神戸:100坪以上の空室は品薄感すら感じる状況に。
神戸のオフィス市場
2014年12月期の神戸の空室率は、対前期(同年9月期)比0.2ポイント低下の8.2%となった。前年同期の10.2%から空室率は低下を続け、1年間で2.0ポイント(面積で約3,000坪)の空室率低下となった。この市況改善が示す通り、仲介の現場感覚においても、2014年後半から幅広い業種業態で、新設・立地改善・拡張・館内増床という企業の積極的な動きが目立つようになった。値ごろ感のある「好
地」「ハイグレード」物件から空室が消化されており、そのため100坪以上の空室については品薄感すら感じる状況となっている。
2015年は、駅から距離のあるビルや築年数を経たビルへも、好調なオフィス需要が引き続き波及するか、注目されるところである。
平均想定成約賃料は、対前期比0.9%上昇の10,470円/坪となった。前述の市況改善を背景に、好立地・ハイグレード物件については新規成約賃料の上昇だけでなく、下がりすぎた継続賃料を戻す動きも見受けられる。
2015年12月には6年ぶりの新築ビルが高い稼働率で竣工予定であるが、さらなる市況改善のためにも、マーケット活性化の起爆剤となることに期待したい。
京都:継続して空室率は低下するも動きの少ない市場。
京都のオフィス市場動向
2014年12月期の京都の空室率は、対前期比0.2ポイント低下の4.4%となった。3期連続で0.9ポイントずつ低下してきた前期までと比較すると、小幅な低下といえる。これまで割安感のある物件を中心に空室消化が進んできており、マーケットの動きは小康状態となっている。
エリア別では、京都駅前については、引き合いが多い一方で満室のオフィスビルが多く、動きはほとんどない。また、四条烏丸から御池周辺でも、まとまった面積の確保は依然として難しい状況となっている。
平均想定成約賃料は11,290円/坪となり、この1年ほど横ばい状態が続いている。京都市において、空室率が低下している中でも成約賃料の上昇が伴わない最大の要因としては、新築オフィスビルの竣工が2010年を最後にストップし、また今後の新築計画もないことが挙げられるだろう。
このような状況下においては、既存物件の解約による空室のみが、当面の新たな選択肢となる。大型解約が出てきた場合、その引き合い状況や成約条件が、今後のマーケットに与える影響が注目される。
関西支社 皆藤誠一郎 崎山愛子
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相場表
種別 | 賃料(共益費込) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
---|---|---|---|
三宮~神戸 大規模ビル |
12,000~18,000 円/坪 | 引き続き、三宮駅や神戸駅周辺の空室消化が進んでいる。 | |
三宮~神戸 中小規模ビル |
8,000~13,000 円/坪 | 立地やグレードに対し値ごろ感のある物件の成約が進んだが、その他の物件と二極化している。 | |
姫路 | 7,500~12,000 円/坪 | 2015年1月の18年ぶりの新規供給を受け、オフィスマーケットに動きが出ている。 | |
明石・加古川 | 6,000~8,000 円/坪 | 需給ともに動きが少ない。 | |
阪神間 | 7,000~10,000 円/坪 | 引き続き需要は安定しているが、優良物件の供給が少ない。 | |
四条烏丸 大規模ビル |
13,000~18,000 円/坪 | まとまった面積の確保が難しい状況が続いており、新築の供給もない。空室率の低下傾向は穏やかになっている。 | |
四条烏丸 中小規模ビル |
9,000~12,000 円/坪 | 優良空室の消化が進む一方で、競争力の低い物件は空室が長期化して二極化の状況。 | |
京都駅前 | 9,000~18,000 円/坪 | 引き続き空室が極端に少ない状態が続いているため、空室率は横ばい。 | |
倉庫・配送センター・工場 兵庫 |
3,000~4,000 円/坪 | 大型施設への需要はあるものの、即入居可能な物件は非常に少ない。市街地の倉庫兼事務所の需要も堅調だが、空室は引き続き少ない。 | |
倉庫・配送センター・工場 京都 |
3,000~4,000 円/坪 | 京都市南部エリアにおける500坪以上の物件は、継続して品薄感が強い。ただし汎用性が低い物件は、空室期間が長期化する傾向にある。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー㈱社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。