す動きが鮮明になってきた。新規契約での成約賃料水準は昨年から上昇に転じているが、最近は上昇が加速してきているように思われる。また、立地、グレード、築年数、ワンフロア当たりの規模感等で、他のビルと比較して競争力があり、稼働率が上がった一部のビルでは、現賃料の低いテナントに対し、増額改定交渉を始める動きも出てきている。

新規供給としては、「明治安田生命札幌大通ビル」が、ほぼ満室に近い高稼働で今年1月に竣工した。立地改善、BCP対応等のテナント要件を満たすビルは希少性が高く、残る空室にも企業からの引き合いが強い。

札幌市内のオフィスビルの新規供給は、今後2017年まで予定されていない。需給バランスとしては、非常にタイトなマーケット状況が続くと予想される中、オフィスニーズの受け皿になるビルの開発や建替計画等、今後の供給サイドの取り組みが具体化することに期待したい。

札幌支店 眞田基

相場表

種別 賃料(共益費込) 需給の動向 空室率
推移
札幌中心部 11,000~14,000 円/坪 テナント需要は多く、大型面積の成約が複数見受けられた。空室率は下降傾向が続いている。 低下
地下鉄西11丁目 8,000~9,000 円/坪 札幌中心部ほどの需要はないが、高稼働を維持しているビルと苦戦が続くビルとで二極化している。 横ばい
創成川東 8,000~9,000 円/坪 割安感のあるビルを中心に、中小規模の空室消化が見られた。 やや低下
札幌駅北口 10,000~13,000 円/坪 館内増床により大型空室が消化されたこともあり、空室の品薄状態が続いている。 横ばい
琴似 7,000~8,000 円/坪 新規需要は少なく、マーケットとして大きな動きは見られない。 横ばい
白石 7,000~8,000 円/坪 新規需要は少なく、マーケットとして大きな動きは見られない。 横ばい
倉庫・配送センター
既存
2,000~3,000 円/坪 需要は増加傾向だが、依然として物件供給が少ない状況が続いている。 やや低下
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2015年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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