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賃貸オフィス・事務所の記事

北海道 - 賃貸不動産市場 2014年12月期

前向きな需要に支えられ、空室率は4%台の低水準で推移。

新築ビルはほぼ満室稼働で竣工

シービーアールイー(株)の調査 によると、2014年12月期の札幌市中心部の空室率は、対前期 (同年9月期)比0.1ポイント低 下の4.5%となった。ほとんど変動が見られなかったものの、札幌の空室率は、他の主要都市と比較しても、非常に低水準で推移している。

テナント動向は、依然として新規開設、拡張移転、館内増床 といった、面積を拡大する前向 きな移転が多く見られる。また、 社員のモチベーション向上、優秀な人材確保のための立地改善等、企業がコスト以外の部分にも目を向け始めている傾向がうかがえる。

昨年、「札幌三井JPビルディン グ」がほぼ満室稼働で竣工し、二次空室の顕在化が懸念されたが、 前述のような需要増加の背景もあり、外部に空室として募集さ れる前に空室消化が進んだこと も、空室率が引き続き低下傾向にある要因と推察される。

また、今年1月に竣工した「明治安田生命札幌大通ビル」も、ハイグレードスペックを備えてお り、テナント需要の多さも手伝 って、ほぼ満室稼働に近い水準で竣工を迎えている。

情報通信業の需要増加

業種別の需要動向としては、引 き続き情報通信業の動きが多い。 弊社の統計によると、業種別のオフィス使用面積割合は、札幌全体で、情報通信業が29%を占めている状況である。また、1社当たりの推定使用面積の平均では、金融業・保険業の249坪に次いで183坪と第2位となって いる。ワークスタイルの変化や企業方針により、今後も情報通信業の需要は多くなっていくで あろう。また、これらの企業では、新たに受託した業務を行う ため、さらにまとまった面積を 確保していくケースが数多く見 受けられる。

しかし、空室率の低下に伴い、 札幌市内では依然としてまとま った面積の確保は困難な状況である。空室が少なくなってきている中で、一部のオーナーでは、 築年数がある程度経過したビルを取得し、リニューアルにより 賃料水準を保つことと併せて、ビ ルスペックの向上を行い、ビルの稼働率を高水準に上げること に成功している。

前号でも述べたが、今後はテナント・オーナーともに、素早 い情報収集や企業判断が、ますます重要になっていくであろう。

札幌支店 二見亮太

相場表

種別 賃料(共益費込) 需給の動向 空室率
推移
札幌中心部 11,000~13,000 円/坪 テナント需要は引き続き多いが、まとまった面積が確保しづらくなってきている状況。館内での増床が多くなっている傾向にある。 低下
地下鉄西11丁目 8,000~9,000 円/坪 特定のテナント需要はあるものの、札幌中心部と比較すると非常に動きが少ない状況にある。 横ばい
創成川東 7,500~8,500 円/坪 札幌中心部と比べて価格帯が比較的手頃なものが多く、立地を気にしないテナントについては需要があるエリアである。 やや低下
札幌駅北口 10,000~12,000 円/坪 テナント需要は多く、今後は空室消化が継続して進むと推察される。 横ばい
琴似 7,000~8,000 円/坪 エリアとしての動きが非常に少なく、空室消化に苦戦している。 横ばい
白石 7,000~8,000 円/坪 エリアとしての動きが非常に少なく、空室消化に苦戦している。 横ばい
倉庫・配送センター
既存
2,000~3,000 円/坪 既存物件が少ない状況が続いており、時期的にも空室率は低下傾向。 やや低下
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー㈱社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2015年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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