金沢駅周辺で物件確保が困難、オフィスビル以外へ選択肢拡大も。
空室率は引き続き低下
当社調査によると、2016年12月期の金沢の空室率は8.3%と、前期(同年9月期)から1.5ポイントの低下となった。前期に市内空室率が10%を切った後も、順調に空室を消化している状況である。老朽化した大型物件の建て替えによる、立ち退き移転の受け入れ先が一通り内定したことに加え、企業のグループ集約による大型の空室消化、および郊外社屋の売却に伴う賃貸ビルへの移転といった企業の動きが、空室率低下要因として挙げられる。加えて、新規出店や増床などの需要も、引き続き旺盛な状況である。
移転計画の見直しも
移転需要が集中する金沢駅周辺では、50坪以上の空室は特に希少性が高くなっており、空室確保が難しくなっている。さらに駐車場の多数確保が困難なことも相まって、やむを得ず、オフィスビルではなく、駐車場確保可能な「戸建て」物件に移転検討をシフトする企業や、検討エリアを見直す事例も散見される。オフィスビルの新規供給が当面ないため、企業にはスピード感ある情報収集と決断が求められる状況といえるだろう。
金沢営業所 柳瀬 茂樹
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相場表
種別 | 賃料(共益費込) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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金沢市(中心部) | 7,500~9,500 円/坪 |
一部のビルでは、他物件の建て替えによるまとまった需要により、空室が消化されている。
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金沢駅周辺 | 9,500~12,500 円/坪 |
幅広い面積帯で需要が集中しているエリアであり、大型の空室は特に希少性が高くなっている。
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富山 | 7,500~11,000 円/坪 |
新規開設および増床等のプラス要因による需要が増加傾向にある。目立った供給は見られない。
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福井 | 6,500~8,500 円/坪 |
新規開設・立地改善等による需要は散見されるものの、需給に大きな変化はない。
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倉庫・配送センター 市内 |
2,500~3,000 円/坪 |
200坪~1,000坪の面積帯を中心に需要は旺盛なものの、受け皿となる物件が少なく、供給不足が続いている。
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倉庫・配送センター 市外 |
2,000~2,500 円/坪 |
500坪~3,000坪程度の面積帯の需要があるが、移転候補先となるような供給が乏しい状況である。
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空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。